- Amazon.co.jp ・本 (176ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101005058
感想・レビュー・書評
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愛とは隷属である。すごい分かる。恋愛を交換だと考える人、つまり、相手に見返りを求めている人には分からない価値観だろう。そもそも、恋愛とは贈与(隷属)であり、大抵の場合報われない。しかし、贈与(隷属)は我々に最高の幸福を与えてくれる。隷属の幸福こそ、無上の幸福なのだ。
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某所で紹介されてて興味を持ったので読みました。
出てくる人が皆、猫に翻弄されてて「猫飼いってこうなるよね〜」って思いながらの読書になりました。
庄造さんの可愛がりっぷりは読んでてちょっと引いたけど、猫ってかわいいから溺愛するのもわかる! -
40年ぶりに再読。
また谷崎文学に嵌まりそうだ。
当時の文庫本はなくなってしまったが、買い揃えていきましょう。 -
谷崎が描くダメ専女の心の機微がなんとも可笑しい。あんな終わり方もダメ男のダメダメ感満載でこんな谷崎作品もあるんだとなかなか興味深い作品でした。
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谷崎の作品を読んだのはこれが初めてだと思うが、筆力にうならされた。ある読書会が課題本として挙げていたので読んでみたのだが、粗筋をみてそのストーリーの小ささに、果たして読み通せるだろうかと危惧していた。しかし、それぞれの登場人物にとっての道理、そして人情のゆれが描かれ、飽きさせない。現代人の生活に、同じような密な道理や人情が働いているのかは疑問としても、自分のなかにあるものを描いてくれていると思う。
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飼い猫を溺愛している庄造、気性の激しい若妻福子、元夫に未練たっぷりの先妻品子の三人が織りなす大谷崎中期の中編小説。物語の鍵となるのは雌猫のリリー。ペルシャ猫の血が入った彼女の愛らしさと主人公の溺愛っぷりが本書の読みどころの一つである。二人の女のそれぞれの思惑でリリーは品子に譲渡されることに。気風の良い母親おりんと嫉妬深い福子に頭が上がらない庄造は愛猫恋しさに懊悩する。
谷崎特有のマゾヒズムの影も見えつつユーモアに溢れ、猫好きは勿論、犬派やハムスター派にもお勧めの軽やかな一冊。 -
痴人の愛よりも官能的だと思いました
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猫好きには、とてもよくわかる話しですね。
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先日読んだ、「村上さんのところ」でおすすめされていた本。谷崎潤一郎の作品は5冊目くらいだが、本書もとても気に入った。
タイトル通り、庄造というしょうもないオヤジと、飼い猫リリー、そして前妻と後妻を中心にストーリーが進む。庄造がとにかく猫をかわいがりすぎるため、前妻も後妻https://booklog.jp/users/asw#も嫉妬をするのだが、前妻は猫を譲り受けることで元夫の心を取り戻そうとする。一方、老猫リリーは気まぐれで、でも媚の売り方を心得ていて、当初興味がなかった妻たちも愛しくてたまらなくなる。
猫を含む登場人物が、ある意味いじらしく、おバカで、猫に振り回されている様子が滑稽だ。猫を飼ったことがある人なら共感できる箇所がたくさんあると思われるので、一読を薦めたい。猫が人を夢中にさせていく過程が面白かった。