晩年 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101006017

感想・レビュー・書評

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  • ビブリオ古書堂がこの本をテーマにしていたし、ピース又吉氏のお薦め本コーナーが行きつけの本屋にあったので、手にしてみた。

    後期作品かと思ったら、0号作品だった。はっきり言って完成してない作品が多い。
    「葉」は後で解説を読むと、破いた作品の断片集とのこと。読んだときは、お、面白い語り口と思ったとたんに、太宰自身のグダグダした喋りが入ってきて、何じゃこりゃという印象。
    「道化の春」作品の背景の事件を考えると、よくまあこんなダラダラした作品が書けたもんだと思う。

    筆に詰まると顔を出してくる作者が邪魔。いい加減ウンザリ。解説には前衛的手法とあるけど、嘘だと思う。もしそうなら、全然成功していないだろう。
    甘ったれで、自己憐憫が強く、矢鱈自分の容姿に拘ってたりで、好きになれないんだ。
    俺は嘘つきだ嘘つきだと云うなら、もっとしっかりした嘘をついて見せて欲しい。幾つかのホラ話のような作品の方が、まだ良いと思う。
    文章表現の巧みさは、おっと思わされる処がある。

    だけど、正直、太宰はもう、イイかなと思う。

  • こんなに良いとは思わなかった!

    「太宰治いいよね」というヒトは、ちょっと斜に構えたヒトというか、アウトローなヒトなんだと思ってたけど、純粋に良かった。

    物語に浸っていたら、急に執筆中の太宰治が現れて読者に相談をしかける。
    三畳か四畳半の暗い部屋で日本酒飲みながら話すように。

    100年読み継がれることを意識した太宰治。
    この「晩年」が昭和11年に出版されて79年。あと21年です!

    さらば、行け!
    「この水や、君の器にしたがうだろう」

    カッコよすぎます!

  • 2015/08/04

  • 2012年読了

  • とにかく読みづらい最初期の太宰。
    このままだったら、歴史に残らなかったと思う。

  • もっと太宰を読んで見る。

  • 第一作品集のせいか、私小説のような作品が半分以上。その中で「魚服記」と「ロマネスク」の二編のファンタジーが太宰らしさが出ていて好き。

  • 「ロマネスク」とは<小説のように数奇な、情熱的な>という意味らしい。ちなみに「数奇な」には<不思議な><波乱万丈の>に加え<不運な>という意味もあるらしい(建築様式の方しか知らなかった)。「滅多にない、不思議で不運な男たちの巡り合わせ」くらいの意味に取ればいいのか。「私達は芸術家だ」という叫びが何だか唐突で、そうなのかもしれないけど、自分で宣言されると半ば鼻白む収まりの悪い1篇。

  • 好きな作品と良さのわからない作品が混在している感じ。
    私にとって太宰という作家自体がそうなのかもしれない。
    でも、どの作品にもふっと鋭利なきらめきがあるのは流石だと思う。

  • 友達から紹介されて読んだ1冊。太宰は人間失格しか読んだことが無かったが、短編も面白い。解説までとても楽しく読めた。「思い出」が一番よかったなあ。男だから?

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著者プロフィール

1909年〈明治42年〉6月19日-1948年〈昭和23年〉6月13日)は、日本の小説家。本名は津島 修治。1930年東京大学仏文科に入学、中退。
自殺未遂や薬物中毒を繰り返しながらも、戦前から戦後にかけて作品を次々に発表した。主な作品に「走れメロス」「お伽草子」「人間失格」がある。没落した華族の女性を主人公にした「斜陽」はベストセラーとなる。典型的な自己破滅型の私小説作家であった。1948年6月13日に愛人であった山崎富栄と玉川上水で入水自殺。

「2022年 『太宰治大活字本シリーズ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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