- Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101006017
感想・レビュー・書評
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ビブリオ古書堂がこの本をテーマにしていたし、ピース又吉氏のお薦め本コーナーが行きつけの本屋にあったので、手にしてみた。
後期作品かと思ったら、0号作品だった。はっきり言って完成してない作品が多い。
「葉」は後で解説を読むと、破いた作品の断片集とのこと。読んだときは、お、面白い語り口と思ったとたんに、太宰自身のグダグダした喋りが入ってきて、何じゃこりゃという印象。
「道化の春」作品の背景の事件を考えると、よくまあこんなダラダラした作品が書けたもんだと思う。
筆に詰まると顔を出してくる作者が邪魔。いい加減ウンザリ。解説には前衛的手法とあるけど、嘘だと思う。もしそうなら、全然成功していないだろう。
甘ったれで、自己憐憫が強く、矢鱈自分の容姿に拘ってたりで、好きになれないんだ。
俺は嘘つきだ嘘つきだと云うなら、もっとしっかりした嘘をついて見せて欲しい。幾つかのホラ話のような作品の方が、まだ良いと思う。
文章表現の巧みさは、おっと思わされる処がある。
だけど、正直、太宰はもう、イイかなと思う。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
2015/08/04
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2012年読了
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とにかく読みづらい最初期の太宰。
このままだったら、歴史に残らなかったと思う。 -
もっと太宰を読んで見る。
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第一作品集のせいか、私小説のような作品が半分以上。その中で「魚服記」と「ロマネスク」の二編のファンタジーが太宰らしさが出ていて好き。
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「ロマネスク」とは<小説のように数奇な、情熱的な>という意味らしい。ちなみに「数奇な」には<不思議な><波乱万丈の>に加え<不運な>という意味もあるらしい(建築様式の方しか知らなかった)。「滅多にない、不思議で不運な男たちの巡り合わせ」くらいの意味に取ればいいのか。「私達は芸術家だ」という叫びが何だか唐突で、そうなのかもしれないけど、自分で宣言されると半ば鼻白む収まりの悪い1篇。
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好きな作品と良さのわからない作品が混在している感じ。
私にとって太宰という作家自体がそうなのかもしれない。
でも、どの作品にもふっと鋭利なきらめきがあるのは流石だと思う。