晩年 (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101006017

感想・レビュー・書評

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  •  
    ── 太宰 治《晩年 19360625 砂小屋書房 19471210 新調文庫》P397
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4101006016
     
    …… 『晩年』という題名の小説はない。十五編を集めた第一創作集に
    付せられた総題であるのだ。なぜ満二十七歳の青年が、その処女創作集
    に老人くさい『晩年』などという題名を付けたか(奥野 健男・解説)。
     
    …… 私はこの短編集一冊のために、十箇年を棒に振った。まる十個年、
    市民と同じさわやかな朝めしを食わなかった。私は、この本一冊のため
    に、身の置きどころを見失い、たえず自尊心を傷つけられて世のなかの
    寒風に吹きまくられ(中略)わが身を、とうてい恢復できぬまでにわざ
    と損じた。百篇にあまる小説を、破り棄てた。原稿用紙五万枚。そうし
    て残ったのは、辛うじて、これだけである。これだけ(中略)。この本
    一冊を創るためにのみ生れた。── 太宰 治《19360100 文芸雑誌》
     
     Dazai, Osamu 19090619 青森 東京 19480613 39 /情死/籍=津島 修治”
    19360625(27歳6日)/19480619“桜桃忌
     
    …… 『猿ヶ島 19350900 文学界』は、面白い「見せ物」だと思ってい
    た人間から、実は逆に自分たちが見物されていた。これは文学者の宿命
    に対する認識であり、文壇に対する風刺でもある(奥野 健男 P403)
     ||
    …… 「まさか?!」 彼は、わたしに芸をしろと指図したのだ。
     怒って戻ろうとしたら、すでに金属製のドアが閉じられていた。
     オリの中にいたのは、大勢のサルではなく、このわたしだったのだ。
    http://www.enpitu.ne.jp/usr8/bin/day?id=87518&pg=20081019
     イン・ザ・ステージ ~ That's the Way It Is ~
     
    (20221231)

    • adlibさん
       
      ── 太宰 治《晩年 19360625 砂小屋書房 19471210 新調文庫》P397
      http://booklog.jp/us...
       
      ── 太宰 治《晩年 19360625 砂小屋書房 19471210 新調文庫》P397
      http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4101006016
       
      …… 『晩年』という題名の小説はない。十五編を集めた第一創作集に
      付せられた総題であるのだ。なぜ満二十七歳の青年が、その処女創作集
      に老人くさい『晩年』などという題名を付けたか(奥野 健男・解説)。
       
      …… 私はこの短編集一冊のために、十箇年を棒に振った。まる十個年、
      市民と同じさわやかな朝めしを食わなかった。私は、この本一冊のため
      に、身の置きどころを見失い、たえず自尊心を傷つけられて世のなかの
      寒風に吹きまくられ(中略)わが身を、とうてい恢復できぬまでにわざ
      と損じた。百篇にあまる小説を、破り棄てた。原稿用紙五万枚。そうし
      て残ったのは、辛うじて、これだけである。これだけ(中略)。この本
      一冊を創るためにのみ生れた。── 太宰 治《19360100 文芸雑誌》
       
       Dazai, Osamu 19090619 青森 東京 19480613 39 /情死/籍=津島 修治”
      19360625(27歳6日)/19480619“桜桃忌
       
      …… 『猿ヶ島 19350900 文学界』は、面白い「見せ物」だと思ってい
      た人間から、実は逆に自分たちが見物されていた。これは文学者の宿命
      に対する認識であり、文壇に対する風刺でもある(奥野 健男 P403)
       ||
      …… 「まさか?!」 彼は、わたしに芸をしろと指図したのだ。
       怒って戻ろうとしたら、すでに金属製のドアが閉じられていた。
       オリの中にいたのは、大勢のサルではなく、このわたしだったのだ。
      http://www.enpitu.ne.jp/usr8/bin/day?id=87518&pg=20081019
       イン・ザ・ステージ ~ That's the Way It Is ~
       
      (20221231)
       
      2022/12/31
  • 2022読了

  • 「猿ヶ島」の終わりの一文が凄く好きです。

    猿が様々な人間を批判している場面に私達の普段の生活と重なる部分があり、考えさせられました。

    主人公が安定した生活を選ぶのか。自分の生きたいように生きるのか。という選択肢が出た際に、後者を選んだ場面が印象に残りました。

  • 太宰治にはまり、ついにこの本を読む日が来た。この本に収録されている「逆行」は私の入学した大学の入試問題で出題されたものだ。試験中に文章を読んで感動したのは、この「逆行」と宮本輝の「星々の悲しみ」だけ。「星々の悲しみ」同様、すぐにこの本を買っていたが、大学入学してのほほんと生活していた当時の私は読むことなく30年も過ぎていた。処女小説集ということだが、短編一つ一つが心に響く。私小説的なものが多く、太宰の人となりをよく知ることができ、とても楽しめた。30年経ち、太宰が好きになりこの本も読了でき、とても嬉しい。

  • なかなか難しい。。。
    理解及ばず

  • 気迫に欠ける男の描き方は、さすがです。当時、家の資産で暮らす人は割合に少なからずいたと思います。そう考えると、歴史を見るようでもあります。

  • 難しいな、、、

  • 生活。

    良い仕事をしたあとで
    一杯のお茶をすする
    お茶のあぶくに
    きれいな私の顔が
    いくつもいくつも
    うつっているのさ

    どうにか、なる。

    “葉”

  • そもそも「晩年」という作品は存在しないらしい。

  • 砂子屋書房の復刻版が出てきません。

    初版本を読みたいと思っていたけど
    高くて断念。

    全集が欲しくなった。

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著者プロフィール

1909年〈明治42年〉6月19日-1948年〈昭和23年〉6月13日)は、日本の小説家。本名は津島 修治。1930年東京大学仏文科に入学、中退。
自殺未遂や薬物中毒を繰り返しながらも、戦前から戦後にかけて作品を次々に発表した。主な作品に「走れメロス」「お伽草子」「人間失格」がある。没落した華族の女性を主人公にした「斜陽」はベストセラーとなる。典型的な自己破滅型の私小説作家であった。1948年6月13日に愛人であった山崎富栄と玉川上水で入水自殺。

「2022年 『太宰治大活字本シリーズ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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