- Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101006017
感想・レビュー・書評
-
詳細をみるコメント0件をすべて表示
-
この時代の常識や、固有名詞などがわならなかったので少し読みづらかったです。しかし、はっと目を見開かされるような文章に感銘を受けました。憂鬱ではないのに、死の気配を感じる。そんなところでしょうか。年が明けたら再読しようと思います。
特に猿面冠者を気に入りました。工場見学みたいな楽しさがありました。 -
太宰治の処女作。読みにくくて、なかなか読み終えられなかった。
-
面白い
処女作品集でありながら太宰が詰まってる -
やや読みにくいところがあった。自分を曝け出して書いている感じ。
-
(Mixiより, 2010年)
太宰治、処女作。15編からなる短編集です。馴染める作品とそうでないものとの差が激しかったという印象。原因として情景描写に捉えづらいものが多く、(特に自然風景)退屈してしまうことが多かった。また「猿ヶ島」「地球図」などはまず設定を飲み込むのに一苦労で、ページをめくるのがなかなか辛かった。この辺りは個人差があると思います。その中でも「道化の華」は、人生の中で何回か読んでいくことになるだろうなと思えるほど心に残る作品でした。読み手は物語の主人公に感情移入しているのに、いつのまにか書き手の心境にさせられる。自分を投影した主人公を操ることさえもはばかられる、 なんとも弱々しい作者の心境に親近感を抱きます。名作と名高い他の作品には完成度で劣るかと思いますが、読めばきっと誰しも心に引っかかるフレーズが見つかるはずです。 -
長い間、本棚の飾りとなっていた本をようやく読了。晩年が処女短編集の題名だったとは。
-
太宰が当時遺書として書きためた作品集。
「道化の華」の主人公である葉蔵は「人間失格」にも登場しますが、まるで違うような作品でした。
「人間失格」に於いては自己否定や自己破壊の極限に達したような深みがありますが、「道化の華」を始め本書の作品中には当時の太宰の不安定さや息詰まるようなもがき苦しむ様を感じました。
「人生万事嘘は誠」という言葉がありますが、この頃の太宰は持ち前の道化精神に対するこれでいいのか?という不安や、それでも正直なことへの渇望、しかし嘘をやめられないという苦しみと懸命に戦っていて
自殺前提の遺書とされながらも、生きることへの憧れがよく現れていると感じました。