二十世紀旗手 (新潮文庫)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101006093

感想・レビュー・書評

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  • 二十世紀旗手、虚構の春は途中で断念

  • 初めて太宰を読む人に本書はお薦めしない(居ないと思うが)。最も実験的で尖がった試みの短編・中編を収めた文庫である。

    『虚構の春』は、太宰に届いた書簡・手紙を配列し、それだけで構成。実際の書簡に、創作した書簡を混在させていると云われる。いずれにしろ、思い切った試みの“小説”。

    『創世記』『喝采』『二十世紀旗手』『HUMAN LOST』は、いずれも、思考の断片の様々を連ねた“構成”。物語線は無い。
    なかには、多様なモチーフが、短文で次々と投げつけられる展開もあり、時に、これはラップか、と思わせるものも。

  • これも読みづらい。
    話は暗いし、支離滅裂だしで、読むのに骨が折れる。

  • パピナール中毒期の作品群。

    支離滅裂なものも多く、私には難解すぎた。
    けど、不安定な心情を描くとこうなるのかもしれない。
    わざとなのか、ほんとに錯乱したままかいたのか、境界線がわからなかった。

  • 2016/05/14 読了

  • 太宰さんが27~28歳頃に書いた前期の作品を収めた1冊です。
    表題作の他に『狂言の神』『虚構の春』『雌に就いて』『創世記』『喝采』『HUMAN LOST』が収録されていました。

    この頃の太宰さんは、確実に壊れている感じ。
    人生(カピ生)に疲れているときに読めば、この作品たちから同病相哀れむ系の力をもらえるのかもしれないけれど、そうでないときに読むとぐったりするって言うのが素直な感想です。
    甘ったれてんじゃねぇ!ってね(苦笑)

    でも、心が疲れたらまた読んでみようっと。

  • 端的に言って、太宰にとっては入口のみの、読者にとっては出口のみの短編作品集。太宰の狂乱の様を顕すように、ほとんどの作品が、文章と呼べるかすら疑問なほどのじゃじゃ馬である。内々の空間四方に、あらん限り苦悩を叩きつけたばかりのものであって、現代のカテゴリとしては明らかに小説ではない。奇を衒おうという試みは散見できるが、筆が伴わない。私小説の体が備わるまでの過渡作品群と言ってもいい気がする。ところが、百行のうちに一行の珠が隠れているから油断が出来ない。「HUMAN LOST」はその向きがベクトルとして機能し始めている(と私は思う)。非常に難しい一冊。だが、「人間・太宰治」を識るには恰好の作品集なのかもしれない。

  • うん、意味が分からなかったよ、ごめん。
    物語になっているものは読めたけど、支離滅裂なやつはお手上げだ。これはちょっと無理だわ。

  • 正直、この作品群を、どれだけ理解できたか自信がない。
    太宰が麻薬中毒(?)に陥っていた時期の短編を集めたものであり、支離滅裂。読みにくいったらなかった。

    でも俺が読みたいと思っていたのは、案外こういうものなのかもしれない。人の脳の思考過程をそのまま抽出したみたいな作品を読みたいと思っていたんだが、忠実に抽出したらこの作品群のような錯乱したストーリーができるような気がする。
    可読性が低い分、非常に人を選ぶ作品だと思うが・・・。

著者プロフィール

1909年〈明治42年〉6月19日-1948年〈昭和23年〉6月13日)は、日本の小説家。本名は津島 修治。1930年東京大学仏文科に入学、中退。
自殺未遂や薬物中毒を繰り返しながらも、戦前から戦後にかけて作品を次々に発表した。主な作品に「走れメロス」「お伽草子」「人間失格」がある。没落した華族の女性を主人公にした「斜陽」はベストセラーとなる。典型的な自己破滅型の私小説作家であった。1948年6月13日に愛人であった山崎富栄と玉川上水で入水自殺。

「2022年 『太宰治大活字本シリーズ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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