歌行燈・高野聖 (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101056012

感想・レビュー・書評

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  • 2012/10/02読了

    泉鏡花の描く女性や、それを取り巻く空気が、幻想的であり、なんだか艶やかな色を纏った、そんな作風であると思う。
    会話の流れ、特に、女性が微笑みながら、あるいは涙をちらりと見せながらそういった「情」を表すようなシーンはなんとなく不思議な色を持っている…。そんな雰囲気が漂う。
    演習では「高野聖」をしました。
    おとぎ話のよう感触だったが、泉鏡花のフェミニズムが色濃く出ていると思う。

  • 美しい日本語を求めて購入しましたが、古典(古文?)寄りと言うのでしょうか、読みにくく途中で挫折しました。

  • 夜叉ケ池を読んで著者の幻想描写に惚れ、購読。高野聖以外には怪異的なものは登場しなくて、意外だった。しかし、やはり難解な文面には浅学にして五割理解できたのか微妙なところで、精々雰囲気を何とか感じているという有様。印象的なのは、高野聖の孤屋の怪異である女性。粗野であるのに、上品でどこか艶かしく、とても魅了された。同じ境遇であれば、やはり彼の様に引き返えしたい心地になるだろうと思った。

  • 高野聖
    女客
    国貞えがく
    売色鴨南蛮
    歌行燈

  • NHKのテレビ番組のJブンガクを見ています。
    2010年の8月に 高野聖を紹介していたので読み直しました。

    日の光を遮って昼もなお暗い大木が切々に1つ一つ蛭になって了(しま)うのに相違ないと,いや,全くの事で。

    というくだりを

    Each of the trees here, any of them big enough to block sun at midday, would crumble into small pieces, turning into even more leeches - just imagine that!

    と訳していました。

    へー,そういう意味なんだと
    高野聖 の中身と英語の勉強になりました。

    英語にしてみると高野聖 の良さと日本語の良さを再認識できることが分かりました

  • 鏡花は嗜好品。
    嬢様は妖しいだけであんまり萌えない。が、エロエロだ。
    お客のない時は動物達とエロエロだろうと思うと、くっ。
    隠匿こそエロ。
    主人公がどうやって試練をやり過ごしたのか、よう分からん。
    孤家に辿り着くまでが活劇で楽しい。

  • 鏡花=物の怪的なイメージを覆された本。
    高野聖や天守物語のようなこの世のものでは無いモノが出てくる話しか読んでいなかったので新鮮な感じ。
    この世の物語でも鏡花独特の語り方、言葉の使い方は健在でした。

  • 基本的に、小説は、書かれているのと同じ時期・季節に読みたい主義。だからこれも、夏休みに読んだ。学校の先生は、「鏡花は幻想的で特徴がある文体」と言っていたけど、それよりも、リアリティのある文章だと思った。ヒルがくっつく描写とかさ…読んでるだけで痒くなってくる…ヒィ。幻想的だから、逆にリアリティを感じるのかもしれない。個人的には一緒に入ってた短編が好きだった記憶。

  • 「高野聖」
    お坊さんが、出会った「私」に宿屋で奇妙な体験を語る形態の話。

    文章が古く、すごく読みにくかったです。
    結局何なの?って感じでした。
    薬売を追いかけていったら蛭がいて、蛇がいて、美女がいて魅せられて…という話だろうか?

    蛇を極端に嫌がる上人様がなんか可愛かったです(笑)
    嫌さがよくわかる文章を引用文に挙げようと思います(・ω・)

    薬売さんはどうなってしまったんだろう?

  • 主人公が美しい家主との未来を夢見るシーンの、たたみかけるような文章が切ない。
    どうしてこの主人公はあんなことやこんなことをされなかったのか?
    そこに答えがあるような気がする。

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著者プロフィール

1873(明治6)年〜1939(昭和14)年)、小説家。石川県金沢市下新町出身。
15歳のとき、尾崎紅葉『二人比丘尼色懺悔』に衝撃を受け、17歳で師事。
1893年、京都日出新聞にてデビュー作『冠弥左衛門』を連載。
1894年、父が逝去したことで経済的援助がなくなり、文筆一本で生計を立てる決意をし、『予備兵』『義血侠血』などを執筆。1895年に『夜行巡査』と『外科室』を発表。
脚気を患いながらも精力的に執筆を続け、小説『高野聖』(1900年)、『草迷宮』(1908年)、『由縁の女』(1919年)や戯曲『夜叉ヶ池』(1913年)、『天守物語』(1917年)など、数々の名作を残す。1939年9月、癌性肺腫瘍のため逝去。

「2023年 『処方秘箋  泉 鏡花 幻妖美譚傑作集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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