さがしもの (新潮文庫)

著者 :
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101058245

感想・レビュー・書評

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  • 「八日目の蝉」の世界観に引き込まれて、この作者合うかもと思って購読した短編集。
    結果大正解で、どの話も引き込まれるものばかりで内容が軽いこともありすらすらと読み進められた。
    物語の要所要所で読書に対して作者角田光代さんの思いが印象的に表現されており、ついついメモしてしまうものばかりで本への愛を感じられた。

    ミツザワ書店での
    「開くだけでどこへでも連れてってくれるものなんか、本しかないだろう」
    や、さがしものでの
    「いつだってそうさ、できごとより、考えの方が何倍も怖いんだ」
    が特に印象的なフレーズだった。

    世の中には本がごまんと存在していて、自分の中身が少しずつ増えたり減ったり形を変えたりするたびに本の印象や持つ意味は変化していくから、それを合わないからつまらないと決めつけてしまうのはもったいない考え方だと、内容や作者の意見を読んでいて改めて感じられた。自分のペースで巡り合わせを大切にしつつ自分の成長と共に読書を続けていきたいなと思えた。

  • 昔からずっと読みたかった本。
    私がさがしていた本。

    短編ものだが、角田さんのものいいやリズム感が心地よかった。

  • 角田光代著「さがしもの」
    本にまつわるここのつの短編。
    本が大好きな人にとっては「あるある」ネタの共感しまくれる作品なのかもしれません。
    ここに出てくる話の主人公はきっと沢山の本を夢中になって時間も忘れて早く読めるのだろうなと思うと羨ましい。

  • 読後、本とわたしの大切な時間を色々と思い返して、幸せの反芻をしました。
    本を読んでいる時間は別の世界にいる感覚、長編やシリーズものだと登場人物達との別れが悲しくて堪らなくなること、若草物語とナインチンゲールの伝記の2冊を同時に買ってもらってどちらから読もうか真剣に悩んだ小さい頃の記憶。
    角田光代さんの本は視線が温かくて、大好き。文庫のカバーに、角田光代さんと堀江敏幸さんお二人共著が載っていて、大好きなお二人!次に読みたい本も見つけました。

  • 流れで読み直す。所々で出てくる彼氏に本をプレゼントとか二階のバス無しアパートとか本当の自分の事なのかな、旅先で自分が手放した売ったらダメな文庫本に出会うのはよかったし、最後にまた手放すとか男気でした。死ぬのが怖いのではなくて死ぬ事を想像するのが怖いってなんか入り込みました。

  • 読後、「本」という物をより一層好きになれるようなお話でした。本が好きな方にはぜひ読んでほしいです。解説含めお気に入りの一冊です!

  • 短編集。読み始めは、筆者のエッセイかと思った。毎日1話ずつ読み進めていくことが、日々の楽しみになった。買った当初は世界観に入れなかったが、読書が習慣になってきた今読むと、世界観にどっぷり浸かれるすごく魅力的な本だと感じた。どのお話も面白くて、また再読したい。

  • 読み始めてすぐに引き込まれた。
    本と恋にまつわる短編集で、大学生くらいの子が主人公。
    私は元々こういう感じの恋の話が理解できなくて、普段は、こういうものなのか?と思いつつ雰囲気だけ楽しんでいた。
    でも、短編集で、この薄さで、こういう感じの恋の話で、どの展開も面白くて、どの話もすごく面白くて満足度が高い本があったなんてびっくりした。
    こういう感じの恋の話も理解することができた。
    私は角田光代さんのファンになりかけている。

  • 読書の醍醐味があちこちに散りばめられた短編集。本は開くだけで私たちを別世界に連れて行ってくれることとか、同じ本でも自分が成長するにつれ、いろんな経験を積むにつれてその本に対する印象がどんどん変化することとか、本の魅力がいっぱい詰まっている。
    どのお話もそれぞれ良さがあったけど、私が特に好きなのは「ミツザワ書店」。
    入るのに勇気がいる古本屋さんの魅力も随所に描かれていて、今度行ってみようかなと思いました。

  • 本愛を感じる小説。エッセイも良かった。

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著者プロフィール

1967年神奈川県生まれ。早稲田大学第一文学部文芸科卒業。90年『幸福な遊戯』で「海燕新人文学賞」を受賞し、デビュー。96年『まどろむ夜のUFO』で、「野間文芸新人賞」、2003年『空中庭園』で「婦人公論文芸賞」、05年『対岸の彼女』で「直木賞」、07年『八日目の蝉』で「中央公論文芸賞」、11年『ツリーハウス』で「伊藤整文学賞」、12年『かなたの子』で「泉鏡花文学賞」、『紙の月』で「柴田錬三郎賞」、14年『私のなかの彼女』で「河合隼雄物語賞」、21年『源氏物語』の完全新訳で「読売文学賞」を受賞する。他の著書に、『月と雷』『坂の途中の家』『銀の夜』『タラント』、エッセイ集『世界は終わりそうにない』『月夜の散歩』等がある。

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