野火(のび) (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101065038

感想・レビュー・書評

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  • 100分で名著で紹介あったので読んでみた。

    想像以上にシニカルな内容で
    戦争の恐ろしさを考えさせられてします。

    戦争は殺される恐怖はもちろんだが
    殺す罪悪感・生き延びるための苦しさなど
    すべてにおいて非人道的である。

    現在、北朝鮮の核問題もあり
    今一度、戦争というものに対して
    考える時期に来ているのかもしれない。

  • 2017.07.20

  • 実際に多くの餓死者を出したレイテ島の戦場で問われる人間の尊厳。“生きること”の意味を改めて考えさせられる。

  • (1992.08.15読了)(拝借)
    第3回(1951年) 讀賣文学賞小説賞受賞
    内容紹介
    敗北が決定的となったフィリッピン戦線で結核に冒され、わずか数本の芋を渡されて本隊を追放された田村一等兵。野火の燃えひろがる原野を彷徨う田村は、極度の飢えに襲われ、自分の血を吸った蛭まで食べたあげく、友軍の屍体に目を向ける……。平凡な一人の中年男の異常な戦争体験をもとにして、彼がなぜ人肉嗜食に踏み切れなかったかをたどる戦争文学の代表的名作である。

  • 衝撃的・・・・・。

  • 風邪ひいてボーっとしながら読んでしまったのを後悔してます  
    また読まなきゃいけないな……  

    しかし、それを抜きにしても難しかったです  

  • 極限におかれた人間の性のようなものを感じた

  • 2024/4/14
    読みました、映画ももいちど見るべきか。

  • 太平洋戦争、フィリピン戦線でサバイバルする日本軍兵士を主人公とした小説。(大岡昇平の体験に基づき書かれているが、この小説はフィクション)
    戦争文学の代表作品と評されるだけあり、特に主人公の生死を彷徨う状況の中での深層心理の描写が印象に残る。(時には哲学的な表現もあり)

    このような戦争小説を読むにつけ、戦争の愚かさに気づかされ、「平和ボケ」、風化させないためにも読んでいかなければいけないと思う。

    国家のために極限状況に追い詰められた人々に対してやるせない気持ちで一杯になる。

    以下引用~
    ・もし私の現在の偶然を必然と変える術ありとすれば、それはあの権力のために偶然を強制された生活と、現在の生活とを繋げることであろう。だから私はこの手記を書いているのである。

  • じっくり読みきれなかった気がするので再読したい。主人公の眼からみた景色、風景は美しく思えるが、描写を読み込み想像することが難しかった。再読の際には一文一文を噛み砕いていく作業が要る。舞台を離れた主人公が伍長と出会うまでの心理描写もなかなか難しく読み込めていない。鬱屈した雰囲気もあり苦手かも。後半は残酷なことが起きてはいるものの他人との関わりが生じるからか何故かそれまでより、明度が上がった気がした。戦争体験記かと思って読んだが、心理描写、キリスト教、命を食べることへの疑問など、精神的な描写が多くて、思考するヒントをもらえた気がする。

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著者プロフィール

大岡昇平

明治四十二年(一九〇九)東京牛込に生まれる。成城高校を経て京大文学部仏文科に入学。成城時代、東大生の小林秀雄にフランス語の個人指導を受け、中原中也、河上徹太郎らを知る。昭和七年京大卒業後、スタンダールの翻訳、文芸批評を試みる。昭和十九年三月召集の後、フィリピン、ミンドロ島に派遣され、二十年一月米軍の俘虜となり、十二月復員。昭和二十三年『俘虜記』を「文学界」に発表。以後『武蔵野夫人』『野火』(読売文学賞)『花影』(新潮社文学賞)『将門記』『中原中也』(野間文芸賞)『歴史小説の問題』『事件』(日本推理作家協会賞)『雲の肖像』等を発表、この間、昭和四十七年『レイテ戦記』により毎日芸術賞を受賞した。昭和六十三年(一九八八)死去。

「2019年 『成城だよりⅢ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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