- Amazon.co.jp ・本 (278ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101090146
感想・レビュー・書評
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僕自身の食生活を改善するための動機付けとして何かいい本ないかな、と探していた時に見つけたこの本。「パンと紅茶よりワカメの味噌汁」という章に代表されるように、昔の日本人が食していた和食の素晴らしさについて述べられた本ですが、ただ闇雲に日本万歳している訳ではなく、栄養学者としての研究結果や科学的根拠をもって、なぜ和食は素晴らしいか、働く(働きすぎる)日本人の食生活はどうあるべきかが説かれています。この本、発行は昭和57年です。しかしながら著者はまるで35年たった今の日本の(というか僕の)食生活問題を完璧に予見していたかのような内容で身に染みる節が多い本でした。その中で特に感銘を受けた冒頭の一節を紹介します。
人間の生活の態様を、一口に「衣食住」といい、「衣食住」と口調がいいものですからいっしょくたに考えられていますが、「食」と「衣住」とは、本質的に全く別なものです。
「衣」と「住」は、身体の外側にあるものですから、日本人にとって、和風が洋風になったところで、人間の生命の根源に大きなかかわり合いはないのですが、「食」は「衣住」とは異なり、口からたべてお腹に入れて肉体を養い、活動するという健康と生命に直結している重要なものです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「たべもの心得帖」4
著者 川島四郎
出版 新潮社
p202より引用
“団体でとる折詰弁当などで中毒にかかった人も、吐いたり下し
たりする人もあればなんともない人もいます。まず受け入れ態勢
自体を平素から強くしておくことが一番肝心です。”
食糧学者である著者による、本人が普段からしている食生活に
ついて書き綴った一冊。
アフリカの食生活についてから寒天を使った減量についてまで、
すぐにでも真似したくなる様な知恵が紹介されています。
上記の引用は、シジミについて書かれた項の一文。
かつて水質汚染が問題になった時、貝の食べ過ぎで死人が出た言
を受けての一文です。亡くなった方は、ご飯の代わりにアサリを
茶碗に何杯も食べていたらしいです。何事もやり過ぎは良くない
ということだと思いました。
これからの季節食中毒が増える時期です、内蔵を鍛えるのは筋
肉のように目に見えて効果がわからなくて難しいと思いますが、
多少傷んでいても平気でいられるようなお腹に出来たらいいなと
思います。鍛えるのが難しいなら、傷んでいる食べ物がわかるよ
うに鼻や舌の感覚を鋭く保つようにしたいものだと思います。
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