地球になった男 (新潮文庫 こ 8-1)

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感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (298ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101097015

感想・レビュー・書評

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  • 2017年3月27日読了。小松左京のSF短編集、図書館のリサイクル本にて入手。冒頭から、戦争の恐怖、戦後の屈辱、復興後の日本の精神性の低下、などに対する昭和のオヤジの怒り・悲しみ・嘆きが混ざった感情が、SF仕立ての物語・舞台設定の中で押し寄せてくる。「戦争物SF」は現代でもあるが、なかなかこういうリアルな・ドブの香りが漂うような昭和臭って、現代では書くことができないんじゃないだろうか。タイムスリップSFって、何十年も昔から人々を魅了してきたんだなあ…と感慨深くもなる。

  • 初、小松左京。

    最初の辺りさくっと読める軽快痛快なSF短編集って感じだったけど
    後半しっかり読み応えのある話も多くて面白かった。
    古いのから新しいの、グロいのから切ないのまで色々器用に書き分けられる人、って感じだった。


    「紙か髪か」、「日本売ります」、「昔の女」とかすき。

    ストーリーはもちろんSFだけど、描写も綺麗でよかったな。
    昔の女とか特に。

  • SF短編 小学校の時この人の短編読んだことを思い出した
    星さんとは違い古さを感じざるを得ない文体だとは思ったが、面白いし全然読むのが苦ではない
    SFであるからには、突拍子もない展開だとか発想だらけだが、安定感を感じた

  • 短編集だったので、時間が空いたときにちょっとずつ読もうとおもって、図書館で借りた本。表題作以外もみんな面白かった!さすが「日本沈没」の作者さん。

  • 2011年8月1日読み始め 2011年8月7日読了。
    小松左京が亡くなられたので読みました。かなり古い文庫本です。
    短篇集ですが、昔にタイムスリップしたりする話が多めに収録されてます。古いタイプの男に憧れる女性がタイムスリップしてきた武士と結ばれる話や、自分の田舎の山に過去に通じるトンネルがあった話、結ばれなかった悲恋の男女の霊にとりつかれた現代の男女の話…などです。
    昔の良さも描きつつも、しかしそれだけではない苦味もピリリと効いているので、甘ったるくはありません。
    あと、小松左京はSF作家の中でも、わりとエロスを書くのがうまい方ではないでしょうか?なかなか男女の描写がセクシーです。

著者プロフィール

昭和6年(1931年)大阪生まれ。旧制神戸一中、三校、京大イタリア文学卒業。経済誌『アトム』記者、ラジオ大阪「いとしこいしの新聞展望」台本書きなどをしながら、1961年〈SFマガジン〉主催の第一回空想科学小説コンテストで「地には平和」が選外努力賞受賞。以後SF作家となり、1973年発表の『日本沈没』は空前のベストセラーとなる。70年万博など幅広く活躍。

「2019年 『小松左京全集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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