- Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101098388
感想・レビュー・書評
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ショートショートですが、SFではなくミステリや怪談。そして、ぜんぜん怖くない。ところが、深く考えるとゾーッとするのだなあ。SFでないからか、挿絵は真鍋博ではなく和田誠。
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我思うゆえに我あり
だれも不幸にならない事件と、我思うゆえに我ありという人間存在のあいまいさとをテーマにした小作品集です。「ノックの音が」という作品をずっとまえに読みましたがこの人の作品は不思議でブラックで目を離すことができません。 -
記念すべき最初のレビューです!
この本は私が小学一年生かそこらの時に母の本棚から出してきて読みました。自分が読んだ人生初の文庫本だったはずです。
まだ漢字も満足に読めるかどうかという年頃でしたが、ぐいぐい引き込まれてしまい、気がつけば星さんのショートショートはあらかた読んでしまいました。
自分がぐだぐだと長い文章を書いてしまう癖があるというのもあるのですが、本当に彼の2、3ページで起承転結をしっかり盛り込み、かつウィットにとんだ読みごたえのある話に仕上げる技量には感服です。
シニカルであり喜劇的であり…
どの作品も素晴らしいです。
特に私は近未来ものが好きでした。
(この本に収録されているものではありませんが味ラジオ等)
ちょうどドラえもんの道具のように目新しく便利そうで合理的な世界。
しかし一皮めくってみればシニカルな結末に。
まるでオセロのような二面性にわくわくさせられました。
十年以上経った今でもふと読み返したりします。あまり本を何度も読み返す方では無いのですが、彼の作品は何度となく読み返してしまいます。
本を普段あまり読まない人や活字嫌いな人に読んでもらいたい本です。
人におすすめの本は?と聞かれた際には必ずといっていいほど星さんの本を挙げています。 -
引越しの段ボールを整理していると出てきた一冊。ああー、あの純真無垢な頃に戻りたいやら戻りたくないやら。
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星新一といえば、ショート&ショート。
電車の中で少し読むには最適な短さ。それなのに、次はどんな事件が起こるんだろうという期待で手は次へ、次へとページをめくってしまう。
SFでありながら、どこかで本当におきてそうな、リアリティのある話たち。
アイロニーたっぷりに描かれた現代社会。でもどこか、憎めないユーモアで、読後感は穏やか。 -
すごい
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相変わらずおもしろい
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よく思いつくなあ、というのが正直な感想。長編小説を読む合間に息抜きとして読んでしまう。…息抜きというにはオチがどうにもこうにも皮肉で溜息つきたくなる時も多いですが。
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昔読んだかもしれない星新一氏の作品を改めて読み返そうと思ったのは、ショートショートを創作したいと思った初心を忘れてしまいかけたからでした。
しかし、読めば読むほど、ショートショートを書こうと思ったのが間違いだったのではないか、と思えてきてしまうほど、星氏が到達していた境地までの距離の遠さに気を失いそうになります。
いやいやはなから追いつこうというのが間違いなのです。
かたやSF界の一翼を担い、ショートショートというジャンルを築き上げた歴史的な大作家、かたや名も知れず作家になる資質をもっているかどうかも怪しい素人。テクニックを盗もうという浅はかな思いは、テクニックじゃどうにもならないと知ることで早々と打ち砕かれました。
この四半世紀以上前に書かれた、究極的に抽象化された物語郡は、時代を映すあらゆる要素を全て締め出すことで、時代を超越しています。
今読んでも少しも古びたところがありません。
それ自体が既にあたかもひとつの謎であるかのように、燦然と魅惑的に輝いて見えます。
~収録作品~
上役の家
入会
公園の男
消えた大金
あいつが来る
味覚
となりの住人
カード
ポケットの妖精
職業
うるさい上役
ビジネス
運命
お願い
企業の秘密
特殊な能力
先輩にならって
その女
どこかの事件
林の人かげ -
公園の男に出会ったらどうしよう…