一の糸 (新潮文庫)

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  • 新潮社
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感想 : 39
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  • Amazon.co.jp ・本 (551ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101132082

感想・レビュー・書評

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  • 題名にもなっている一の糸は、三味線に貼られた糸。義太夫節の三味線は太棹と呼ばれて他流より大きい。上から順に一の糸、二の糸、三の糸が張られている。一番太い一の糸は、二千本もの細かい絹糸で縒って作る。
    三味線弾きの職業病は心筋梗塞で、主人公徳兵衛も楽屋に戻ったとたん、茜の前で息をひきとる。

  • 流し読みが出来ない一冊。読者を殺す文章とはまさにこのこと

  • こんなに一途な愛を知れて素敵な時間を感じた。


    古い本。母の本棚にあったものを本屋で見つけ、購入。違う作品もだけど、有吉作品は主人公の女性の生き方に作者の信念を感じる。心に決めたものに一途な主人公がすき。高校のころ読んだ作品も読み直してみようかな。

  • どうも古い方のバージョンらしく、表紙の絵が違いますが・・・。

  • 面白かった〜
    三人称小説ではあるが、完璧茜視点なので、清太郎(徳兵衛)への気持ちが切なくっていじらしくって。でも家族になってからもずっと尊敬であり恋であり、愛とか欲とかではなかったような。それが「妻」ということばに象徴されるものなのかもしれない。世喜が「弓次郎」とよび茜が「お父さん」と呼び慣わしたことにも。うーんうまくいえない。芸は男のもので、女はそこに入れない哀しさはあるけれども、それに惹かれ支えている立場は自信となり誇りとなり女を支えていく。どちらの生き方も心動かされるものだと思いました。

  • わがままで、贅沢好きで、
    夢中になると理性なんてふっとんじゃう茜

    わたしの中にも茜がいることを思い出した

  • 301夜

  • とても読みやすかった!芸事を追求する難しさを良くここまで分かりやすく書けるなぁと関心しました。
    徳兵衛みたいな人がいたら惚れちゃうな!

  • ラストのまとめが良い!

    欠点もそのまま描いて それでも魅力的な人物たち。
    腹が据わってて、度胸があって 純情で。

  • 有吉さんの芸者モノ?はそこそこ読んだのですが、文楽モノは初めて。もう少し古典に明るければもっと染みてくるものがあったのだろうと思います。しかし、好きな男にちなんだ柄の着物を身にまとったりするような愛情表現は今ではすっかり廃れてしまったのか。観劇をする方々はそういうこといまだしているのかなといったことも気になります。この作品すら新しい古典なのかもしれないと思ったり。古い関西弁といい、風習といい。宝石、着物、お稽古事、古典芸能、家の格、嫁入り。結婚はやはり厳しいなあとも、芸の道は恐ろしいなあとも思いました。読み応えじゅうぶん★★★★★

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著者プロフィール

昭和6年、和歌山市生まれ。東京女子短期大学英文科卒。昭和31年『地唄』で芥川賞候補となり、文壇デビュー。以降、『紀ノ川』『華岡青洲の妻』『恍惚の人』『複合汚染』など話題作を発表し続けた。昭和59年没。

「2023年 『挿絵の女 単行本未収録作品集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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