- Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101133034
感想・レビュー・書評
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渋沢栄一というと、
聞いたことはあれどなにをした人かは正直よく知らなかった。業績は多岐にわたるが、
第一国立銀行のちの第一勧銀を設立したのが一番の功績なのだろうか。
この本は渋沢栄一の生涯をなぞった小説だが、
農家→尊王志士→徳川家に士官→大蔵省完了後→民間で事業に携わる
といった生涯の変遷に驚く。
これだけ立場を変えても人々に慕われて尊敬されたのは、よほどの能力と人柄があったのだと思う。
本の一節に、
志を心の中に立たせるのは容易い、
実際にどうやったら立つかを考えないと意味がない。
というような内容がある。
彼の一生はそれを追求した結果として、
立場がころころと変わることになったのだろう。
城山三郎さんの本なので内容はいつものようにお墨付き。新紙幣一万円の肖像となる渋沢栄一について知りたければぜひ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
城山三郎『雄気堂々』新潮文庫 読了。幕末維新の動乱の中を生きた近代日本最大の経済人渋沢栄一を描く。農夫の出身で藩閥にも属さなかったのに元勲とも肩を並べて活躍できたのは不思議だが、その生き方のヒントが同書にある。実績こそ華々しいが、若き渋沢が変節しながら老練に生き抜く上巻も面白い。
2014/03/12 -
渋沢栄一の半生を描いた本。
上巻は討幕まで描かれていた。
何事にも一生懸命に取り組み、世のため人のために討幕を掲げていたが、ひょんなことから徳川慶喜に仕えることになった。
死を覚悟してまで討幕を決意していた栄一が、目まぐるしく変化する世の中に合わせて自分の考えを柔軟に変化させ、使えた先で一生懸命働く様が格好よかった! -
僕の大好きな渋沢栄一の小説です。
農民から立身出世して大成していく姿は秀吉に通じます。
最近歴史小説は戦国時代から幕末明治に興味が移ってます。
やっぱり人の生き死によりもいかに政治的に勝ち抜くかという方が現代に通じます。
自分で仕事を作って上に認めてもらっていく姿は見習わないといけません。 -
面白かった!!
上巻は、渋沢栄一の尊王攘夷の志士から一橋慶喜への士官、パリ留学、静岡藩での商工会議所での設立から、大蔵省への出向までが描かれている。
⚪️渋沢栄一自身の現代で言えばキャリアの選択、誰に仕えるかという視点が、自分の「ポジション」を踏まえつつ現実的に理屈的に考えているのが印象的。
⚪️また、特に一橋慶喜へ仕えたあたりから人をうまく使う点、さらに会計を重視する点等、のちのちの財政家、実業家へと育っていく視点がやはり印象的。
⚪️幕末をこれまで、倒幕派の長州薩摩、佐幕派の新撰組から見ることは多くあったが、一橋慶喜から見ることは今回が初めてだったので一橋慶喜の家臣も含め、一橋慶喜の先見性、知略をうまく学ぶことができた。
下巻も楽しみである。 -
明治維新前後の薩長土肥や会津、新選組等メジャーどころ以外の視点、且つ経済的視点から描いた視点が面白く、又、渋沢栄一という日本の経済界の偉人を描いており、もう少し早く読めば良かったとも思う。
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渋沢栄一の前半生が描かれている。
登場人物等は、どこまでが実在の人なんだろう? -
日本の資本主義の父、渋沢栄一の伝記小説。
上巻は激動の、幕末から明治時代の幕開けまで。
「八百万の神が知恵を出しあって」スタートした明治時代のほうに目がいきがちだけど、江戸時代の終わり方にも注目したい。賢候 慶喜の元で渋沢栄一が働いていたことを知りました。この二人の出会いがもたらしたものは相当なものがありそう。
下巻も期待。
Feb, 2014 -
城山の代表作。
渋沢栄一の一生をおってゆく。それにしても激動の人生を送っている。