官僚たちの夏 (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101133119

感想・レビュー・書評

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  • 一気に読了しました。

  • 夏の読書シリーズ、通産省の官僚が高度経済成長でどう闘っていったかを描いた作品。高度経済成長をお話としてしか知らないけれど、熱くて激動の時代だったんだろうなー。ラスト主人公風越の子飼いが次々と倒れていく様は時代の転換を示唆しているのか。確かに国が経済を外資から守るため経済活動をコントロール、というのは恐らく高度経済成長の初期と後期で大きく意味合いが変わっていったんだろう、と想像。

    この後、夏の読書シリーズ第2弾で積読より、昭和史を読む予定。

  • 高度経済成長期、まだ発展途上の日本経済のために奮闘した通産官僚たちの物語。個性豊かなキャラクターたち。天下国家を語り、正論でぶつけてって行く熱い男たち。途中、何度か目頭が熱くなる。

    ただ、思いのほか人事話が主だったのは事前の期待外れ。面白い作品ではあるんだけど、就活時代、現役官僚から感じた魅力とはどこか違っていて、違和感ともつかないものを感じた。また何年か経って読み直したら違う感想になるのかも。

  • 官僚に焦点を当てた小説。割と悪者にされがちな官僚の姿を時代は古い(池田勇人時代)が、実在の人物たちをモデルとして描いた作品である。

    官僚なんてエリートしか関わらないであろう部分を心情含めこうも綺麗に描写できるのは、さすが。

  • 『落日燃ゆ』が良かったのでこちらも読んでみたが、主人公の風越がどうも好きになれず。
    ただあの時代の官僚たちの熱気のようなものは感じられ、これを読んで官僚を目指したという人がいるのも頷ける。

  • 主人公、副主人公に自分を投影した。官僚組織だけでなく、組織に属するものとして胸に迫る思いがした。事なかれ主義なりの正義。出る杭は打たれる組織と派閥。仕事観。人生観。そんなこんなで、今日もストレスに耐える自分が滑稽にもなったり。

  • かつての霞が関の官僚の、仕事に対する暑さが伝わってきた。

    なんであれ、生涯をかけて夢中になれる仕事につける人ってスゴイと思う。

  • いまいち!
    官僚たちの四苦八苦や意地や情熱、戦い、挫折、苦難の乗り越えなどといったプロジェクトXさながらのストーリを期待して読みましたが、そうではありませんでした。

    確かに、官僚機構の内側で、政策をめぐる政府や財界、官僚たちの戦いが語られてはいるのですが、なにか淡々と事実が語られるだけのかんじで、そこに感情移入ができませんでした。

    ブラック企業よろしく当時の「無定量・無際限」の仕事で昼夜問わずがむしゃらに働き続ける官僚の姿や、新しい政策を推し進めようとする主人公、利害関係から抵抗する政財界、ほかの官僚との対立などなど、
    さらには、結果、法案が通らないとか、役職をとばされたりとかいった挫折が、あるはあるんだけど、読んでいていまいち盛り上がりませんでした。

    どちらかというと、人事を基点とした官僚たちの出世ストーリという感じで、主人公やほかの登場人物の苦悩やヒューマンドラマ的なものが掘り下げられていない印象です。

    っていうかそもそもこの主人公の官僚の考え方が肌に合わないっていうのもある(笑)

    っということで、個人的にはいまひとつで消化不良でした!

  • 数年前にドラマ化された時から読みたいと思っていた。ドラマとは少し違うストーリーだったのかな?印象が若干違った。
    仕事に対する猛烈さに一種異様さを感じないではないが、戦後の日本を再構築するために必死だったのだろう。
    また、官僚と政府との危うい関係がこの時代からずっと続いていることがよく分かった。



  • 1960年代、高度経済成長期の官僚達の物語。
    官僚ものを読んだのは初めてだが、非常に面白い。
    敗戦からの10年後、もはや戦後ではないと宣言できるまでに復興し、更にそこから世界第1流の工業国に追いつき追い越す。

    そんな時代の通産省の官僚。
    高度経済成長という稀有な一時代に生き、旧時代の官僚の姿と、新しい時代の官僚の姿の変遷が非常に熱く、そしてドライに描かれている。
    きっと、こんな先人達がかつての日本を作ってきたんだなと感慨深くなる。
    本作でも、政治家や代議士も出てくるが、2017年の現在。ハゲ〜!このヤロー!とか吠えちゃう人や、ちょいと前の会見でワンワン泣きながら慟哭してた奴とか...
    成熟し切ると後は腐り行くだけなのだろうか。

    官僚というと堅苦しいのかと思いきや、古臭さは全く感じさせない。
    良い一冊でした。

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著者プロフィール

1927年、名古屋市生まれ。海軍特別幹部練習生として終戦を迎える。57年『輸出』で文學界新人賞、59年『総会屋錦城』で直木賞を受賞。日本における経済小説の先駆者といわれる。『落日燃ゆ』『官僚たちの夏』『小説日本銀行』など著書多数。2007年永眠。

「2021年 『辛酸 田中正造と足尾鉱毒事件 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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