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- Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101141039
感想・レビュー・書評
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「雁の寺」のモデルとなっている京都の相国寺に行く機会があったので、どうせならば読んでおこうと思って読んだ小説。
異相の少年僧と、少年僧の師匠の愛妾の物語。といってもロマンスには遠く、少年僧の心中に鬱積していく殺意を、硬質な描写であらわした物語でしょうか。
雁の母が子に嘴から餌を与えている絵を、じっと見ていた少年僧。読み終えるとき、心中が氷るように寒かったのを覚えています。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
やはり名作と呼ばれる物は面白いのだなと改めて思わせてくれた本。
2編とも、物語自体には、激しい起伏は無いのに、どちらも妖艶であり、その景色が目に見えるように美しい。特に雁の寺、雁の襖絵が色鮮やかに、眼前に広がりました。 -
暗さの中に深い味わいがあり、何度も読み返してしまった。
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いい。女が哀しい。
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内容は平凡。けど水上勉作品全てに共通する官能美がここにも存在する。水上氏のあやつる京言葉は怪しく艶かしく美しい。京言葉で綴られる女達の妄念執念などが白眉。