- Amazon.co.jp ・本 (672ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101152011
感想・レビュー・書評
-
司馬遼太郎 菜の花忌
菜の花みたいな黄色花が好きだったみたい。
「中外日報」連載 1960年
織田信長により一族惨殺された伊賀忍者。
忍者の夜行性と単独性を梟と見立てる。
伊賀者として生きる重蔵と武士への道を模索した五平。対照的な生き方を選んだ二人の忍者。
豊臣秀吉の暗殺の依頼を受けた重蔵は相弟子だった五平と敵対する事になる。
戦乱の世のスパイ合戦。
戦国末期の暗闇の争い。
伊賀と加賀の忍者の気質の違い。
金で動く表に出ない忍者を小説の中央に置く。
この二人に二人の女性がたびたび絡むのだけど、思いの外、女性に甘めなのではと思ってみたり。
ラストは、五平を囮として秀吉を追い詰めた重蔵。孤高の伊賀風を貫いた重蔵が振り返る人生。
司馬遼太郎は、ひまわり師匠にお任せしようと思う。よろしくおねがいします。
詳細をみるコメント13件をすべて表示-
ひまわりめろんさん連続殺人ミステリーの三番目の犠牲者になるタイプやな連続殺人ミステリーの三番目の犠牲者になるタイプやな2024/02/13
-
みんみんさんモブキャラは仕方ないわね笑笑モブキャラは仕方ないわね笑笑2024/02/13
-
1Q84O1さん主要キャラにはなれないタイプ…_| ̄|○ il||li主要キャラにはなれないタイプ…_| ̄|○ il||li2024/02/13
-
-
重蔵と小萩の恋の行方が気になって、一気読みした。50〜100ページほどは時代背景と人間関係の整理で多少時間はかかったが、誰と誰が対立関係にあるかが分かれば、スラスラと読み進めることができる。
初めての司馬遼太郎。おすすめされて読んだ。自分が司馬遼太郎を読んだことがないと言うと、この『梟の城』を教えてくれたのだ。 -
「梟の城」司馬遼太郎著、新潮文庫、1965.03.30
660p ¥1,045 C0193 (2023.07.31読了)(2023.07.26借入)(2022.06.25/132刷)(2002.11.10/95刷改版)
家康関連の物語と思って、読んでみたのですが、秀吉関連でした。とはいえ、伊賀、甲賀の忍者たちの物語でした。司馬遼太郎さんは、このような物語を書いていたんですね。
【目次】
おとぎ峠
濡れ大仏
白い法印
木さると五平
羅刹谷
忍び文字
聚楽
京の盗賊
甲賀ノ摩利
奇妙な事故
伊賀ノ山
吉野天人
水狗
修羅
五三ノ桐
甘南備山
尾行
石田屋敷
伏見城
解説:村松剛
☆関連図書(既読)
「覇王の家 前編」司馬遼太郎著、新潮社、1973.10.25
「覇王の家 後編」司馬遼太郎著、新潮社、1973.10.25
「時代の風音」堀田善衛・司馬遼太郎・宮崎駿著、朝日文芸文庫、1997.03.01
(アマゾンより)
司馬遼太郎伝説は、ここから始まった! 直木賞受賞作。
信長、秀吉……権力者たちの陰で、凄絶な死闘を展開する二人の忍者の生きざまを通して、かげろうの如き彼らの実像を活写した長編。
織田信長によって父母と妹、そして一族を惨殺された怨念と、忍者としての生きがいをかけて豊臣秀吉暗殺をねらう伊賀者、葛籠重蔵。相弟子で、忍びの道を捨て仕官をし、伊賀を売って、重蔵を捕えることに出世の方途を求める風間五平。
戦国末期の権力争いを背景に、二人の伊賀者の対照的な生きざまを通して、かげろうのごとき忍者の実像を活写し、歴史小説に新しい時代を画した直木賞受賞作品。 -
豊臣秀吉の時代の伊賀忍者が主役の物語。堺の豪商今井宗久に秀吉暗殺を依頼された葛籠重蔵、忍者として生きることに飽き武士として出世することにした風間五平、近江の佐々木氏の子であるが甲賀忍者にやって育てられ石田三成に間者として宗久に送り込まれた小萩が主な人物。重蔵は忍として幸せな生活よりも仕事を優先する考えだったが小萩とあい小萩の愛に触れることで少しずつ考えが変わる。秀吉のところまでたどり着くも殺さなくてもそれに相当する暴力で自身の憂鬱が晴れることに気づき重蔵は生きて伊賀に帰り、最終場面では小萩と共に生活をする。伊賀を裏切った風間は重蔵を捕まえることで出世を企むも伏見城で捕まってしまい秀吉暗殺の首謀者として殺されてしまう。その際使った偽名が石川五右衛門で作者は風間五平が石川五右衛門なよではないかと考えているっぽい。
忍の術とかほんとに存在したのか不思議だけど作中ではとても鮮明に描かれていて面白かった。太平の時代では忍びの活躍できる場はないから廃れるのもしょうがないかな。 -
2人の忍者がでる。
秀吉がらみ。
-
ラストにでてくる意外な人物にテンションが上がる!
-
読み応えのある程よい長さ。
-
はじめての歴史小説、はじめての司馬作品。
最初はうんうん言いながら読んでいたけれど、途中から加速度的に面白くなって、一気に読んだ。
色々な人の立場になって考えてみると、人間らしくあることも仕事人として生きることも、ただの特徴であって、場面で瞬間的に使い分けないといけないな、って勉強になった。 -
登場人物の腹の中が不透明な状況で敵味方が次々と入れ替わる展開は、理解するのに苦労を要した。しかし読む進めていくと共に、全体像を掴めない感覚そのものが忍者という存在を象徴しているのかなという思いが込み上げ、不思議と納得のいく読後感だった。忍者としての生き様をひたむきに貫いてきた重蔵がクライマックスで選んだ言動は人間味が感じられて温かさがあった。戦いの場面の凄惨さとのコントラストが巧みである。真っ黒なキャンバスに様々な濃淡の同色を重ねたような奥深い色彩を感じる本作品は、とても読み応えがあった。