忍者丹波大介 (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (640ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101156026

感想・レビュー・書評

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  • 信義をモットーにする甲賀忍者。

    しかし、豊臣政権の没落後、諸大名の勢力は二分する。そのような時流の中で、甲賀忍びのあり方も変容してゆく。

    丹波大介は信義の甲賀を捨て、一匹狼として、己の信じるもののみを信じ、忍びの道を歩む。

    痛快な戦闘シーンは少なく、娯楽としての読み物というよりも、歴史の中でこういう生業の生き方があったというような、心の移りゆく様が丁寧に描かれるしっとりした一冊でした。

  • 甲賀忍者大介は、甲賀忍者総帥が誰に与したら解くか迷っている様を見て、忍び丹波大介を名乗り一匹狼となり、自らが信じる信義に忠実であろうとする、丹波大介の目を通して徳川率いる東軍と石田三成率いる西軍のどちらにつくべきかさまざまの武将の去就を垣間見るような感覚になる小説。ただし、登場人物が多くなかなか複雑でついていくのが大変だった。
    歴史小説は面白い。

  • 関ヶ原の戦いの少し前、戦国時代を舞台にした血気盛んな若い忍者の物語ではある。忍者物の時代小説として読めば微妙な話ではあるが、働き始めて数年し、仕事に慣れてきた頃の社会人の話として読むとなかなか面白い。
    主人公の大介は自分のスキルに根拠のない自信を持ち、悪運だけはやたら強い甲賀忍者。自分の仕事に疑問を持ちながら、上司や仲間に恵まれ、なんとなく仕事をしている状態。あることをきっかけに、ついていくならこの人じゃないかという人物に出会い、フリーランスになり、真田家の食客に・・・。

  • 久しぶりの池波正太郎作品。間違いない面白さ。織田、豊臣、徳川へと天下統一の経過が忍者の視点から検証されている。

  • 池波のノンシリーズものはイマイチだなぁ。

  • 全1巻。
    池波先生忍者シリーズ。
    関ヶ原の戦い。

    忍者シリーズの最後、
    「火の国の城」の主人公、
    丹波大介の若い頃のお話。

    シリーズ中、一番人間臭い忍者。
    丹波大介やっぱ楽しい。
    読んでて。
    もろ真田太平記の裏側っぽい。
    覚えてないけど。
    読み返そう。
    真田。

    でも火の国の大介の方が好き。

  • そこそこ面白い。
    池波さんの忍者シリーズは続いてるらしいのでこれだけでは判断が難しいところだ。

    腕利きの忍が主を持たずに自由に生きて行く話は
    風神の門の才蔵にも似た感じ。

    忍ものについては色々読んでみたが、
    主あっての活躍話の方が、良い話が多い気がする。

著者プロフィール

大正十二(一九二三)年一月二十五日、東京市浅草区聖天町生まれ。昭和十(一九三五)年、下谷区西町小学校卒業、株式仲買店勤務。昭和十四年より三年ほど証券取引所にあった剣道場へ通い、初段を得る。旋盤機械工を経て昭和十九年、横須賀海兵団入団。敗戦の翌年、東京都職員として下谷区役所の衛生課に勤務。昭和二十三年、長谷川伸門下に入る。昭和二十五年、片岡豊子と結婚。昭和二十六年、戯曲「鈍牛」を発表し上演。新国劇の脚本と演出を担当する一方、小説も執筆。昭和三十年、転勤先の目黒税務事務所で都庁職員を辞し、作家業に専念。昭和三十五年、『錯乱』で直木三十五賞受賞。『鬼平犯科帳』『剣客商売』『仕掛人・藤枝梅安』の三大シリーズや『真田太平記』等、数々の小説で人気を博す一方、食や映画、旅に関する著作物も多く上梓した。受賞歴はほか吉川英治文学賞、大谷竹次郎賞、菊池寛賞等。平成二(一九九〇)年五月三日、入院していた東京都千代田区神田和泉町の三井記念病院で死去。小社では同じく単行本未収録のエッセイ集『一升桝の度量』(二〇一一)と初期戯曲集『銀座並木通り』(二〇一三)を刊行している。

「2022年 『人生の滋味 池波正太郎かく語りき』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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