吉里吉里人(下) (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (624ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101168180

感想・レビュー・書評

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  • 古橋先生…
    面白いキャラです。
    設定から面白かったです。
    馬鹿馬鹿しい感じで終始ニヤついて読んでいました。

  • 上中下と読み進めていくうちに、さえなすぎるおっさん主人公・古橋と吉里吉里国の未来を本気で応援してしまっていたので、ラストが残念すぎた。記録係(わたし)の独白?種明かし?で終わらせる構成はかっこいいんだけど、この時代のラストとしてはちょっと残念な。それと、まだ映画化されてないから、園子温が映画化すればいいと思ったんだけれども。『地獄でなぜ悪い』思い出したんですよね、ラストの印象として。
    それにしても、読者の時間と作中時間を一致させた実験小説的な手法だったとしても、やっぱちょっと長過ぎるよと、ため息ひとつ。達成感というよりも「やれやれ」といった感。このタイミングじゃないと一生読めなかったと思うので、無事読み終われて安心してます。

  • 夏休みにどうしても読みたくなって、再読。学生以来。
    途中やや間延びしたものの、日本の抱える農業問題や医療問題など、問題提起は多岐にわたるし、適度にエッチ(エロい、ではなくエッチ)だし、何より面白く読める。
    映画化して欲しくない作品の一つ。

  • 読み終わりました。救いのない形にしないと終われないのかもしれません。「地域」自治、食料、医療、平和、国際関係、ほんとうに詰めていくと傷があるのかもしれませんが、思想(理想)は、そうあってよいのではないか。考えさせられる本でした。井上ひさしさんの、虐げられる人たちへの優しい視点も感じさせます。それにしても、古橋・・・。

  • 十数年ぶりの再読完了。吉里吉里国独立の理由の1つに日本の農業政策批判があるのですが、その議論は現在のTPPを巡る議論と同じことを言っており、作者の先見の明には恐れ入りました。あと「~してけろ」っていう東北弁も「あまちゃん」を思い出し、妙に2013年とシンクロしてます

    全編通して繰り広げられる過剰なドタバタも井上ひさしらしくて好きなのですが、古橋の脳をベルゴ・セブンティーンの体に移植して別人となってしまう展開は、さすがにやりすぎだろうと。独立計画が失敗に帰する原因となる「秘密」もそれほどのものか?と疑問。

    なんだかラストが締まらなかったのが残念ですが、ルビという日本語独特の表現技法を極限化した文体芸と鋭い社会批評は大いに堪能しました。

  • かなりはっちゃけた内容なのに、最後はぴっしと決めてます

  • 上巻に引き続き、相変わらずのねちっこい文章です
    嫌悪ばかりが湧いてくるのに、不思議と読み進めてしまうのはやはり魅力があるからなのでしょうか


  • 上巻感想参照。
    この容量での上中巻、一切だれる事なく面白しろさが続く最強(狂)のブラックエンタメ作品だと思った。
    ラストも完璧、とてもいい読書体験だった。

  • どうなることかと思ったが、予想もつかない見事な終わりだった。

  • 面白い、の一言。
    あまり小説らしくないといえばそうだけど、紙面を利用した空間表現の独特さや詩の多用、そして鋭い社会批判など舞台的なエッセンスが随所にちりばめられていて、そこが素敵。それゆえ、その主張には全面的に同感できるのでした。戦争の必要がない平和な国を実現し、かつ他国から認められること、それは自らの国を立派な国にせしめること。いつの時代だって、これが理想でしょう。そう自信を持って言い切りたいものです。

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著者プロフィール

(いのうえ・ひさし)
一九三四年山形県東置賜郡小松町(現・川西町)に生まれる。一九六四年、NHKの連続人形劇『ひょっこりひょうたん島』の台本を執筆(共作)。六九年、劇団テアトル・エコーに書き下ろした『日本人のへそ』で演劇界デビュー。翌七〇年、長編書き下ろし『ブンとフン』で小説家デビュー。以後、芝居と小説の両輪で数々の傑作を生み出した。小説に『手鎖心中』、『吉里吉里人』、主な戯曲に『藪原検校』、『化粧』、『頭痛肩こり樋口一葉』、『父と暮せば』、『ムサシ』、〈東京裁判三部作〉(『夢の裂け目』、『夢の泪』、『夢の痴』)など。二〇一〇年四月九日、七五歳で死去。

「2023年 『芝居の面白さ、教えます 日本編』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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