旅のラゴス (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
3.80
  • (1062)
  • (1423)
  • (1139)
  • (242)
  • (73)
本棚登録 : 13589
感想 : 1306
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101171319

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 海外作家の本を読んでいるような不思議なペースで話が進みました。波乱万丈なラゴスの一生も、長いと思っても話にすればこれだけのことかと思いました。

  • どこに行っても人間としても男としてもモテるってなんか都合よすぎな感じするな〜って思った。
    壁抜けをできる男の話が好き。先っぽだけ出してそのままなんて!
    何故か学習意欲を煽られる小説。
    旅がしたくなったし、こういう系他にもあるなら読みたい。

  • 筒井康隆氏の作品には随分お世話になっているが、今作品は初読。「時をかける少女」「富豪刑事」等とは一線を画す。現在、盛況を成す異世界転生作品の原型を見たような気がする。

  • 人間が様々な特殊能力を持ち、生活をしている世界。

    その世界を旅して回る主人公のラゴス。
    ラゴスは絶対にイケメンだと思う。

    2度も奴隷となり、ある時は王として称えられる。
    ソツがないようで、ちょだとお茶目なラゴス。
    これはモテるだろう。

    そこだけに焦点を置いてしまい、
    最初から最後まで、ラゴスのモテ伝記を読んでいる気分だった。

  • 終わり方が秀逸

  • 北から南へ、そして南から北へ旅をするラゴス。異空間と異次元の中で様々な地域と人々と出会い、そして不思議な能力の数々。旅物語として普遍的な進行を持ちつつ、SF的モチーフが融合したストーリーに圧倒される。‬

  • 旅をすることによって人生というもう1つの旅がはっきりと見え始めた-p239

    それにわたしは、そもそもがひとっ処にとどまっていられる人間ではなかった。だから旅を続けた。それゆえにこそいろんな経験を重ねた。旅の目的はなんであって良かったのかもしれない。たとえ死であってもだ。人生も同じようにね。-p249

  • 旅を続ける男「ラゴス」の物語、最近行きつけの書店でも山積されておりブックオフにて入手し読了した。

    現代文明が滅んだ後、地球かどうかも不明の土地、人々の生活は文明から大きく後退しているが、その代償として超能力(転移、予知、読心etc)を得ている。ラゴスの旅の目的は当初語られないが、中盤にて失われた高度文明の探求であることが判明する。道中様々な危機を乗り越えて目的地に辿りつき、彼自身が夢見た科学文明の証である書物の山に埋もれ、その知識を貪るも、その知識を故郷へ届けるべく再びの旅が始まる。

    つまりは「旅」の話である、旅は人生ののものであり、それは比喩的でもあり実際の移動を伴うものでもあり、人生も半ばを過ぎて旅の経験値が低い自分にとって大きなメッセージであった。

    数十年の時をかけ大きな仕事をやりとげたラゴスが老齢に差し掛かった時に囚われたものは、またしても旅への憧憬、しかも若かりし時に関わった女の幻影を求める極寒の地への旅である。

    ラゴスの旅は永遠に終わらない、つまり人生、生きる限りは旅は終わらないのである。そういうメッセージを感じた自分にとって、ラゴスが雪の中へと一歩を踏み出す終わり方は余韻を大いに含む格調高い結びであった。

  • 今まであまり読んだことがないジャンルを読んでみようと思い手に取りました。
    SFは難しそうな印象があったので、「SF おすすめ 日本」で検索をかけて初心者向けとして紹介されていた本から。

    読んでいて1番思ったのは「(良い意味で)思っていたのと違う」です。
    解説にもありましたがなんだかロマンティックだったので。

    目的に他者が関わってくるものの、主人公は終始旅の人。
    最後はそれまでの主人公のイメージとは違う旅の目的だったので少し意外だなと思う反面、歳を重ねるってこういう風に少しずつ変わっていくことなのかなぁとも思いました。

    また終わり方はふわっとしていて余白があるものですが、「祈っているよ、ラゴスさん」で締めくくられているのが優しくて私は好きです。


    初心者向けなだけあってスラスラと読めました。
    きっと「SFっぽさ」が散りばめられているんだろうなぁと思うので、いくつかチャレンジした後にまた読み返してみたいと思います。

  • きちんとした感想は多くの方が書いて&考察もされていることと思うので、以下は個人的なメモ。

    複数の方のおすすめだった本書。
    筒井康隆かあ…と思いつつ手に取る。
    時かけ、は中学生で読み、家族八景と七瀬再びは大学生のときに読んだ。
    時かけは面白かったけど、七瀬シリーズは暗くてしんどかった気がする。

    それ以来の出会いなので、ちょっとドキドキしたが、薄い文庫本で、旅人ラゴスがいろんな国や地域を巡るストーリーなのであまり頭を使わずにスラスラと読めた。
    というか、タイトルはラゴスの旅、じゃないんだ?

    全体の雰囲気がうまいなあ。

    それでも、筒井康隆だと思って読むので、どうも批判的になってしまう。
    いい年した男性が、思い出のなかの15歳の少女に対して、けっこうずっと性愛的な感覚を持っていくのが、違和感いっぱいだったけど、、、。

    まあ、ひところの男性目線の冒険物語って、こんな要素があるよな。

    その部分以外は萩尾望都のマンガにもありそうな、ポエティックかつ残酷な物語で、情緒と余韻にあふれた終わり方もこれはこれでアリ、と思えた。

    壁抜け男という題材、いろんなとこで見かける気がする。

全1306件中 51 - 60件を表示

著者プロフィール

小説家

「2017年 『現代作家アーカイヴ2』 で使われていた紹介文から引用しています。」

筒井康隆の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
筒井康隆
宮部みゆき
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×