死ぬことと見つけたり〈上〉 (新潮文庫)

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著者 : 隆慶一郎
  • 新潮社 (1994年8月30日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (341ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101174181

死ぬことと見つけたり〈上〉 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

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  • ジャンプに『花の慶次』が連載されていた頃、原作は『一夢庵風流記』だと知って
    読んでみたのが、作者・隆慶一郎さんとの出会い。
    胸の中に爽やかな風が吹き抜けるような読後感に、もう痺れた。
    こんなに面白い本がこの世にあったのに、どうして読まずに生きて来れたんだろうと、
    本気でそう思った。今また、同じ思いに浸っている。

    タイトルの意味するところは、ご存じ『葉隠』の一節。
    江戸時代の中期(1716年頃)、肥前の国佐賀鍋島藩の藩士・山本常朝が口述した
    武士としての心得をまとめたもの。
    ところがこの一節のために戦時中悪用されて、まるで死をやみくもに美化して、率先して
    死ぬことを奨励する書であるかのような誤解を受けていたらしい。
    ところが隆さんはその『葉隠』を、戦地に赴くのにこっそり持参したのだ。
    それも、『葉隠』の中身をくりぬいてランボーの詩集を隠すために!
    詩集などという「軟派」な読み物は見つかれば撤収されてしまうからと必死で考え抜いた
    策だったらしいが、まるで中学生がエッチ本を隠すかのようで、この序章だけで笑ってしまう。

    そして活字に飢えた状況の中で初めて『葉隠』を読み、その面白さに目覚めていく。
    まるで『レ・ミゼラブル』を読むように何度も何度も読んでは、その面白さを確認したという。
    曰く、『葉隠』が面白くてはいけないのか?

    この前置きがあって、本編の面白さが生きる。
    隆さんの描く登場人物たちの、なんとまあ魅力的なこと。
    奔放苛烈な「いくさ人」なのだが、しばしば世間の価値観とのズレを生じ、そこは思わず
    ニヤつくツボ。
    昭和62年8月号から平成元年8月号までの「小説新潮」に連載されていた作品たちを一冊にまとめたのがこの本で、中途で隆さんが急逝されたため未完に終わっているが、そんなことはまるで気にならない。
    「血沸き肉躍る」という古い表現を、久々に思い出した。
    前田慶次と、こちらの斎藤杢之助と、一体どちらが強いんだろう?
    ああふたりの決戦の場面を見たかった・・と、アホなことをぼんやり考えている・笑
    スタートは島原の乱からである。以下、下巻に。

  • とあるレビューに共感して読んだが、想像をはるかに超える衝撃的時代小説だった。
    人物はみな個性的で、特に主役の三人がいい。陰湿なのに、笑ってしまうほど爽快で豪快な話の数々。こんな堂々とした主人公、今まで見たことがない。
    『葉隠』は書かれた当初あまり流行らなかったらしいから、実際鍋島藩士がこうだったのか謎な上、個人的に史実重視の小説が好みというのに、これはエンターテイメントとしてとっても面白く楽しく読めた。
    未完なのが非常に悔やまれる。最後まで読みたかったなー。

  • 下巻が届くのが楽しみ。司馬遼太郎の『峠』に近い興奮度。

  • 感想は下巻で。

  • 読了

  • 読了。レビューは最終巻で。

  • 作者が葉隠をいかにし、戦争中に読みだしたかという紹介から始まる。
    どうして、なかなか、面白かった。
    短いエピソード集なんだけど、毎回が思い切りよく生き抜くことを信条に生き抜く侍であるため、波乱万丈が烈しいのなんの。作者が言うとおり、葉隠は元々読んでみたい本の一冊であったけれど、葉隠は面白いものなのではないかと思ってきた。

    引用した言葉は不満。
    私は、自分が痛い目に合わないためだけに、嘘をつくひどい人間を見たことがある。そいつは、自分が傷つけた人のことなどあっという間に忘れていく。こんなひどい人間は幸せになってはいけないとまで感じた人間だ。

    残念ながら、18話で完結の予定だったらしいが、作者が急逝のために、15話が最後。16話を17話については草稿が残っており、あらすじを記載してくれている。勝茂がなくなり、杢之介が殉死、求馬が殉死とますます読み応えのあるない様なだけにとても残念。

    そして、18話については、あらすじもなく、作者が編集者に話した内容を記載するとなっていた。こういうのを見ると、編集者というのはいい存在だなぁと思ったりする。頑張れ、のりすけさん(笑)

    最後まで、触れられないのが、萬衛門の死。
    私は彼は死ななかったんじゃないかと思った。杢之介と証言の約束をしていたから。誰にも迷惑を掛けないように、独りで去っていくのが杢之介。やるべきことを果たしてから20年後に切腹するのが求馬、生き残るのが萬衛門。それぞれの信条に応じた殉死だと思う。

    毎日が刺激に溢れ、羨ましい気がするけれど、それは何かあったらすぐ命を引き換えにする覚悟をもって生きているからこそ初めて得られる報酬。
    私たちが何もリスクにかけることなく、我が儘に生きるのとは違う。

  • 品川Lib

  • まあまあかな。どこまでが事実に基づいたものなのかちょっとよくわからなかったな。

  • 俺的には理想の武士像。葉隠そのものや葉隠の解説書よりその生き様を体現してるこの本のほうが魅力的。

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死ぬことと見つけたり〈上〉 (新潮文庫)の作品紹介

常住坐臥、死と隣合せに生きる葉隠武士たち。佐賀鍋島藩の斎藤杢之助は、「死人」として生きる典型的な「葉隠」武士である。「死人」ゆえに奔放苛烈な「いくさ人」であり、島原の乱では、莫逆の友、中野求波と敵陣一番乗りを果たす。だが、鍋島藩を天領としたい老中松平信綱は、彼らの武功を抜駆けとみなし、鍋島藩弾圧を策す。杢之助ら葉隠武士三人衆の己の威信を賭けた闘いが始まった。

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