ローマ人の物語 (27) すべての道はローマに通ず(上) (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101181776

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  • ローマのインフラを考察する回。歴史=人の考察から離れて、これまでの人物が作り上げてきたインフラを半面見る事で俯瞰的にローマの思想や社会の発展、インフラが果たした政治経済への影響などを理解していきたい。

    人間が人間らしい生活を送るためには必要な大事業

    インフラ→国民性を写す

  • 改めて、ローマ人のインフラ整備への情熱に圧倒された。街道の素晴らしさよ。いつか実物を見たい。橋を作るのも街道と同様の情熱を持って作られており、写真で見ても感嘆する。そして、地図がとても興味深い。イラストとしても、とてもかわいい。ローマ、本当にすごいなぁ。

  • 写真が多数掲載されたローマ街道の巻。
    ローマが中世を生き残って現代に存続していたら、世界は
    ひとつの国家で統一され、幸せな星になっていたかもしれない。
    今、ある国家、リーダー達のくだらなさがよくわかる。

  • 他の巻とは異なり、インフラストラクチャーのみを扱った巻。上巻は、街道と橋、そしてそれを使った人々の話。共和政時代からローマ帝国まで網羅して書かれていて面白い。そして、ローマがいかにすごかったのかよくわかる。
    ローマ街道を進む速度を人類が超えることができたのは、19世紀半ばから始まった鉄道の発展と、20世紀に入ってからの自動車の普及によってだったらしい。ローマ帝国滅亡からの1400年間、何も変わらなかったか、むしろ後退したようだ。
    ローマ帝国時代の地図や、旅人が持っていたらしい、都市名や各都市間の距離などが書かれたコップは、当時の人々が旅をする様が想像できて、楽しい。

  • シリーズの中でもローマのインフラにだけを取り上げた他とは視点の違う巻である。カラー図版載っており、旅行気分を楽しめる。

  • すべての道はローマに通ず。ローマのインフラに注目した巻。上巻はローマの街道と橋について。日本でも江戸時代に宿場を備えた五街道が整備されたが、広大なローマ帝国でも既にそういう街道システムが機能していたのはすごい。パックス・ロマーナといわれた平和な時代、地図を手に街道を行きかう人々に思いを馳せた。ローマ時代の旅行用コップ、私も欲しい。

  • 紀元前3世紀、地球の東と西で大規模な土木工事がはじまった、東方では万里の長城ーーー前3世紀の秦の始皇帝時代に建設された長城だけでなく16世紀の明の時代の建設の長城まで加えると、その全長は5千キロに及ぶ。西方ではローマ街道網ーーー前3世紀から後2世紀までの5百年間、幹線だけでも8万キロ、支線まで加えれば15万キロに達した。
    この考え方の違い、防壁は人の往来を断つが、街道は人の往来を促進する。自国の防衛という最も重要な目的を異民族との往来を断つことによって実現するか、それとも自国内の人々の往来を促進することによって実現するか。
    ローマ軍は兵站(ロジスチック)で勝つ。
    一人一人の兵士の精神力に期待するのは最後にくることで、それ以前になされていなければならないのは、個々の兵士が精神力を最高に発揮できるための環境の整備、つまり「ロジスチック」である。
    ローマのインフラ整備とりわけ街道網の構築の話。

  • 歴史の流れはちょっとお休みしてインフラストラクチャーをまとめた本。
    次が気になるけどこれはこれで面白いです。
    カラーで写真や地図が豊富です。

    上巻は道をまとめたもので、道と橋そしてそれを使った人々のこと。
    ローマの人の普通の生活が見えてきます。
    タブーラ・ペウティンゲリアーナを見てみたい。

  • 本書では、歴史を順に追うことから離れて、ローマ帝国のハードとソフトのインフラに関する総括を試みている。

  • 今までの人物フォーカスの物語から離れ、この巻からしばらくはインフラストラクチャに注目。
    ほぼ同時期に西方では街道を整備し、東方では秦の時代に万里の長城が整備された。なぜローマ人は街道を整備したのか。それは彼らの敗者同化政策を具現したものと説く。
    インフラを整備し征服した地域にも利益を享受させることが、不満分子の抑制および非常時に迅速に行動に移すこと可能にするからとローマ人は考えていたからである。事実、カルタゴのハンニバルに攻め込まれた時にもこの街道ネットワークによりローマが孤立無援になることを免れた。
    長期的な視点に立って整備されたインフラは今なお各地でそのコンセプトが残存している。

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