花伽藍 (新潮文庫 な 41-3)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (271ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101205335

感想・レビュー・書評

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  • 【本の内容】
    ひと夏の狂おしく濃密な恋を描く「鶴」。

    失恋したばかりの女性が経験する一夜の出来事「七夕」。

    別れた亭主が転がり込んだことからはじまる再生の物語「花伽藍」。

    別れの余韻が静かに漂う「偽アマント」。

    未来への祈りにも似た「燦雨」。

    結婚というルールを超えて結ばれた無垢で生々しい愛の歓びと痛み、そして愛にあぶりだされた孤独を、鮮烈に彩り豊かに描いた珠玉の短編集。

    [ 目次 ]


    [ POP ]
    恋愛は辛い、切ない。人間は死ぬまで孤独だということを、徹底的に知らしめます。

    一人でいるときより、二人でいる方が一人を感じるって不思議だなと常々思うわけです。

    その疑問に、この物語は答えてくれます。

    本書は女性同士の恋愛を様々な形で描く短編集。

    登場する女性たちはみんな孤独で、相手がいようがいまいが、最期まで一人で生きていくことを、当たり前のように受け入れています。

    結婚しようが子供を作ろうが、人はいつでもひとりぽっち。

    女性しか愛せない彼女たちは、結婚や出産というフィルターが無いぶん、その当然の事実を直視することができるのではないかと思うのです。

    結婚しない、子供を作らないではなく、結婚できない、好きな人の子供が産めないという選択の余地のない立場にいて、それでも自分の心のままに生きるとはどういうことなのか。

    負け犬女子必読の書です。

    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • うーん、当方の感性の衰えってやつ???
    全体的にのっぺりしていて真に迫ってくるものが全く感じられなかった。
    例えば同性愛についてだが、現在の社会の認識具合からどうしたって戦闘的な態度になるのは致し方ないけれども、妙に「社会の構図」に拘っている気がする。
    同性愛という人間関係を常識として認めさせるだけで良いならここどまりで良いが、作家と名乗るからにはその先にある超越した人間性の探求にまで踏み込んでほしいと思うのは、当方のセンスの無さが成せる技?それとも無いものねだり?

  • 確かにこの世は異性愛を中心に成り立っている。
    鶴が好き。

  • 可穂さんの作品はいつも夢中になって読んでしまいます。(∩.∩)
    この作品もまた感動して、最後は涙が出そうでした。
    またまた可穂さんの小説に惚れ込みました。
    o(^-^)o

  • 最後の話が一番好き。

  • 短編集
    中山可穂の書く世界は美しい
    どの話にでてくる人もそれぞれ美しく 確立されていて だから短編集は主観が足りなくて 続きがほしくなる
    どの話もすきやけど ものたりない!切り取る世界が大きすぎるわけでもないのにな なんでやろ

  • 燦雨という作品を読みました。作品全体に物悲しいというか…幸せなんだろうけど泣きたいなぁって感じでした。

  • この短編集を読むのは確か3度目か4度目で、前回読んでから大分時間が経っているのだけど、久々に手に取った瞬間に「燦雨」のラストシーンが鮮やかに頭に浮かんだ。
    心臓の深いところに潜り込んでいる棘のようで、でもそれは痛みではなく、厚い雲に切れ目を入れて一筋の光を呼ぶような愛の強さ。
    読み直してもやっぱり色褪せていなかった。
    しばらくこの読後感に浸りたい。

  • 再読です。

    単行本のころより、自分も変わったるんだろうなぁ
    面白さが違う気がします。

    また、しばらくしてから読もっと。

  • ジリジリ、ヒリヒリ、ズキズキ。

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著者プロフィール

1960年生まれ。早稲田大学卒。93年『猫背の王子』でデビュー。95年『天使の骨』で朝日新人文学賞、2001年『白い薔薇の淵まで』で山本周五郎賞を受賞。著書多数。

「2022年 『感情教育』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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