ゴールドラッシュ (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (398ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101229225

感想・レビュー・書評

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  • 思春期は子どもと大人の端境期であり、様々な感情の創出がある。特別な環境で育つ主人公の葛藤とその結果行きついた行動、その後の乱れが実にリアルで戦慄する。20190805

  • なにがおもしろいんかわからん

  • 帝王学と称し、会社経営のマネゴトを息子にやらせてみたら
    態度ばっかりでかいボンクラが仕上がってしまった
    大手パチンコチェーンの社長、とはいえ
    苦労知らずの二代目にすぎない父親は
    己の傲慢さ以外、息子に伝えるものを持たなかったし
    息子は息子でまたそれを、正確に学習してしまったもんだから
    大人をバカだと見下しつつも依存するしかなくて
    そんな自分自身の現実から目を背けている
    そのように、自他の区別などつける必要のなかった幼少期を
    父子ともども抜け出せないまま
    エディプス・コンプレックスの物語は幕を開くわけだ
    97年の連続児童殺人事件に触発されたというが
    その骨子は、日本でも70年代あたりから普遍的な話だと思う
    中上健次とかね
    ただし、父の無能に焦点を当てることでフロイトから離れ
    よりエディプス物語の原典に近づけたところは見るべきだろう
    まあ好みの問題にすぎないが
    70年代ならガールフレンドを父に寝取られる恐怖が打ち出されたはずだ
    しかし、被虐願望を持ってること以外
    特に語るべき所もない、そのガールフレンドに依存した結末は
    ドストエフスキーを臭わせつつも
    やはりフロイト的な安易と言わざるをえまい
    発表当時は「新世紀エヴァンゲリオン」に比較されることもあった
    あの綾波レイですら
    主人公とのあいだに感情的なやりとりの積み重ねは持っていたのだが

  • 佳境まで「なんかよくわかんないな?」と思いながら読んでた。
    最後まで読んで、「あ、そういうこと?」って思った。
    90年代後半のあの空気がむんわり漂ってる。
    お姉ちゃんの援助交際に関する話なんてまさにそんな感じ。

    「ぼくのパパになってください」と、
    生きる許す許さないにひたむきな響子のキャラクターはよかった。

  • かなり読むのがしんどい系の小説で中盤は開くのも厭だったが不思議と最後まで読めてしまった。
    登場する大人が誰もかれも嫌な人間ばかりなのが実に辛い

  • 話が重くて、読むのに疲れた。登場人物で金本だけが人間らしさを感じた。

  • 伊勢佐木町、日ノ出町、黄金町という、私にも馴染みのある場所で主人公の少年は生きている。
    もがき、苦しみ、葛藤し、大人とは何かを自問する。
    苦しい中に、光は見つけられるのだろうか。
    だからこそ、読んでしまう。
    苦しいからこそ先が知りたい。
    自分の感情を彼に被せ、疑似体験をする気持ちの悪さと快感。


    P.92
    なぜひとびとは生と死の谷間で焦燥するのだろう、恐怖は生と死そのもののなかに在り、空漠たるその間隙にはない。

    P.200
    生活のにおいと音、生活する人間の体温は家のなかの空気をあたたかく発酵させる。

    #柳美里
    #ゴールドラッシュ

  • 俗にいう裏社会について、すごくリアルに描かれていたことにまずびっくりした。
    その俗にいう裏社会を全く知らない身としては「ほんまにこんな感じなんかな…」と想像するしかできひんねんけど。

    でも、柳美里さんの生い立ちを調べて納得した。
    主人公くらいの年齢の子の心理から、ドラッグ、買春に関する描写すべてがとても現実味を帯びて書かれていた理由が。

    こういう世界は裏とよく言われとるけど、普通にごく普通に世の中でおこっとって、みんなが目を背けとるだけで決して裏ではないんやと思う。多分。
    目を背けている人間の一人が言うのもなんやけど。

  • あまりにも話がぶっとびすぎていて・・・「共感」が全くなかったからなのか、面白くなかった。

  • 世界観がグロすぎて冒頭で中断した。

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著者プロフィール

柳美里(ゆう・みり) 小説家・劇作家。1968年、神奈川県出身。高校中退後、劇団「東京キッドブラザース」に入団。女優、演出助手を経て、1987年、演劇ユニット「青春五月党」を結成。1993年、『魚の祭』で、第37回岸田國士戯曲賞を受賞。1994年、初の小説作品「石に泳ぐ魚」を「新潮」に発表。1996年、『フルハウス』で、第18回野間文芸新人賞、第24回泉鏡花文学賞を受賞。1997年、「家族シネマ」で、第116回芥川賞を受賞。著書多数。2015年から福島県南相馬市に居住。2018年4月、南相馬市小高区の自宅で本屋「フルハウス」をオープン。同年9月には、自宅敷地内の「La MaMa ODAKA」で「青春五月党」の復活公演を実施。

「2020年 『南相馬メドレー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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