【旧版】深夜特急1 ー 香港・マカオ (新潮文庫)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (238ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101235059

感想・レビュー・書評

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  • この本に出逢ったのは中1の時。何故か実家に1巻だけあった。朝読書の時間に読んでたけど、凄く面白かったのが忘れられなくて改めて買って再読。やっぱり面白くて1日かからずに読了。これの続きは当時の担任の先生が貸してくれたから読んだけど、1巻の面白さが断トツ。正直これ以降はあまり印象にない。
    著者が「大小」にハマっていく過程とか、どんどん現地に馴染んでいくのが楽しそうで私も旅に出たくなる。内向的な私には到底出来ない事だからこそ、憧れも大きくなるんだろう。続きも買ってしまおうか。
    17/5/18

  • 沢木耕太郎の旅の記録書。インドを目標に、まずは最初の地、香港、マカオでの旅の内容が綴られている。香港では、慣れない土地と普段は連れ込み宿と化す怪しげだが親切で優しい宿について。そして食事の飲茶についてなど。食事についてはチマキやら小籠包などどれもとても美味しそうである。。また言葉は全くわからずとも、段々漢字に慣れ、読み解けるようになったり、ジェスチャーや英語のみで現地の人とコミュニケーションをとれる姿に尊敬する。。マカオでは、カジノでの博打の大小にハマりこむ様子が事細かに書かれており、自分も行ったら抜け出せなくなるのでは、、と思えるぐらい。中途半端な気持ちで終えることでいいのか、そんなことをしに旅に出たわけではなく、一文無しになるか飽きるまでやってみるのだという、意気込みとの陶酔度。無事に残り200ドルのみの負けで済み帰れるのだが、その間には2日間かけて挑戦と見学、分析によって少し見えた勝利への法則や、儲けさせるフリをして騙してくる店のスタッフ、騙されたフリをして丁度良いタイミングで抜け出す女性達など、、面白い!

  • 村上春樹氏がノーベル文学賞を逃しましたね。毎年この時期になると話題になりますね。あと何年もつでしょうかね?


    いつもは小説を好んで読むのですが、ノンフィクション小説も読んでみたい、友人に愛読者が(多分)多いので、沢木耕太郎。

    目の前にある「積ん読」がある程度消化できたら、次は沢木!って思ってました。 が、そのタイミングが早くなってしまいました。

    先月末から今月初まで海外出張でした。 香港国際空港をハブにお隣の中国深センとタイバンコクを行ったり来たり。
    香港は移動のみですが、一晩だけ滞在しました。
    そのタイバンコクの出張先である子会社に小さな本箱があって、その中にビジネス書なんかにまぎれて「深夜特急」が紛れ込んでいたのです。

    最終日、昼過ぎには仕事が終わったのでホテルに戻る時間まで第一巻を読んでみる。
    「オモシロイ!」
    言葉がすいすいと入り込み、適度に反芻し、脳髄なのかココロなのか分からないけど芯に届く、感性がシンクロする。

    序章、デリーの安宿で悶々とする様。
    バスロータリーまでのタクシーのくだり。
    沢木ワールドへ引き込まれるのにそれ程ページは費やされなかった。

    香港編に入り、少しするとホテルに戻る時間となった。
    誰の所有物か今となっては分からず、もちろん会社の資産では無いので、全巻 スーツケースに放り込んでもよかったのですが、躊躇われました。

    帰国したら、ブックオフへ直行だな(笑)


    2巻まで買った。
    ブックオフには2巻までしかなかったから。

    貪るように読む。お陰様でと言うか残念ながらと言うか、通勤時間が劇的に増えたので読書時間には困らない。マカオ編は、博打さながら一気に読んだ。

    そう言えば、ワタシの初海外旅行は香港マカオの旅だった…


    1浪後、大学一回生の時だった。
    初海外旅行の香港マカオはお袋との二人旅、正確にはパックツアーだった。
    一回生とは言え、大学生が母親と旅行?
    マザコンでは無いですよ。
    ごく普通の親子関係です。

    実はこの海外旅行は、おやじが懸賞で当てたんです、お袋の名前でペアご紹介。 おやじとお袋が二人で行けばいいのですが、おやじはその1年前、ワタシが浪人生の頃、やはり懸賞でヨーロッパグルメ番組(メインキャストは細川俊夫さん)同行旅行へ。
    今回はワタシに譲ってもらいました。
    ただ、当選者(お袋)は交替できないのでお袋との二人旅となったのです。

    初めての海外旅行は、全編旅行会社が用意したパッケージツアーでした。
    沢木のバックパック旅とは対称的な不自由の無い旅でしたが、初めてって事もあって、刺激的でした。

    英語は得意な科目だったんですが、マクドナルドでチーズバーガーを注文する事は出来なかった…
    これが、活きた英語を習得したいと思ったトリガーでした。

    水上レストランでは、オカンを横目にきわどいセクシーダンス。未だ未成年でしたが、小籠包にビールが美味かった。記念に無用に長い箸を三膳ほどパクり、帰国しても水上レストランの雰囲気を思い出してました。

    ビクトリア ピークやタイガーバーム ガーデンもド定番な観光地ですが、異国情緒があった。スリにも狙われた。(被害はありませんでしたけどね)

    マカオにも渡りましたよ。

    沢木がハマった博打「大小」も打ちました。
    本にも登場した、碁石の端数を当てる博打もありました。記されている通り、碁石を平たくした時点で歓声と溜息が渦巻いてましたわ。ワタシも端数博打を打ちたかったのですが、ツアーガイドが、これはレベルの高い博打なんで大小を勧めてくれました。
    買ったか負けたか忘れました。
    多分負けてます(笑)沢木の様にはならず、予定していた金額をすったら次の観光スポットです。
    あ、確か同行していたおっさんがスロットで大儲けしてましたわ。


    そんな昔話に浸りつつ第1巻読了。


    これは全巻読みたい!

    で、3巻目以降はどうやって入手しようか…

  • 2017年4月9日に紹介されました!

  • 子どもの頃、旅人になりたい気持ちをどうすることもできずこれを読んでいた。 Honoka

  • -20170120

  • テンポよく進む文章で非常に読みやすい。肩に力を入れずに旅をする筆者のように、変に構えたりせず心地よく読み進めていくことができる。筆者の旅を自然と追体験できるような味わい深いエッセイ。

    巻末の対談での、一人で街を歩き自分の地図を作るのが楽しいという言葉、日本も旅人など一旦ドロップアウトした人が社会復帰できるような構造が欲しいという20年前の提言も印象深い。


    (2019/08/22追記)
    俗世から切り離され、何の目的も無く漂う心地よさ。反面、それと紙一重のところにある、デリーに沈没した抜け殻のようなフランス人を見たときの恐怖。何の意味もない酔狂なことをやりきってみたいという衝動。
    香港の屋台で感じた、いつか遠い昔に同じようなことを経験したような奇妙な懐かしさ。

  • とにかく旅に出たくなる。限りあるお金以外は、時間も身なりも何も気にしなくていい、自由で名もなき自分になりたい。
    おそろしいほどガツガツ読み進められる。著者とともに香港の街の雰囲気に興奮する。当時の現地の熱気が文字から伝わる、感じる。もっともっと新しい場所を知りたい。観光名所のガイドや写真なんかじゃなく、生身の青年が体感した、日本にいたのでは絶対に起きないような出来事たちを、もっと聞かせてほしい。この本は現実逃避にうってつけ。それどころか、今の現実の生活がバカバカしく思えてくるので危険。
    マカオ編は、人はこのような心理でギャンブルの罠に見事にハマってしまうのだと分かって、面白かった。

  • 1994年(底本1986年)刊。

     70年代半ば、当時26歳であった著者が、思い立ってインドのデリーからイギリスのロンドンまでバスで旅行しようと決意し、その紀行文が本シリーズで結実した。

     刊行時ですら、旅行時より10年以上経過していたが、本書の持つ空気感は70年代の日本の若者が醸し出すもの。
     石油ショックやベトナム戦争が強く刻印され、またバブルは10年以上後に控え、まだまだ海外旅行が簡単になし得るほど豊かではなかった時代の香りを強く滲ませる文体だ。

     まして本巻の旅先は香港・マカオ。
     この時期は、ベトナム戦たけなわで、戦火の真っ只中の東南アジアを経由することはできない。他方、ミャンマーは未だビルマと呼ばれ、鎖国状態。
     もちろん、文革の影響著しい中国共産党支配地域とは違うものの、香港も未だ経済発展前で、市井の人々の貧しさは現代の比ではない。
     そんな70年代を感得できる紀行文だ。

     そんな中、英語は片言。その他の言語は英語以上におぼつかない中、海外に飛び出せたのは、若さゆえか。
     私より年長の著者だが、ここに描かれる著者の若さと思い切りの良さに幾ばくかの羨望を禁じ得ないところ。

  • 旅行者のバイブル。何度読んでも飽きない。

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著者プロフィール

1947年東京生まれ。横浜国立大学卒業。73年『若き実力者たち』で、ルポライターとしてデビュー。79年『テロルの決算』で「大宅壮一ノンフィクション賞」、82年『一瞬の夏』で「新田次郎文学賞」、85年『バーボン・ストリート』で「講談社エッセイ賞」を受賞する。86年から刊行する『深夜特急』3部作では、93年に「JTB紀行文学賞」を受賞する。2000年、初の書き下ろし長編小説『血の味』を刊行し、06年『凍』で「講談社ノンフィクション賞」、14年『キャパの十字架』で「司馬遼太郎賞」、23年『天路の旅人』で「読売文学賞」を受賞する。

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