【旧版】深夜特急2 ー マレー半島・シンガポール (新潮文庫)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (223ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101235066

感想・レビュー・書評

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  • フリーのライターの仕事が立て込んできてしまい、「ライターとしてのプロの道を選ぶことも、まったく異なる道を見つけることもせず、宙ぶらりんのままにしておきたかった」著者は海外逃亡するようにして「酔狂な」旅に出たという。

    本巻は、マレー半島(タイ、マレーシア)とシンガポールの旅。

    地図を持たず、予備知識ゼロで町に乗り込んで行き当たりばったりに散策を繰り返す手法も板についてきた感じがする。

  • 『深夜特急2 マレー半島・シンガポール』読了。
    すごく時間をかけて読んだので所々抜けているが…
    旅行ではなく、旅なんだと改めて読んでいる実感した。旅はこの先何が起こるかわからないのに行く先で色々な出会いがあって。
    人生を旅に例えてる意味がわかったような気がする…
    旅ってすごいな〜
    あと、2はやたらに娼婦が登場してきてどんだけ風俗産業が栄えている国なんだよ…風営法とかあるのか…?とかツッコミ続けていたけども。
    その国の普通は他の国の普通と違うんだよなぁ〜〜と思うと世界に旅したくなったな。

    2017.11.8(1回目)

  • 香港の良さに縛られている、囚われているシンガポール編。でもいよいよ旅が始まる感じがして好きな一巻。

  • 旅は続き、私がこの「深夜特急」と出会ったバンコクの街に着いた。

    以前から一人で訪れてみたかったバンコク。
    都会と雑踏が入り乱れたこじんまりした街だと想像していた。
    想像に反して、だだっ広い。が、一国の首都として洗練された都会的なところは感じられなかった。

    それは、私がビジネス街などでは無く、繁華街のど真ん中のホテルだったからかもしれないが。
    高級ブランドの入った百貨店、洗練された構造のショッピングモールもあったが、街全体が洗練されてはいなかった。


    歩道も車道もないガタガタの道を歩けば、元気な子供の物乞い、ニセモノ物売り、パンディーキャッパー物乞い、子連れ物乞い、とりわけオムツ一丁の赤ちゃんと3歳くらいの子供が二人で寄り添いながら歩道橋のたもとで寝ている姿は、日本では通報レベルだ。
    その歩道橋の上は親子物乞いの家と化している。

    ソイカウボーイの煌びやかなネオンと幼い姉妹…きっとこの子も大きくなれば身体を売るのだろうか?と、日本で平和ボケした私の脳ではその程度の下世話で浅はかな事しか考えが及ばなかった。

    と、この本に限ったことではないですが、読書後は自分にも文章が書けるのではと錯覚に陥る。沢木風に書けてるだろうか?(笑)



    だが、しかし。内容には偽りは無く、バンコクの闇と光を垣間見たのですが、沢木氏とは違い私はこの街から相当のインパクトを受けた。

    氏はそうでは無かったみたいで、あくまでも比較になるのだが、香港マカオを描いた第1巻とは思い入れの差を感じた。
    第1巻は行間から市場やカジノの騒音が聞こえてきそうだったが、この第2巻は割と静かなものだった。描かれてるのも街と言うよりも人。
    そして、沢木氏の内省的な記述が多く感じ、特にホテルの屋根でのイモリの秘め事を眺めながらの会社を辞める雨の日のくだりは印象的だった。

    第2巻で沢木氏が訪れたバンコク、ペナン、クアラルンプール、ジョホールバルは仕事の担当先(子会社)がある都市なので、氏がどんな感性で描いてるのか非常に楽しみであった。
    が、それは過度な期待であった。

    そして、むしろ、私が期待している内容というものが期待通りに描かれていれば、それはよくある紀行文で「深夜特急」が「深夜特急」ならしめる魅力を削ぎ落とす事を意味するのだろうな。
    と、沢木上級者の友人から「お前はまだまだわかってないなぁ~。読み込みが足らんなぁ~」と言われそうだ。
    では、第3巻を読み込んでいこう。


    さて、ひとり宅呑みのお供によくYouTubeを見るのだが、大沢たかおさん出演の「深夜特急」を小説と並行してみてみよう、と思いビールを呑みながら見てみた。
    てっきりドラマだと思っていたので、そのほぼドキュメンタリーなつくりにびっくりしてしまった。原作はノンフィクション小説、あくまでも物語でルポタージュではない。
    映像版は物語りらしさが無かった。
    現地の方々は素人ですよね?
    まぁ、ビールがハイボールに変化し、麦焼酎のお湯割の頃には、コレはこれで面白いなぁ~と。
    大沢たかお氏は飲み友達になりそうだ(笑)

  • 前半のアジア辺りがとても面白かった。
    文章が読みやすいので他の作品も読んでみようと思う。

  • タイ、マレーシア、シンガポールなどの情景が浮かぶ良質のエッセイ。何者かになってしまうのが怖くてサラリーマンを避け、遂には旅に出てしまった筆者。巻末の高倉健との対談も興味深い。沢木耕太郎や高倉健ですら、自分の天職とはこれではなく、何か他にもっと自分が満足できる仕事があったのではないかという問いを抱えている。人は、常に自分の居場所に疑問を持ち続ける存在なのかもしれない。筆者の、ルポライターは何者でもないが何物にもなれるという面白さがあるという言葉も印象的。

  • 香港での興奮と同じもの、若しくはそれ以上のものを求める筆者がマレーシア、シンガポールに赴く。

  • 1994年(底本1986)年刊行。

     マレー半島(ペナンが一番面白い)からシンガポール。漸う、インドに向かえそうだが…。

     旅に出た理由が、ライターとしての仕事が増えすぎ、余裕がなくなった現在、自分らしい時間を取り戻すため。そう読める箇所があるが、ある意味羨ましい部分である。

  • 旅行者のバイブル。何度読んでも飽きない。

  • 1が貸し出し中だったので、2からスタート。

    タイ (バンコク チュムポーン スラタニー ソンクラー)
    マレーシア(ペナン クアラルンプール マラッカ)
    シンガポール

    たまたま個人的に行ったことのあるところばかりだったので懐かしかった。
    なんて言っている間に1が返却されたようで
    無事ゲット。週末に「ゆるい読書会」なんです。

    http://smcb.jp/group/10318/event/307253

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著者プロフィール

1947年東京生まれ。横浜国立大学卒業。73年『若き実力者たち』で、ルポライターとしてデビュー。79年『テロルの決算』で「大宅壮一ノンフィクション賞」、82年『一瞬の夏』で「新田次郎文学賞」、85年『バーボン・ストリート』で「講談社エッセイ賞」を受賞する。86年から刊行する『深夜特急』3部作では、93年に「JTB紀行文学賞」を受賞する。2000年、初の書き下ろし長編小説『血の味』を刊行し、06年『凍』で「講談社ノンフィクション賞」、14年『キャパの十字架』で「司馬遼太郎賞」、23年『天路の旅人』で「読売文学賞」を受賞する。

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