【旧版】深夜特急3 ーインド・ネパール (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
3.94
  • (843)
  • (826)
  • (936)
  • (27)
  • (4)
本棚登録 : 6824
感想 : 497
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (226ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101235073

作品紹介・あらすじ

風に吹かれ、水に流され、偶然に身をゆだねる旅。そうやってはやっとインドに辿り着いた。カルカッタでは路上で突然物乞いに足首をつかまれ、ブッダガヤでは最下層の子供たちとの共同生活を体験した。ベナレスでは街中で日々演じられる生と死のドラマを眺め続けた。そんな日々を過ごすうちに、は自分の中の何かから、一つ、また一つと自由になっていった-。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • ついにインドへ
    まだデリーには辿りついてないけど笑

    やはりインドは格別にカオス
    行きたい、、こわい、、行きたい、、こわい、、やはり行きたい、、!となる
    あまりにも自分が歩んできた世界とは違いそうで、踏み込むのが怖くもなるけど
    だからこそどうしても行ってみたくなるのだろうなあ

    死ぬまでにインドへ行こう!絶対に!
    この本を読んでその気持ちがさらに強くなった!

  • これはノンフィクションとしましょうか。んで、読みながら不思議に思っていたのは、何故筆者は当時の記憶を鮮明に覚えているのか?でした。
    その瞬間瞬間のリアルな動き・感情・空気、いくら本人にとっては衝撃的な旅行であっても長く旅をしているわけですから、まあそこまでは覚えてないでしょーっと、興ざめな私。サーセン。

    ちょっと調べた所、筆者さんは金銭出納帳がわりのノートと手紙の存在が大きかったと、それプラス参考文献を資料に記憶を読み直したと。また、その手紙は一生かかって書くべき量を1年で書き尽くしたというぐらい、頻繁に書いてたようですね。ああ、それか。

    とは言え、40年前位の作品ですが、面白い。バックパッカーなんてお腹の弱い私にはまずあり得ない世界ですが、筆者と現地の方との交流というか、交渉というか、絶対現地に行きたくないくらい楽しい。インド編で私の頭の中を過ったのは三島由紀夫<豊穣の海三部作『暁の寺』>で本多の印度への旅、まさにベナレスがそこです。三島は”さるにしてもベナレスは、神聖が極まると共に汚穢(おわい)も極まった町だった”と作中で表現し、そして沢木は第9章で”死の匂い”とタイトルを付けています。
    グロ映画が好きな私にはちょっと覗いてみたい世界ですが、やはりインドへ行くのは嫌ですね。そう、お腹が弱いので。

  • インド・ネパール編。
    自分が学生の頃の「貧乏旅行の聖典」的本作品の中でも、もっともそれらしい巻ではなかろうか。

    インドもネパールも行ったことがないので、比べようもないが、1975年の当時とは様変わりしていて、今や当時の光景を想像することは難しいのだろうか。ヒンドゥーの聖地ベナレスは、とある漫画(ジョジョ3部)で登場するので、何となく当時の雰囲気をイメージしやすかった。

    リキシャの値段を交渉する場面ははたから見ている分には、文化のギャップが楽しい。目的地までの距離が思ったより長かったので、事前に交渉して決めていた料金よりもオマケしてはずんでやると、リキシャ引は、それに感謝するのではなく、正規料金はもっと上だ、とさらに要求してくる。
    みんな、生きるのに一生懸命だ。
    自分の権利を主張できるのは自分しかいない、という意味では、現代日本の、誰かの奮闘にフリーライドする社会とは大違いだ。

  • 3巻は壮絶なインド・ネパール編。ガンジス川、死体焼き場でのエピソードや、旅先で体調を崩してしまったところのエピソードが特に夢中で読んでました。
    旅…とりわけ日本から遠く離れた海外を旅することで、文明から開放されたように感じる。そんな作者の文章は不思議なほど心にストンと落ちました。

  • 深夜特急2から読んでいます。
    生きていて、10代か20代にこの本を読んでいたら人生が変わっていただろうなという本。
    学生時代に読んでいたら、夏休みにインド行ってたかなぁ。今はYouTubeで配信できるから書籍化出来ないだろうけど、こんな本がまた出てきてくれたら、嬉しいです。また読み終わったら、追記するかもー。

  • カルカッタ、ブッダガヤ、ベレナス。
    喧騒と混乱と諦観と生と死。
    旅人視点で見たアジア。
    安全な読者の立場でこんな放浪の旅を追体験できる良さを感じる。
    若いっていいな。やりたいことはやりたいうちに、やれるうちにやらないとね、と改めて思う。楽しかった。

  • 最近大沢たかおをテレビでよく観るので、深夜特急を思い出し、20年ぶりぐらいに読んだ。
    文章がとても上手いのだろう、退屈せず、分かりやすく一気に読んで彼の目を通したインド、ネパールを体験できた。

    耳慣れない言葉が出てきて、

    霊験あらたか
    顎を出す
    半畳を入れる

    という言葉を覚えた。
    この事だけでも、いくつになっても新しいものを吸収できる喜びを感じた。

  • めちゃくちゃ面白かった。インドに一人旅にいくにあたり、予習も兼ねて。もう、旅をしていて感じる感情のあれこれにいちいち共感してしまった。モロッコでの値段交渉で「絶対ぼられないぞ」と意気込むわたしの姿と、リキシャで1.25ルピーまで粘って値下げしようとする著者の姿が重なる。すごく、その心境の機微の細やかなひとつひとつが痛いほどにわかる。そして、こうしてありのままに表現できることに驚かされる。
    先日行ってきたネパールのカトマンズも、"知らない土地"としての話でなく、実際に行ってから読めたことでより一層空気感がわかって面白かった。
    深夜特急1があまりハマらなかった理由はシンプルに好きな国や気になる国であるかが大きいかもしれない。
    この本を読んでインドのイメージが良い意味で変わったし、行きたい土地もぼんやりと固まってきた。ノンフィクションなことをわかっておらず、最後の対談インタビューを見てハッと気づきさらに内容の説得力と旅のリアルさを感じた。インド旅が楽しみだ。

  • 私がインドに一人旅に出かけるきっかけになった本。沢木さんと同じ旅がしたくなった。初の海外、初めての飛行機、カルカッタ、ガヤー、パトナ、ネパール、バナラシー、デリー、、、空港出てすぐの野原でウンコをふんだこと、自分はビーサンだったこと、深夜に着いたサダルストリートの何とも言えない緊張感、糞尿と体臭と生活臭とガソリンの匂い、長距離バス、広大なガンジス、バングラッシーとマリファナと路地の牛、見知らぬ欧米人と屋上でやったルールも言葉もわからぬチェス、火葬場、、、再読したらまた行きたくなることだろう。

  • 記録

全497件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1947年東京生まれ。横浜国立大学卒業。73年『若き実力者たち』で、ルポライターとしてデビュー。79年『テロルの決算』で「大宅壮一ノンフィクション賞」、82年『一瞬の夏』で「新田次郎文学賞」、85年『バーボン・ストリート』で「講談社エッセイ賞」を受賞する。86年から刊行する『深夜特急』3部作では、93年に「JTB紀行文学賞」を受賞する。2000年、初の書き下ろし長編小説『血の味』を刊行し、06年『凍』で「講談社ノンフィクション賞」、14年『キャパの十字架』で「司馬遼太郎賞」、23年『天路の旅人』で「読売文学賞」を受賞する。

沢木耕太郎の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×