- Amazon.co.jp ・本 (226ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101235073
感想・レビュー・書評
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高校生〜大学生の頃に読み、価値観や世界観が変わった気がする。
沢木さんのような旅をしたことはないが、本書からは確実に何かしらの影響を受けている。
人生のバイブルと呼べる本。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
デリーからロンドンまで行こうというのが沢木さんが本来設定した旅の軸らしいが、3冊目にしてやっと出発点のデリーに到着するまでの話。旅慣れた為か、これまで以上に深く入り込んでいる。香港ぶりに感じたインドに対する興奮もよく伝わる。生と死が交差するガンジス河での描写は非常に詩的。ネパールについての記述は急に手紙の形式に変わったので読みにくかったが、ヌルッとしていて良かった。
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行き当たりばったりの出会いで時間が、1日が過ぎていく様子が、読んでいて心地よい。
いつも、場所を変える時、この街を出ようと決める時、ここに行こうと決める時のきっかけに注目して読んでる。
それは本当大した理由なんて1回も出て来ないんだけど、私の人生もそんなふうに動いていけばいいよなー、と思いながら読む。
気分と直感で。
最後の対談を読むのを楽しみに読んでる。 -
カースト制度の強烈な洗礼と貧困、死を目の当たりにすることで生に対する考え方の変化と旅の目的に苦悩するインド編。文章からでも今までの東南アジアの旅がイージーに思えるほどのインドの異質さを読み取れる。川辺にある死体焼却場やけっして覆すことができないカースト制度など色々考えさせられる。この巻で何より驚かされたのが、現代ならともかく情報がほとんど無い時代にインドを旅行する若者や此経さんみたいに長期にわたって住みついている日本人がいる事。
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インドという国は、とても惹きつけられる場所となるか、もう2度と足を踏み入れたくない場所になるかのどちらかと聞きます。
とあるエッセイでは、最低最悪な国というイメージでしたし、私の知り合いにはインドでしばらく放浪し、音信不通となり、インドに溶け込むように生活していた人もいます。
今回のお話では、そうしたインドの極端なイメージを裏付けるような、なかなかに生々しく、エゲツない場面も記されています。
しかし、沢木さんは、そんなインドの中に、人間が生きていく上での根本的な部分を感じているようでした。
同じ場所にさまざまな階層の人々が生きている場所で、
貧困層の子供たちとともに生活をし、
自由な精神に帰っていきます。
日本人が重んじるものとは真逆のものが、インドには自然とそこにあって、生きていくための手段を選ぶことができない人々がたくさんいます。
現在はインドも経済的に成長をし、この時代の姿とは別の姿になっていると思われますが、この時代のインドの人々の生きるためのエネルギーが、確かに伝わってきます。
インド人だけではなく、インドやネパールでの旅行者との出会いも魅力的です。
飄々とした人や、インドの貧困層の人々とともにいることに使命感のようなものを感じている人、熱を出した男性旅行者に心よくベッドを貸してくれる女性旅行者たち。
たくさんの出会いと別れを描いたお話でもあります。 -
(特集:「先生と先輩がすすめる本」)
前回紹介した第1巻の続きである第2巻から第6巻の5冊をまとめて紹介する。第1巻では主人公の沢木がデリー(インド)からロンドンまでを乗合いバスで旅することを決意したが、デリーに行く途中の香港とマカオで寄り道してなかなか先に進めなかった。第2巻以降ではマレー半島、シンガポール、インド、シルクロード、トルコ、地中海、南ヨーロッパ、そしてロンドンまでの旅が綴られている。沢木が旅をしたのは1970年代であり当時はネットなどはなく、いまに比べればとても不便であるがそれが旅を面白くしている。行く先々で、旅人同士で情報交換をしたり、現地の人との出会いがあり親切を受けながら旅を続けて、ようやく目的地のロンドンに到着する。本書を読んでヴァーチャルな旅を体験し、そして是非リアルな旅をしてほしいと思う。(教員推薦)
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https://mlib3.nit.ac.jp/webopac/BB00551218 -
インドに行って自分探しをすると学生時代に冗談で言っていたが、本当に行っておけば良かったw
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ヒンドゥー語には「ありがとう、すみません、どうぞ」はあるが、ほとんど死語になっている、という場面が印象的だった。カーストって私達が思っているよりも思想、文化、言語に大きな影響を与えているんだと思った。