- Amazon.co.jp ・本 (574ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101240268
作品紹介・あらすじ
前代未聞の怪異が村に跋扈する中、閑散とした病院の奥で、連夜密かに地獄絵巻が繰り広げられていた。暗紅色の液体が入った試験管の向こうに、愛しい骸の変化を克明に記録する青ざめた顔。ゆっくり振り翳された杭…。はびこる「屍鬼」を壊滅させるための糸口が見え出した。しかし、その時、村人の絆が崩れ始める。生き残った者たちが選んだ策は-。思わず目を覆う展開、衝撃の第四弾。
感想・レビュー・書評
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新しいタイプのゾンビパニックですやん。
色々な感情の入り乱れる、複雑な話しになってきた。
静信の煮え切らん感じにヤキモキしつつ、敏夫のヤバさにハラハラしつつ、これはもうもう止まらない。 -
引き戻せないほど悲惨な状況になってしまった村の中で、打破しようと奔走する医師の姿が痛々しく切なかったです。
孤立していく医師を見るのが辛くて苦しい…どうか報われて欲しいです。
それと相反して僧侶の煮え切らない態度にイライラさせられました。
偽善者と呼ばれても仕方のない僧侶。なんて狡い人なんだろう。結局は問題と対峙する勇気がないだけじゃん…って思ってしまいました。
でも僧侶の抱える深淵はゾッとするものがあります…最終巻では違う姿を見せてくるのかな?
とにかく医師が不憫で泣けます…1番頑張ってると思うんだけどなぁ。
屍鬼たちのなかにもヒエラルキーがあって泥臭くてリアルでとても良い…!
人はどこへ行っても人でしか有り得ない、と思わされる醜さがたまらなく良きでした。 -
コロナ禍の中、ただでさえ憂鬱な日々に、なんで、こんな本読んじゃったのかな(苦笑)
この村には絶望しかない。
でも、面白い。 -
神。私は静信と砂子にシンパシーを抱く。
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再読。
事態はいよいよのっぴきならなくなっている。
いろいろと切ない出来事がてんこ盛り。
それにしても静信の考え方にはついていけない。
厭世感とも違うしある種の諦観?すぎるほどの達観??
一番の謎キャラ。
ささ、次巻へ。 -
起承転結の結にさしかかる四巻。
なのに主人公(行動するヒーロー)が不在のまま物語は進行する。
瞬間的に現れる主人公は屍鬼の魔の手にかかる。
静信よ。つまらない小説書いてる場合じゃないぞ!
筆を置いて剣を取れ -
係わりたくない類の人だけど、味方もなく心細さを煽られるこの状況で突き進む郁美のバイタリティーは凄いなぁ。
感心してる間もなく犠牲者は続き、次々と隣人や同僚がいなくなり、見知らぬ他人が堂々と成りすまして家を乗っ取っていく。人間の一枚も二枚も上をいく用意周到な侵略計画や狩る者への報復に恐れつつ、やられっぱなしに苛立ちも募る。
人間側の敏夫の恭子への仕打ちと屍鬼側の徹や奈緒の苦悩、両者別の一面が見えてきて、自分だったら…と考えずにはいられない。 -
ここまで人が死に過ぎると、だんだん麻痺してくる(笑)
それでも登場人物の書き分けができているのが、小野さんの凄い所。
屍鬼になってからも、生前の性格が失われる訳ではない。
勿論記憶や、愛する人達への感情もそのまま。
だけどどうしようもなく飢える。襲わなければならない。
屍鬼の苦悩、葛藤が悲し過ぎる。
「どうせ殺されるんなら、どうせ殺すしかないなら、
自分が殺したほうがましだと思った気がするんです。」
永遠の眠りにつくまで、ずっと罪の意識に苛まれるのだろうか、、、 -
一番冷静に対処していると思っていた医者の敏夫が正志郎にしてやられ、恭子を実験材料にして殺したと静信になじられる。知らぬ間に村は屍鬼たちに侵食され、残り少ない住民に事態を説明しても誰も信じようとせず、八方塞がりで孤立していく。全てを知りながら自らの手を汚したくないと逃げる静信には怒りを覚えるが、静信が屍鬼の存在をどう納得していくかという事が、静信の書く人間の原罪に関する小説と共にメインテーマなのだろう。実に歯痒い。夏野は起き上がっているのか、昭は無事なのか、失踪した信明の役割は。最終巻が気になる。