風の万里 黎明の空 (上) 十二国記 4 (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101240565

感想・レビュー・書評

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  • 王の娘として不自由ない暮らしをしていたが突然その全てを失った祥瓊
    故郷から言葉も通じない見知らぬ土地にやられた鈴
    王となったは良いが何を務めとすれば良いがわからず苦心する陽子

    「自分だけが可哀想」になっている人は周りからは疎まれてしまう。残酷だけど教訓のある前半だった。
    さて、それぞれが周りを見始めた後半戦どうなるやら。

  • それぞれの悩みを抱えている女たちの話。

  • 三者三様の苦悩があり、どうすれば良いのか僅かな兆しが見えた上巻。このままドラマティックな下巻へ。

  • 2023/08読了。10年ほど前に読んだことあり再読。悩める3人の少女の視点から物語を描き、下巻に向けてストーリーが交差するわけだけど… それにしても、初登場時の陽子もだが、どうしようもない女の子の描き方がえぐい。ダメすぎてイライラする。ここからどう変わるか、が大事なのは分かっているけど…

  • やはり上巻は暗い・・・。芳国の娘や鈴の自分勝手さに最初は苛々していたが、様々な出会いを通して改心していく様子ができた。下巻がとても楽しみ。

  • ー人を妬むこと、自分を不幸だと思うだけは簡単だ。

    〈あらすじ〉
    日本生まれの陽子は、慶王となったものの、王としての役割を果たせない自分に苦悩していた。民は何を自分に求めているのか、そして慶国の問題とは何か。分からなくなった陽子は、街に下り生活を始める。
    そこでは予想外の生活が繰り広げられ、苦しむ民がいた。

    〈感想〉
    十二国記の中で一番好きかもしれません。(まだこの先は未読ですが笑)
    1巻で出てきた陽子ちゃんが、次は王として自分を見つめ、民を見つめ、行動を起こして行くのに成長を感じ、そして周りの人たちがどんどん連鎖していくのが面白くなってきて、一気に読んでしまいました。
    毎日を生きるのがやっとの世界で、自分が一番辛いように感じてしまう気持ち、分かるけれど、やっぱり苛立ってしまう部分がたくさんありましたが、人が変わるのはやはり人の影響なんだなあと思いました。
    王としての初勅をどんなものにするんだろう、日本での「普通」を取り入れるのだろうか、、、等と考えていましたが、陽子ちゃんらしく、惚れ惚れとしました。
    蛇足ですが、なんとなく陽子だけはファンタジーの世界の中で唯一身内感があり、応援したくなる気持ちがあり、ついつい陽子ちゃんと呼んでしまいます、、、笑

    上・下巻同じ感想です。

  • 2022/12/29読了。麒麟ほどではないけど白雉もなかなか呪われた存在だな。この世界にはただそのためだけにある存在が多い。生きるためではなく他の存在の為にあるものだ。麒麟もそうだし麒麟を育てる母がわりの妖魔なんかもそうだ。白雉にもそれらと似たものを感じた。今回は祥瓊、鈴、陽子の3人の少女をメインに物語が進む。ところで祥瓊の漢字が予測変換の中にあって驚いた。祥瓊はいわば無知の罪か。持てる者のの義務を果たしてなかったんだな。哀れである。しかし祥瓊の世話を請け負っていた沍姆は相当な人格者だなぁ…同じ境遇なら私には無理だぁ…目の前に仇の娘、しかも無知過ぎる反省なしが居るんだぜ…。よく理性で抑えたな。鈴は言葉が分からないという理由で惨めな思いをしていたようだが、四年もいて言葉を覚えられないものか?彼女はぴちぴちの10代でこの国はおそらく中国語に近い。中国語は日本語に近しい部類だろう。特に読む部分では。可哀想ではあるが正直努力不足が感じられた。しかもその後百年も自分の境遇を哀れんでうじうじしている。こっちの世界では時間の流れや感覚にも差異があるのかもしれないが、悲劇のヒロイン気取りの人生への怠慢が感じられ、やはりそれは後々物語でも描かれていく内容だった。だから黄姑の言葉には深く頷きながら読んだ。全くその通りだ!景王に会いたいという浅はかな鈴に対する反応も頷ける。こういうタイプは実際に行って経験しないと分からないという事もよくお分かりの思慮深い王だなと感じた。供王の珠晶もタイプは違えど良き王だ。王としての責任、ノブリスオブリージュをよく分かっている。気が強い分、個人的には彼女の方が好み。清秀は良い子だなぁ。嫌な奴からでも名前聞かれたらちゃんと答えるところとか。世渡り上手なのは苦労によるものだろうか。同じ苦労でも中身が違うと受け取り方がこうも違うか。けど明らかに脳に異常がある描写が出てきて、ああこの子そのうち死ぬんだなぁと思ってたら馬車に轢かれて亡くなるとはな。この物語は容赦ねぇなぁとしみじみ思った。にしてもこの国の男女観は不思議だな。雌雄が無くても成り立つ世界なのにわざわざ雌雄がある。そして陽子にとって延王の存在はでかいよなぁ。時代は違えど同じ境遇の先輩だ。しかし元々人の上に立つよう育てられた尚隆とは前提が色々異なるから苦労も無理はない。でも国を荒らすかもしれないと分かっていながらちゃんと知ろうとしてる姿は、何故か問答無用に、まだ未熟ではあるけれど陽子は絶対に立派な王になると予感させるものがある。理不尽な死戦を潜り抜けた経験は伊達ではない。勘でしかないのだが、楽俊も似たような思いを陽子に対して感じてたのだろうなと思う。しかし妖魔を屠る姿が板についててかっこいい反面若干恐ろしくもある。遠甫はなんかもう只者じゃ無い感が溢れて仕方ない。麒麟は目先の哀れみ優先な生き物と知って「千と千尋の神隠し」での銭婆婆の言葉「竜はみんな優しいよ、優しくて愚かだ」をふっと思い出した。麒麟も優しくて愚かな生き物なんだろうな。表紙絵とても素敵なのだけどなんか陽子の顔のパースに違和感があるな?なんでじゃ?

  • 人が幸せであるのは、その人が恵まれているからではなく、ただその人の心のありようが幸せだからなのです。 
    苦痛を忘れる努力、幸せになろうとする努力、それだけが真に人を幸せにするのです。

    黄姑

  • 楽俊は皆の癒し。はっきりわかんだね

  • 何があっても、自分で自分を諦めてはいけないんだ!っていう一冊。

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著者プロフィール

大分県出身。講談社X文庫ティーンズハートでデビュー。代表作に『悪霊シリーズ』 『十二国記シリーズ』『東亰異問』『屍鬼』など。重厚な世界観、繊細な人物描写、 怒濤の展開のホラー・ミステリー作品で、幅広いファンを持つ。

「2013年 『悪夢の棲む家 ゴーストハント(1)特装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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