- Amazon.co.jp ・本 (290ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101250533
感想・レビュー・書評
-
詳細をみるコメント0件をすべて表示
-
一日の終わりであり、一日の始まりである午前零時という時間。
「12時」と言うとなにか軽い感じがしないでもないが、「午前零時」と言われる
と、とてもおどろおどろしい感じがするのは僕だけだろうか。
13人の作家が描いた13通りの午前零時。サスペンスというよりほぼホラー。
浅暮三文という人の「悪魔の背中」という作品がとても印象強く背筋が寒い。
騙された女に復讐したいがために悪魔を召喚する主人公。悪魔の召喚方法はいたって簡単。
鏡を二枚向かい合わせに置き午前零時を待つだけ。午前零時は特別な時
間で悪魔が片方の鏡からやってきて反対の鏡へと通り抜けるのだという。
その瞬間を見計らって鏡をずらせば悪魔は向こう側に渡れずに人間界に
現れたままになるという。このなんだかちょっとリアルにできちゃいそうな
シチュエーションが怖い。この文章をここに書いてるだけで怖い。
そして迎えた23時59分59秒。片方の鏡に小さな黒い点が写る。
その点はだんだんと大きくなりこちらに向かってきて・・・。
ああ、ここまで書いて鳥肌がたってきた。基本的に僕はホラーが苦手
なのだ・・・。
ではなぜこの本を買って読んだのか。それはなんとなくアンソロジーが
読みたくて、本屋をブラついていたら、石田衣良とか馳星周とか恩田陸と
か僕が比較的好きな作家が参加していたこの本が目に飛び込んだから。
ホラーだなんて思わなかったし。
鈴木光司が参加している時点で気が付くべきだった。どこかで聞いたこと
ある名前だなぁと引っかかっていたのだが、鈴木光司って「リング」とか「ら
せん」を書いてるホラー界の新鋭なんだそうだ。
しかし、この本に限って言えば鈴木光司の作品はまったく怖くなかったし、
恩田陸の作品はエグいだけで訳わかんないし、石田衣良と馳星周に至って
はどんな作品だったか記憶にすら残っていない。
ただただ浅暮三文の作品だけが強烈に残っているだけだった。
いや、正確にいうと作品が印象に残っているというよりは、悪魔の召喚方
法とそのイメージが強烈に脳裏にこびりついていて、午前零時に一枚の
鏡すら見たくないというくらい僕の心に傷跡を残したのだった。 -
「午前零時」をお題にした、13人の作家による短編集です。個人的に面白かったのは、「ゼロ」と「悪魔の背中」の二編。あとは・・・・・・好みじゃなかったというか、何というか。作家それぞれの個性が出ていますので、短い話を色々と読みたい方には良いかも知れません。
-
人が死ぬ話が多かった。
午前零時ってそういう、神秘的だったり不吉だったり、特別な感じのする時間。
はじまりで、おわり。
最初2つか3つは人が死んでたから「死者縛りでもあるのかな...」と思ってたけど、一番最後の石田衣良さんの話はワクワクした高揚感の残る終わり方で、締めはそういうかんじなんだ〜と思った
冷たい手
母の年齢と近い女の人の葛藤というか内面の描写がある作品を見ると、連想してしまってつらいなー。更年期障害とか、人生の後悔とか、未来への恐れとか。 -
「午前零時」をキーワードに綴った、13人の作家によるアンソロジー。
ホラーあり、ファンタジーあり、人間ドラマあり、SFありと、
やや一貫性の無い感じは否めない。
完全に個人的な好みで言えば
鈴木光司「ハンター」・・・☆
坂東眞砂子「冷たい手」・・・☆☆☆
朱川湊人「夜、飛ぶもの」・・・☆
恩田陸「卒業」・・・☆
貫井徳郎「分相応」・・・☆☆☆
高野和明「ゼロ」・・・☆☆☆☆
岩井志麻子「死神に名を送られる午前零時」・・・☆☆
近藤史恵「箱の部屋」・・・☆
馳星周「午前零時のサラ」・・・☆☆☆☆
浅暮三文「悪魔の背中」・・・☆☆☆☆
桜庭一樹「1、2、3、悠久」・・・☆☆
仁木英之「ラッキーストリング」・・・☆☆☆
石田衣良「真夜中の一秒後」・・・☆☆ -
「午前零時」をキーワードにした、13人の著名作家たちによるオムニバス短編集…ときけば、ちょっと期待するものがあったんですが…
人気作家たちが片手間に小手先で参加した、大喜利みたいな出来。
そもそも「午前零時」というモチーフの使い方すら野放し状態。
今日と明日、昨日と今日の境い目という特別な時間を題材に、文学的な情感を生み出そうという試みは一切感じられず。
酷いわ、これ。
まあ、よく顔ぶれをみれば、ミステリ・ホラー・ファンタジー系の作家ばかりで、こっちの期待した方向性が間違っていたのかもしれませんが。 -
2018/7/16(月曜日)
-
13人の人気作家による豪華な競演。“午前零時”がテーマですが、怖い感じではありません。
一つの話がショートショートなみに短いので、あっという間に読み終わってしまいました。
「これは!」というほどのものが無く残念。 -
前読んだことある
-
最初は新しく読む作家さんを探そうかなぁ、位の気持ちであまり期待せず読み始めましたが、意外に面白い内容の話もありました。
ただし、なかには、あまり意味がわからないものもあります。
気楽に読むにはいいと思います。