りかさん (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
3.71
  • (557)
  • (685)
  • (1046)
  • (75)
  • (21)
本棚登録 : 5433
感想 : 541
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (262ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101253343

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 幼い頃、日本人形が怖くて、おばあちゃんに「雛人形を買ってあげる」と言われたときに大泣きした私ですが。。。

    りかさんみたいなお人形だったら、ほしかったなぁ!

    りかさんを贈られることで、主人公ようこのように、今までにない怖い体験をすることになっても、青い目のお人形にまつわる哀し過ぎるエピソードを知ることになっても、きっと得がたい素敵な日々が過ごせたことでしょう。

    • まろんさん
      いつもコメントありがとうございます(*^_^*)

      円軌道の外さんも、お人形にうなされた過去があったんですね~。
      確かに、ピエロのお人形も、...
      いつもコメントありがとうございます(*^_^*)

      円軌道の外さんも、お人形にうなされた過去があったんですね~。
      確かに、ピエロのお人形も、なんか得体のしれない哀しみを背負ってそうなとこが怖いかも!

      私も、大事にされた道具や楽器や家具なんかには、想いが通じるっていうか、言葉では語りつくせないような結びつきが生まれると思います。

      音大を目指す決意をしたときに、先生から「やはり普段からグランドピアノで練習しないと」と言われて泣く泣く手放したアップライトピアノは、
      あちこち傷がついていたけど、いい感じに古びて音もまるく柔らかくなって、苦手なエチュードを弾くときもピアノに助けられているのがありありと感じられるような、大切な存在でした。
      あのあと、本当にピアノが好きで、大事にしてくれる人の手に渡っているといいな。。。

      『りかさん』は、おどろおどろしい怖さはぜんぜんないし、「もの」を慈しめる円軌道の外さんなら楽しんでいただけるんじゃないかな(*'-')
      2012/05/11
    • xxxshuxxxさん
      丁寧なコメント、ありがとうございます!
      とっても嬉しかったです (・◇・)ノ

      こんなお人形さんなら、とっても素敵ですよね
      まろんさんのピア...
      丁寧なコメント、ありがとうございます!
      とっても嬉しかったです (・◇・)ノ

      こんなお人形さんなら、とっても素敵ですよね
      まろんさんのピアノの話も、切ないけれどとっても共感できます。
      私はみんなには言えないけれど、密かに自分の楽器たちには名前をつけていたりするので(笑)

      私の本棚を見て、嬉しくなったと言ってくださいましたけれど、まだまだ、まろんさんには遠く及ばないですね(汗)
      読書量、レビュー数、内容の素敵さ、とっても尊敬します。

      これからもとっても楽しみにしています♪
      どうぞよろしくお願いします(^_^*)
      2013/01/14
    • まろんさん
      xxxshuxxxさん☆

      楽器に名前をつける。。。わかります!
      ピアノは気軽に持ち運びできないので、自宅以外で弾くとなると
      どうしても他所...
      xxxshuxxxさん☆

      楽器に名前をつける。。。わかります!
      ピアノは気軽に持ち運びできないので、自宅以外で弾くとなると
      どうしても他所のピアノを弾かなくてはなりませんが
      「うちの子だったら、ここでもっと素直に鳴ってくれるのに~!」
      なんて思ったり。
      管楽器や弦楽器だと、毎日自分の分身のように持ち歩けて、
      本番でも自分の楽器で演奏できるので、またさらに愛着が深まりますよね!

      本のこと以外でも共感できるブクログ仲間さんができて、うれしさいっぱいです♪
      こちらこそ、どうぞよろしくお願いします(*'-')フフ♪
      2013/01/14

  • 寝ても覚めても離さなかった『人形の家』(ルーマー・ゴッデン著)の多種な人形の差異に自分の身を照らしては仲間として心酔していた幼い頃を思い出した。"差別"をなしとはせず"澄んだものと濁りあるものと区別せよ"と諭す著者のぶれない確かさに心が安まる。

    続く『からくりからくさ』を読み進めたい。楽しみ。


    『ミケルの庭』
    蔦を掴むように手があがってよかった。ほんとによかった。
    思い煩う人へ。“あなたがいてくれてよかった私なら気づかなかった“と。“的を外さず真っ直ぐ“向き合える人。
    何故か読みながら浮かぶ子供達の顔にこういう母でありたいと思う。忘れられない連作の物語。

  • 『からくりからくさ』の蓉子がりかさんと出会った頃の話とマーガレットの子が生まれた後の話。「養子冠の巻」と「アビゲイルの巻」は人が人形を幸せにすることで人形もまた良い性質を持つことが何処か育児のようだった。「ミケルの庭」は蓉子と下宿人が赤子の面倒を見る話で母性と人形を愛する心はやはり似ているのかも知れない。蛇足だけれどマーガレットの人形や子供への頑さは世界への違和感や抵抗感にも思える。

  • おばあちゃんにりかちゃん人形が欲しいとお願いした女の子の元に日本人形のりかさんが届く
    そのりかさんは会話もできるしご飯も食べる
    友達の家の雛人形の思ってることもわかるから架け橋となって問題解決してくみたいな内容
    あまり面白くなくて途中で読むのやめちゃった

  • 人生において、人形が身近な人にはぜひ読んでほしい物語だった!!

    私自身はあまり人形とは縁のない人生を送っているが、私の妹は3歳のころから大人になった今でも、とある犬の人形(はなこ)を大事にしている。
    妹にとってはなこは、人生で一番の親友であり、よき理解者だ。たぶん私より仲良し笑
    だから、この物語を読んで、はなこの存在そのものや、はなこと妹の関係、はなこへの妹からの愛情が肯定された気がして、本当に嬉しかった。
    また、裏ではこんなことを思っているんだろうなとはなこへの気持ちが深まった。

    この小説では主人公の少女ようこが、人形のりかさんと他の様々な人形の人生に向き合うストーリーが描かれている。
    ようこも、りかさんも、おばあちゃんも人に寄り添う力が強いし愛情にあふれていて、とてもほっこりするお話だった。

  • からくりからくさの伏線。
    あの時のあれは、ここからつながってたのかーというのが上手くまとまってて面白く、蓉子がりかさんをあんなに大切にしていたのも納得でした。

  • りかさんと会話ができるようになったとたん、第六感的能力が開花し、老木の精(?)や生霊とまでやり取りができるようになるなんて、なんだか都合のよい話だ。と思ってしまうところが、私の素直でない性格を表しているのだろう。
    「ミケルの庭」は、その愛憎がぼやぼやっとしている上に、1歳前後の子どもの感覚を大袈裟に描いている気がして、少し感情移入しにくかった。

  • おばあちゃん家を思い出しました

  • 2022.7.29 読了

    そういえば子どもの頃よく人形でひとりごっこ遊びしてたな…とノスタルジックな気分になりつつ
    でも大事にしてたかというとそうでもなくて
    りかさんの持ち主たちのようには大切に扱ってあげられてなかったからあのこたちはどんな気持ちでいただろうなどと思いを馳せながら読みました。
    数奇な運命を辿った人形たちの悲しみに触れひとつひとつ丁寧に寄り添ってあげるりかさんとようことおばあちゃんにこちらまで癒されていくそんな作品でした。
    中でもアビゲイルの物語が一番印象的で最後に救いはあったけどそれでもとても胸が痛むお話でした。
    書き下ろしの『ミゲルの庭』は1歳のミゲルの視点も絡めて描かれているぼんやりとした独特の世界観から後半の緊迫した場面への急激な転調でハラハラドキドキがいっそう強まって感じられました。
    続編の『からくりからくさ』もぜひ読みたいと思います。

  • 「からくりからくさ」で、不思議な存在感をもって蓉子たちを見守っていたりかさん。
    これは、そのりかさんと幼い頃の「ようこ」、そしてまだ元気だったおばあちゃんのお話です。


    『りかさん』 梨木香歩 (新潮文庫)


    リカちゃん人形が欲しい、と頼んだようこのところへおばあちゃんから送られてきたのは、なんと、おかっぱの黒髪に総ちりめんの振袖を着た市松人形だった!

    古い油紙で包まれたお人形の箱には、筆で「りかちゃん」と書かれた半紙が一緒に入っていた。

    「こんなのリカちゃんじゃない。」

    ようこはがっかりする。
    これが、ようことりかさんの最初の出会いだった。

    ようこはりかさんと話すことができる。
    りかさんが一緒にいると、他の人形たちの声も聞こえるのだ。
    人形たちが語る過去をようこは聞く。

    内裏雛の嘆き、ビスクドールの悲しい思い出。

    汐汲(しおくみ)人形が台座の中で大切に守り続けていた黒こげの西洋人形「アビゲイル」は、戦争中、敵性人形として竹やりで突かれ、焼かれた辛い過去を持ったお人形だった。

    この本は、ハードカバー版では児童書に分類されているそうだ。
    でもこれは、子供だけのものにしておくのはもったいないと思うな。
    大人こそ楽しめる不思議世界だ。

    自分が体験したことのない世界や、よく分からない不思議な出来事に対する畏敬の念を持つことは、子供にとって必要なことだ。
    ようこは子供の代表として、そんな世界に一歩を踏み込む。
    頼りになるりかさんと一緒に。

    ところで、文庫版には、書き下ろしの「ミケルの庭」が併録されている。
    この短編は「からくりからくさ」の後日譚になっているので、「りかさん」しか読んでいないと、少し内容が分かりづらいかもしれない。

    ミケルというのは、あの火事の夜にマーガレットが産んだ赤ちゃんなのだが、なんとこの物語はミケルの視点で書かれている。
    「からくりからくさ」の深い地下水脈のイメージと違い、こちらは、高いところから世界を俯瞰しているような広さを感じる。
    ただこれは、紀久のための物語でもあると思うので(紀久の心の問題は前作では解決していなかったんだよね)
    、「りかさん」よりも「からくりからくさ」とくっつけた方がいいんじゃないのと思った。

    時系列でいうと、
    りかさん→からくり→ミケル
    の順番だ。
    これまでの事情を知るためだけなら、「りかさん」を先に読んだ方が効率が良く合理的かもしれない。
    でも、「からくりからくさ」を読むための知識としてだけ「りかさん」を読むのは、あまりに味気ない。
    ぜひ「からくりからくさ」のフィルターを通して「りかさん」を読むべし。
    “りかさんの不在”ということがどういうことかがよく分かります。

    ところで、梨木さんの小説には、“母性”があまり描かれない。
    「西の魔女が死んだ」も「からくりからくさ」も、“おばあちゃんと孫娘”の物語であり、“母親”はその他大勢の登場人物の中の一人でしかない。
    今回の二編も、ようことりかさんとおばあちゃんの世界では、母親は完全な部外者だし(というよりも、むしろ分かり合えない対極の者として描かれている)、ミケルの母親であるマーガレットは、物語の初めから終わりまでずっと留守のままなのだ。
    確執というほどではないにせよ、この作者の物語に登場する母と子の間には、目に見えない齟齬がある。

    そういうもやもやも含めて、人間の代々の血の繋がりを見続けてきたお人形に、魂があるというのは頷ける。
    ようこのおばあちゃん曰く、

    「人形の本当の使命は、生きている人間の強すぎる気持ちをとんとん整理してあげることにある。」

    吸い取り紙のように、人間の濁った感情を吸い取るのだそうだ。

    これからは人形の見方が変わるなぁ。
    でも、決して怖くはない。
    市松人形が怖い人は、一度読んでみるといいかも。

全541件中 21 - 30件を表示

著者プロフィール

1959年生まれ。小説作品に『西の魔女が死んだ 梨木香歩作品集』『丹生都比売 梨木香歩作品集』『裏庭』『沼地のある森を抜けて』『家守綺譚』『冬虫夏草』『ピスタチオ』『海うそ』『f植物園の巣穴』『椿宿の辺りに』など。エッセイに『春になったら莓を摘みに』『水辺にて』『エストニア紀行』『鳥と雲と薬草袋』『やがて満ちてくる光の』など。他に『岸辺のヤービ』『ヤービの深い秋』がある。

「2020年 『風と双眼鏡、膝掛け毛布』 で使われていた紹介文から引用しています。」

梨木香歩の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
梨木 香歩
川上 弘美
梨木 香歩
あさの あつこ
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×