他人同士 (新潮文庫 あ 7-17)

著者 :
  • 新潮社
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感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101255170

感想・レビュー・書評

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  •  表題作含む10編収録の短編集。
     ミステリーと言えばミステリーなのかもしれないが、ブラックユーモアのある作品とも言えるのではないかと思う。こういう短編集を読んでいると、全ての作品がすんなり入ってくるわけではない。初めのうちはなんだかよく分からないなと思って読む作品も多かったが、最後の1~3ページくらいですとんと落ちてくる。これが謎解きミステリーとも言えるが、一種のユーモアをもって完結する。「他人同士」「地震学入門」「手袋とスカーフ」などが面白かった。

  • 阿刀田ワールド全開。
    狡い男に恐い女。
    男女関係はうまくいかない?

  • 短編集。ブラックジョークとちょっぴり怖い要素が満載。全10話。

  • 阿刀田高はショートミステリーの第一人者。
    読みやすくてほんのり怖い。

  • 日常の何気ない恐怖がさり気なく描かれている。
    本当におもしろい。
    「岬」の恐怖、「手袋とスカーフ」の考え方はありえるなぁ。「他人同士」はそうかぁ。と。

  • 何も残らない本って、私の中で2種類あります。
    もう読んでいられないくらいひどいものと読んでいる時は面白いんだけど、読み終わったらすっかり忘れてしまうもの。
    この本は後の方の残らない本です。
    いつも深い内容の本ばかり読んでいると自分の中に色々たまってしまって疲れるので、こういう本も時にいいと思います。
    久しぶりに読み終えた所、全く何も覚えてなかったんですが、でも読んでいる時はそれなりに楽しんで読める本です。

    親から引き継いだ資産をもつサラリーマン。
    資産目当ての女性に結婚を迫られ、別の女性に相談した所、実はその女性の方がたちの悪い女で、言われるままに結婚してしまう。
    その後彼は、自分の好みの優しい雰囲気の女性と出会うが-。(粘土の女)

    多分前に読んだ時は、次々とたちの悪い女性に出会う主人公の男性はツイてないなという感想をもったと思いますが、今読み返したらこれは仕方ないだろうという気がしました。
    彼の人を見る目のなさが次々に不幸をまき起こすのだと思いました。

    人口のダム湖がある山里の宿に泊まった主人公。
    その宿の主人は以前、ダム湖に沈む公衆電話で人が亡くなったが、それは実は事故でなく殺人だったという話を始める。(湖の底)

    何となくラストは想像がつきましたが、それでも楽しめました。

    行きつけの喫茶店のウェイトレスの女性二人に出張土産をそれぞれ渡した所、その土産がきっかけとなり、二人の女性のその後の人生が大きく変わってしまう。
    一人の女性はその土産がきっかけで事故にあい、もう一人の女性は結婚相手の男性と出会った。(手袋とスカーフ)

    幸せと不幸せは背中合わせ。
    運命が変わったと思ってもそれはあらかじめ決められたものだったのかもしれない-。
    そんな事をさらっと描いた話です。

    ちょっとブラック味とシャレのきいた10話の短編集です。

  • 「粘土の女」と「湖の底」が好きです。


    粘土の女は、星新一先生へのオマージュが感じられました。

  • 全くの他人同士なら、問題ない。
    でも、そこになんらかの関係があってある日それが他人同士になるってすごく恐ろしい事。
    そのキッカケって案外身近に転がってるのかもしれない。

  • 人が殺される話で一番最初に読んだ。短編で読みやすい。話の内容も他のこういう種類の本よりも好き。

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著者プロフィール

作家
1935年、東京生れ。早稲田大学文学部卒。国立国会図書館に勤務しながら執筆活動を続け、78年『冷蔵庫より愛をこめて』でデビュー。79年「来訪者」で日本推理作家協会賞、短編集『ナポレオン狂』で直木賞。95年『新トロイア物語』で吉川英治文学賞。日本ペンクラブ会長や文化庁文化審議会会長、山梨県立図書館長などを歴任。2018年、文化功労者。

「2019年 『私が作家になった理由』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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