森見登美彦の京都ぐるぐる案内 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 1683
感想 : 97
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  • Amazon.co.jp ・本 (140ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101290546

作品紹介・あらすじ

京都――小説家・森見登美彦を育んだ地であり、数々の傑作の舞台である。『太陽の塔』『きつねのはなし』『夜は短し歩けよ乙女』『有頂天家族』……。各作品の名シーンと、サカネユキ氏による叙情的な写真の競演。そして、現実と妄想が螺旋を描いて交わる、登美彦氏の古都愛溢るる随筆二篇を収録。本書をポケットに、あなたも、不思議で奥深い、この町の魅力に触れてみませんか?

感想・レビュー・書評

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  • 前々回の京都旅の折、私は3日間京都洛中を歩き通した。総歩数7万歩以上。京都は歩かなければ見落とす処が、あまりにも多い宮古(まち)である。

    京都は1日休まず歩けば一周できてしまうようなこじんまりとした町である(←無理か)。それを森見登美彦がぐるぐるぐるぐる案内してくれる。この喫茶店は、この作品のこんな文章で紹介されているんだよ、とカラー写真付で紹介してくれる、とってもお得な文庫本である。これで森見登美彦の京都は全てわかった!と思って見返してみると、なんと巡ったのは左京区、四条、伏見区辺りだけ。北側から御所に向かって左側の地区だけじゃないか!大学生の森見登美彦は、叡山電車で行ける処しか行っていないのだということがまぁよくわかった。

    しかし、それでもなんと多くのスポットを私は見落としていたのだろう。真如堂、水路閣、小松うどん店、レストランまどい、ハイライト、出町商店街、進々堂、菊水、東華菜館、Bar エイト、柳小路の八兵衛明神、まるで一つ路地を曲がれば新しい景色が広がるかのようだった。あまりにも多くのものを見落としていたために少し怖くなった。前々回のあの7万歩は、もしかして異世界に入り込んでいた結果なのでは無いか?


    気がついている方も居られると思いますが、今週はレビュー「歩くシリーズ」になっています。第三弾でした。マリモさんのご紹介本。

    • マリモさん
      kuma0504さん

      京都は歩かなければ見落とす処があまりにも多いまちに同感です!
      すぐに方向を失う私には、道がわかりやすくて地図で歩ける...
      kuma0504さん

      京都は歩かなければ見落とす処があまりにも多いまちに同感です!
      すぐに方向を失う私には、道がわかりやすくて地図で歩ける少ない街でもあります笑
      行くと、前からあるのに知らなかったなーというものを発見したりして、何度行っても楽しいですよねー。今週はめっきり春になってきて、散策日和ですね!
      また京都行きたくなります^_^
      2022/03/15
    • kuma0504さん
      マリモさん、おはよう御座います。
      この文庫本は次回の京都旅の必携本になりました。ご紹介ありがとうございました。

      散歩日和が続いています。で...
      マリモさん、おはよう御座います。
      この文庫本は次回の京都旅の必携本になりました。ご紹介ありがとうございました。

      散歩日和が続いています。でも職場環境から長期旅はなかなか思い切れなくて、躊躇してしまう。早く行きたい。でも、倉敷市民限定の美術館券付き宿泊券というのを昨年3月に買っていて今月が期限切れなので、ちょっと泊まってきます。これも小さな旅です。
      2022/03/16
  • 森見さんの本は大体読んだのだが、ずっと読みたいと思っていたこの本が文庫化されたので購入。
    いつも京都の街並みを頭に思い浮かべながら読んでいた森見さんの文章が、写真になると更にリアルさが増し、まるで本当に祇園祭を、夜の木屋町を、夏の下鴨神社を、糺の森を、鴨川デルタを駆け抜けたかのような気持ちになった。
    行った事のない場所(京大や飲食店)も知る事ができ、今度この本を片手に京都を闊歩しよう!と心に決めた。

  • 【新潮文庫2014夏の100冊29/116】森見ファンブックでしょ、ファンならともかく、なんで新潮の100冊に入ってるのよ(泣)って思ってたけど、中に入ってる随筆はなかなか良かった。特に『京都を文学的に〜』はもっと分量があっても良かった!古典の『雨月物語』や『源氏物語』の話は◎森見先生の『きつねのはなし』の怖い怖いって雰囲気のルーツを見た感じ(^^)また、京都の街並みは写真にしたとき絵になる♪進々堂の焼きたてパンは食べてみたい♡水路閣は火サスでよく見た(笑)お勧めスポットの吉田神社のコメントはニタニタ。

  • 「源氏物語も平家物語も今昔物語も、ぜんぶご近所のお話なのだな」

    京都には歴史がある。
    趣がある。夢がある。
    文化がある。個性がある。
    侘寂がある。秘密がある。

    故に妄想が。
    物語が生まれる。

    森見宇宙の元素が集い
    賑やかに踊る聖地の手引。

    /////

    「日本人で良かった」と思わせる森見作品だけど、「京都人ならなお良かった」だろうなと唇噛んで噛んで仕方なかったので、狸本続編より先に本書を。鮮明にあの日の未来がフラッシュバック。宇宙がグアッと拡がる振動覚。このタイミングで読んだのが大大大正解。いつかいこう、京都。

  • 森見作品の舞台・京都の街を写真とともに巡る1冊です。
    最近、あまり京都に足を運ぶことがなかったので、本書のおかげで森見作品の色彩が、ぐぐっと濃くなりました。
    阿呆な大学生たちが、もふもふの毛玉たちが、うごうごと蠢く京都の街を想像してにんまり。

    過去と現代、彼岸と此岸、小説と現実。
    京都には、さまざまな境界が溶けて混じり合っているような独特の雰囲気があります。
    登美彦氏の描く、阿呆な明るさとミステリアスな陰影に彩られた京都に、すっかりはまっているなぁ…と改めて感じさせられました。

    いつか京都に行った暁には、進々堂にてミルク入り珈琲を味わいたいものです。

  • 今住んでいるところから京都へは、電車1本でのおでかけ距離なのだけれど、ここしばらく行くことがなくなっていた。久しぶりに行こうと思い立ったものの、これから暑くなるし、ますます行きたくなくなるなあ…と思っていたところへの文庫化。渡りに船と飛びついた。

    森見登美彦氏が作品中でとりあげた、京都のあちこちと行事が贅沢な写真と、作品からの抜粋で紹介される。観光スポットもわりあい抜かりなく押さえられている気がするけれど、基本的には、京都にある程度の長い期間住んでいた人の目線だと思う。なぜなら、京都に行くたびに案内してもらう、京都ネイティブの私の友人とチョイスが似ているから(笑)。平日にふらっとバスや電車に乗り、おなかがすいたら喫茶店で食事して、ぶらぶら歩いてお寺か神社をちょろっとのぞき、暗くなってきたからもう家に帰ろうか、それともちょっとだけお酒をつけて、何か食べて帰ろうかなあ…という、ゆるい京都の日常がそこにある。ああ、これから祇園さんだし、京都行きたいなあ。でも暑いからやっぱりちょっと…(笑)。

    登美彦氏の作品の切り取りかたも風情があって、登美彦氏の作品をつぶさに読んでいるわけではない人でも十分楽しめると思う。個人的には哲学の道と、蟷螂山のくだりが好き。叡山電車、今はこんなにお洒落なのか。それに、単行本化にあたって書きおろした(とみられる)エッセイ2本が、いかにも登美彦氏的にもったいぶった遠まわしな筆致で相変わらずめんどくさくて面白いし、そこにつけられた、今日マチ子さんのイラストもとてもチャーミングでございます。でも登美彦氏はそんな、目深にかぶったハンチングがイカすイケメンな男子とは、ちょっと違うと思いますが(笑)。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「これから祇園さんだし」
      あっ!「さん」付けや。。。
      「これから祇園さんだし」
      あっ!「さん」付けや。。。
      2014/07/05
    • Pipo@ひねもす縁側さん
      祇園さんにえべっさんに天神さんに大仏さん、ですね♪
      祇園さんにえべっさんに天神さんに大仏さん、ですね♪
      2014/07/05
  • 京都に行く予定があったため、読了。

    森見登美彦作品や、森見登美彦さん自身の想い出にまつわる場所が紹介されている。

    未読の作品を読もうと思うきっかけにも。

  • 森見作品をいくつか読んでいる
    or
    森見作品的観点から京都が好き

    このいずれかもしくは両方当てはまる人は一度読んでみるといいです。京都に行くときにはポケットに忍ばせないといけない本です。聖地巡礼にはうってつけやし、自分も京都を愛してるので行ったとこある喫茶店やお寺や散歩スポットがちらほら紹介されていて楽しかった。そしてまだまだ魅力のありまくる京都の奥深さにはビツクリです。。。
    というか京都で大学生活を過ごした方がいいです。

  • 森見登美彦さんの作品の舞台となった場所が地図や写真とともに説明されていてファンにはたまらない一冊。文庫版だから持ち運びも楽で、京都観光、聖地巡礼、お食事処に迷った時にとても便利。今まで読んだ森見作品を読み返したくなる上に森見さんのお気に入りの小説の紹介もされているのでそちらも気になり、読みたい本リストがまた増えてしまいました!

  • 森見さんの作品的京都案内。
    エッセイも載ってます。
    京都に持っていったんですが、
    下鴨神社と鴨川デルタぐらいしか行けませんでした。

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著者プロフィール

1979年、奈良県生まれ。京都大学大学院農学研究科修士課程修了。2003年『太陽の塔』で日本ファンタジーノベル大賞を受賞しデビュー。07年『夜は短し歩けよ乙女』で山本周五郎賞を受賞。同作品は、本屋大賞2位にも選ばれる。著書に『きつねのはなし』『有頂天家族』など。

「2022年 『四畳半タイムマシンブルース』 で使われていた紹介文から引用しています。」

森見登美彦の作品

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