- Amazon.co.jp ・本 (132ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101292311
作品紹介・あらすじ
妊娠中のもぐらと一緒に写真をとったり、町内の縄文人街を散歩したり、子供たちを折りたたんで押入れにしまったり、中くらいの災難に見舞われ一時乳房等の数が二倍になったり。奇想天外でヘンテコで不気味な出来ごとが、次々と繰りだされる日常を、ごく淡々と送る女性の、ユーモラスな春夏秋冬。一足踏みいれたらきっととりこになる、とっぷりと心地よい「椰子・椰子」ワンダーランド。
感想・レビュー・書評
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川上弘美ワールド全開の嘘日記
エッセイでも綴られている日常に、モグラや喋りすぎてうるさいくらいのハトや気難しい恋人などのファンタジーを加えてかき混ぜたような作品。
ドギツい原色ではなく、柔らかいパステルカラーの混沌。日常と地続きのシュールで不思議な夢の話を聞かされている気分になる -
絶版になっていて やっと古本屋さんで見つけた。
最初はどう読んでいいのかわからなくって 困ったけど 読み進めていくうちにフラットな感覚(?)で読めるようになっていった。
子どもをたたむとか、表現が不思議でおもしろかった。
心が疲れたとき また読んでみようと思いました。 -
沢山引用をしてしまいました。川上さんの世界観は、一度味わったらじわじわとクセになります。何でもありで、変なことが起きても納得してしまうような、まさに夢の中を再現した印象です。川上さんの奇妙で不思議で、時々不気味系のお話のBGMには、谷山浩子さんの曲がぴったりだと改めて実感。
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シュールで大好き。夢ってこういうの見るよね(こういうの見ない人もいるか)。川上さんらしさ満載の人間じゃない話というか。で、きちんとエロさもありあり。でも湿ってない乾燥してるざらざらしてる質感で。
どちらかというと私は川上さんの最近小説のほうが人間が描かれてる感じがして読みやすくて好きなんだけど、でも、独特のこの感じ、この感じと読み進めちゃいました。
ジャンとルイは好き。ぺたぺたさんは私は追い出してしまうかもw
ちなみに母に読む?って渡したらその場で一気によんでしまいました(笑) -
3.69/1138
内容(「BOOK」データベースより)
『妊娠中のもぐらと一緒に写真をとったり、町内の縄文人街を散歩したり、子供たちを折りたたんで押入れにしまったり、中くらいの災難に見舞われ一時乳房等の数が二倍になったり。奇想天外でヘンテコで不気味な出来ごとが、次々と繰りだされる日常を、ごく淡々と送る女性の、ユーモラスな春夏秋冬。一足踏みいれたらきっととりこになる、とっぷりと心地よい「椰子・椰子」ワンダーランド。』
冒頭
『一月一日 曇
もぐらと一緒に写真をとる。もぐらの全身を見るのは初めてである。あんがい大きい。写真をとるために直立してもらう。小学六年生くらいの背丈で、顔も、どことなく人間じみている。』
『椰子・椰子(やし・やし)』
著者:川上 弘美(かわかみ ひろみ)
出版社 : 新潮社
文庫 : 132ページ -
出産してからなかなか小説を読む機会がない中、図書館で借りて読みました。日記の体裁なので育児の間にも少しずつ読めました。
何より川上弘美さんの世界観を久しぶりにたっぷり楽しめて大満足でした!うそばなしなんだけど、かわいくて楽しくて、愛嬌あふれる人たちが次々と現われて。あ〜わたしが今読みたいのはこういう文章なんだ!という作品でした(^^) -
川上さんの不思議な嘘日記。
コピー機の裏に住みつく女の子、山本アユミミ、縄文人街、渋谷で夜遊びなど。わけわからんけど、笑える。
川上さんと挿絵のマオさんの「あとがきのような対談」もおかしい。こわい中にあるかわいい要素、私も好き。 -
再読です。読んでいると、へんてこな世界がかわいくて面白くて、心が立ち直ってぽかぽかしてきます。なにがあっても不思議じゃないなぁと、おおらかな気持ちになりました。不思議なのですが、今いる世界と地続きな気がします。恋したり、失って蛸を煮たり。この川上ワールドも大好きでした。
「オランダ水牛」のラストで、「好き好き大好き」と言いながら、恋人にローキックを浴びせるなんて、戸川純かな…とちょっと思いました。 -
変わっている。変わっていすぎて、自分の枠では、この本がなんだったのか、判断できない。