私たちが好きだったこと (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (393ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101307121

感想・レビュー・書評

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  • 自分が子供だった頃に今の自分の年頃だった人たちの話を読むのが好き

  • 大人が四人集まればこういう展開は必然で、何もないほうがおかしいんでしょうけど‥小説ってこういう流れじゃないとやっぱり成り立たないのかなあ‥と捻くれて読んでしまうわけです。

    読んでるうちに段々腹が立ってきたりしていたけれど、終わるころには不思議とどの主人公にも怒りを感じずに読み終えました。

    少し脱線してしまいますが、やっぱりわたしがこの本を読んだのも必然だったのかも、と思ったのはあとがきを書いた方があの人だったから。眠れる森も、氷の世界もこの作品からヒントをもらっていたなんて知らなかった。
    しめくくられるのは決まっていつもと同じ言葉。なのに、彼がこの世にもういないという、この矛盾。

  • 偶然から、一緒に暮らすことになった男女4人。優しい大人たちの、人間への無償の愛と、その哀しさが表されていました。女は、現実的で利己的。男は意外と嫉妬深くて、女をどこまで赦せるか、という所で右往左往しているんだな、という理解。
    とにかく、少し冷静に、愛することとは?を考えさせられました。

  • 大好き。静かなのに激しい男女の恋愛…切ないんだけど、どこか憧れてしまう。女性として共感できるところがたくさんあった。映画も観たけど、なかなか良かったよ。

  • ラブか?ラヴか?
    どちらかといえばラヴなの。
    なんかよかった。

  •  バーであった後、勢いで一緒に住みだした与志、ロバ、愛子、曜子。互いのことをまったく知りもしない男女が、どうしてここまで尽くすことができるんだろう。裏切られて、悩み苦しんでも、結局は相手の幸せを願うところにたどり着く。
    「僥倖」という言葉が強く印象に残る。思いがけない幸い、偶然に得る幸運。各々がそのことに感謝して心に抱きつつ、それぞれの道を歩んでゆく。

     高校3年生のときに後輩に薦められて初めて読んで、10年ぶりに本棚から取り出した。その間、私もいろんな人と出会い、いろんな感情を抱いてきた。経験を重ねた分、久々に読んだこの本は私の心の奥深くまでしみこんできた。
     この本と出会えたことも、私にとっては「僥倖」だと思う。

  • 四角関係。

  • 始まりは、主人公が抽選で公団住宅の部屋に当たったこと。偶然か必然か男女4人で住むことになって、当然のように恋模様が描かれていく。大学生の恋愛に仕事と金銭の問題を振りかけた程度。このテーマで読むなら『青が散る』のほうが情熱と情感で勝る。

  •  他の作家にもドラマにも映画にも、見分けがつかないくらい同じ設定の作品がたくさんありますね。
     きっとある時代以降の、若者の自由な生き方、を表現するのにうってつけの、この頃には新しかったはずだけどもはやステレオタイプ、なんだろうな。

     それぞれに夢や目標を持ち(中には進路が見えないメンバーもおり)、互いに干渉しすぎず、でも語り合い支え合い、恋愛と友情が絡まり合い。
     
     とても近くで色々な人間関係が展開してるはずなのに、
     とても刹那的で薄っぺらに見える。

  • 映画を見てから本書を読んだ。
    文体がきれいで宮本輝にはまるきっかけになった。

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著者プロフィール

1947年兵庫生まれ。追手門学院大学文学部卒。「泥の河」で第13回太宰治賞を受賞し、デビュー。「蛍川」で第78回芥川龍之介賞、「優俊」で吉川英治文学賞を、歴代最年少で受賞する。以後「花の降る午後」「草原の椅子」など、数々の作品を執筆する傍ら、芥川賞の選考委員も務める。2000年には紫綬勲章を受章。

「2018年 『螢川』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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