流転の海 第3部 血脈の火 (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (561ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101307527

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  • 第四部へ。

  • ・2/18 読了.大阪に戻ってのいろんな事業の展開が目まぐるしい.あまり業種ややりたいことにこだわりが無く思い付きでやってる感じだ.失敗を想像もせずにやってしまってるのはすごいけど、資金とかよく回るなと思った.

  • シリーズ9作中3作目。当初、理解を越えるほど激しい主人公を傍観する感覚だったが、違和感や嫌悪の中に多情多感な側面や、自分の弱さを認める謙虚さを垣間見るにつれ、引き込まれる。登場人物それぞれに様々な喜怒哀楽があり、人がそこに居る、在る感覚が心地よい。生い立ち、生まれ持った性質や宿命を背負い、時に戦争、天災、或いは他人からの謀や陥れに行く道を阻まれるが、人はそれでも生きていく。「人間は何のために生きるの?」宿命、家族、仕事、子ども、他者と自分…。壮大なテーマを乾きも湿りもし過ぎない筆致で揺さぶってくれる。

  • カンタンな流れで言うと、大阪に戻ってきて、中華料理屋、雀荘。消防のホースの修繕。プロパンガス。きんつば屋。と仕事を変えていく。台風などいろんな事件があって、うまくいかないが、松坂熊吾のアイデアと実行力で次々と新規事業をモノにしていく。

    個人的には、松坂熊吾の糖尿病発覚が大きい。伸仁は7歳にしてヤクザと賭けマージャンをしたりストリップ嬢に花束を贈ったりしている。さらに義母の失踪、杉野信哉との確執、麻衣子が丸尾千代麿が愛人に産ませた子、伊佐男の子どもを産んだ浦辺ヨネとその子との同居生活などが描かれる。

    相変わらず松坂熊吾のキャラクターが抜群で、これまで読んだ小説の中でベストキャラクターはこの人ではないかと思う。生きることのタイヘンさ、裏の顔を持つ人間、ダイナミックな展開、ませているけど押さない子どもとのユーモラスなやりとり、ここまで描けるものかと思うディテイル。小説の面白さを限界を広げてるような作品だ。 

    この本は2日で読んだ。やはり短期間で読んだほうが感動が大きい。

    『賢いやつしか怒っちゃあいけんのお。馬鹿を怒ると、卑屈になりよって、逆恨みされる』

  • 第3部。
    南宇和から大阪に戻ってから。

  • はたして人の運命というのは生まれ持った天命なのか、はたまた人が手繰り寄せる人命なのか。破天荒ながら義理人情に厚い松坂熊吾を中心に、様々な人間臭いドラマが次々に巻き起こる。重厚な人間ドラマを描いた超大作。いや、何が大作って、1990年に第一部が出版されて以来、いまだに完結されてないっていうね。ちゃんと完結される日が来るのだろうか。

    とりあえず4卷まで読み終えて印象に残ったフレーズ。はちゃめちゃな熊吾さんだが、こう生きて行く上でとても重要な「核」になるような発言が散りばめられてて、ハッとすることが多いのがまたこのシリーズの魅力。
    ・子供ってのは、血がつながったかけがえのない存在だが、それでもやはり理解が及ばない他人でもある。だからこそ、心を砕きに砕いて分かろうとする。この他人だけども真剣に分かろうとする相手が子供。子供がが居ないとこの経験が出来ない。その結果、やはり他人に対してどうこか機微を知らん奴が多いように思う。
    ・自尊心より大切なことがあることを知らにゃいかん
    ・この子が将来どんな素敵な子に育ち親を喜ばせるかわからん、草の根を食ってでも育てにゃいけん。

  • 昭和20年代後半 再び大阪に居を構え 事業を展開する松坂熊吾だが 豪胆に精力的に奔走する彼の行く手に かすかな影が差し始める親子の絆 肉親の縁 熊吾を取り巻く人との波瀾のドラマを綴り人間の生を照射する  図書館

  • すでに内容うろ覚え。

  • 流転の海 第三章  これまでになく平和な章でした。。落ち着いて読めた。

  • 二巻よりもおもしろい。
    やはり大阪のはなしはおもしろい。
    伸仁が大きくなって、話がますますおもしろくなる。彼の性格はとてもユニークだと思う。

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著者プロフィール

1947年兵庫生まれ。追手門学院大学文学部卒。「泥の河」で第13回太宰治賞を受賞し、デビュー。「蛍川」で第78回芥川龍之介賞、「優俊」で吉川英治文学賞を、歴代最年少で受賞する。以後「花の降る午後」「草原の椅子」など、数々の作品を執筆する傍ら、芥川賞の選考委員も務める。2000年には紫綬勲章を受章。

「2018年 『螢川』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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