エンキョリレンアイ (新潮文庫)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (238ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101309729

感想・レビュー・書評

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  • 運命的に出会った二人は出会ってすぐ離れ離れになる運命だった。アメリカと日本の遠距離恋愛。
    恋に落ちた瞬間と,止められない気持ちから突き動かされる激情が,ちょっと懐かしい感じ。最終的にはハッピーエンドと言っていいのかな。
    このすれ違いは遠距離が原因ではなくて,お互いの信頼が築かれないまま離れ離れになったことでは。と思いつつ,一緒にいる時間が長くても信頼関係にあるとは限らないか,と一方で思う。
    人は嘘をつく,嘘をつかなくても全てを話すわけでもない,言葉から得られる信頼なんてたった一握り。きっと目を見て話をして,一緒にいる時間が一番大事なんだと思う。そんな風に思った小説。

  • 全体的にさらりとしていて、読みやすかったです。
    主人公の花音ちゃんと海晴の運命的な出会いから13年間が描かれていますが、内容的には出会ってから1年間?の話がメインです。

    タイトルがカタカナである理由が、物語の中で分かり、納得するとともに、小手鞠るいさんの書く文章は綺麗だな〜!と思いました。

  • 全体的にチープな印象を受けました。主人公2人の良さが最後までわからず…感動シーンもイマイチ共感できず、盛り上がりに欠けている感じがしました。

  • 恋愛小説はあまり好きじゃないので普段なかなか読まないのだけど、「エンキョリレンアイ」の経験もあるので読んでみた。ザ・恋愛小説だった。詩のような小説。花音が海晴に夢中になっている感じを今でこそ冷めた目で見てしまうけど、20代前半の恋に恋する感覚は分からなくもないなぁ。まさか中国人のせいで10年以上も離れ離れになるとは。。空白の時間を埋めるように、2人はずっと一緒にいるんだろうな。

  • 主人公の桜木花音は、22歳の誕生日の日に、京都で過ごした学生最後の書店アルバイトをしていました。そこに、翌日からアメリカのシェフ学校への留学を控えた井上海晴が現れ、運命の恋に落ちます。東京の会社に就職が決まっていた花音は、翌日新幹線で東京に向かいますが、ニューヨークに旅立つ海晴に会うために成田に向かいます。成田で10分の再会をした花音と海晴ですが、東京とニューヨークとのエンキョリレンアイが始まります。連絡がつかない海晴、届かないメッセージに翻弄され、心が揺れますが、二人は想い続けます。花音が愛について考えたり、心が揺れ動いたり、遠距離は切なくもあります。海晴が多少おおらかなのも、やきもきさせます。
    読みやすくて素敵な文章だと思いました。

  • ──驚いた!こんなことって、あるのね?

    文庫本230p程
    サッと読める

    小手鞠るいさんの文章はとても読み易くて好き

    ──驚いた!こんなことって、あるのね? な恋愛小説(*^^*)

  • 以前から小手鞠るい作品の大ファン。なのに、何故か今まで読み落としていた。

    出逢った次の日からアメリカと日本という遠距離に身を置かなければならなくなった二人が織りなす切ない恋愛物語。
    些細なことからすれ違い、別れを経験し、それでも13年間の時を越えて穏やかなハッピーエンドの予感。
    若い女性向けだとは思うけれど、50代でも充分入り込むことが出来た。

    永田萌さんの解説で「これは長編の抒情詩だ」と書いてあったが、まさにその通りだと思う。
    美しいセンテンスやワードのチョイス、比喩が特に素敵。
    行ったこともないマンハッタンやハドソン河の様子が頭に浮かび容易に想像できてしまう。

    さて、「エンキョリレンアイ」「サンカクカンケイ」「レンアイケッコン」の3部作すべてがすでに私の手元には揃っているが、続けて読みたいところをグッと堪えて、違う作者の本を読みワンクッション置きたいと思っている。
    何となく勿体なくて余韻を楽しみたいから。(笑)

  • あなたとの距離はこんなにも近くて遠い。

    偶然の出会いから,すれ違う長い日々。距離も時間も長いエンキョリレンアイ。カタカナは表意文字だから,漢字と違って音だけになってしまう。「遠距離恋愛」ではない,からっとした平坦なことば。結末は幻かと思ったけど,ようやくたどり着いた場所ということか。やはり遠かった。

  • 確か某まとめサイトで恋愛小説のオススメに挙がっていて、私自身経験のない遠距離恋愛に興味があったので、読んでみた♪

    あらすじには「13年間の物語」ってあるけど、実質中身は1年間くらい…よね?
    決定的に離れてしまった後のお互いの姿が、全然描かれていなかったのにはビックリ。Σ(・Д・ノ)ノ
    13年間の心のやりとりを期待していただけあって、その部分がちょっと残念だったかな。

    しかも読み始め当初は、海晴さんが苦手だった!(>ε<:)
    なんか、人間味がないというか…デキすぎた男だなぁと。笑
    もちろん、カノちゃんとの間で交わされたメール(時には、電話や手紙だったことも)はどれも素敵だったし、「怒りにエネルギーを与えない」とか、考え方の一つひとつにも〝自分〟を持っててカッコイイ人だな~とは思っていたけれど。
    でも最後の手紙ではちゃんと弱さを見せてくれて、そこからは見方が変わって、きゅんきゅんした♥

    人間、そんなに強くない。強い人間なんて、本当はいないのかも。(-ω-`)
    だって傍目には強く見える人も、実は自分とは違った部分に弱さを抱えていたりする。
    その年齢を見上げていた頃には、ただ漠然と大人だっていう印象を抱いていたかもしれないけど、いざその景色に到達したとき、案外未熟なんだと気付いたりもする。
    海晴さんには、そういうことを教えられたように感じた*

    出逢ったばかりの人と、突然遠距離になってまで続けられる恋って凄い!ヽ(゚∀゚〃)ノ
    でも運命の相手には一目惚れするものらしいから(偉人の名言にそんな言葉がなかったっけ?)、二人にとってまさに運命の出会いだったんだろうなぁ。
    再会はあまりにも奇跡的すぎな気もするけど、そうでなきゃ話が締まらんか。笑

    ひたむきな花音ちゃんが可愛らしく、一途な想いに溢れている作品だった☆゚+.
    遠く離れた相手に気持ちを伝える手段として、今は色々な方法が選べるけれど…やっぱり私は「手紙」に弱いみたいだ。(^ω^〃)ゞ

  • ラストはなかなかあっさりでしたが、読書苦手な私でもさらさらと読めました。
    イノウエがポジティブで、その言葉にグッとくることが多かったです。

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著者プロフィール

1956年岡山県生まれ。同志社大学法学部卒業。ニューヨーク州在住。
『欲しいのは、あなただけ』で島清恋愛文学賞、『ルウとリンデン 旅とおるすばん』(講談社)でボローニャ国際児童図書賞を受賞。主な著書に『優しいライオン やなせたかし先生からの贈り物』(講談社)『星ちりばめたる旗』(ポプラ社)ほか、主な児童書に『心の森』(金の星社)『やくそくだよ、ミュウ』(岩崎書店)『シナモンのおやすみ日記』(講談社)など多数。

「2024年 『新装版 まほうの絵本屋さん』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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