- Amazon.co.jp ・本 (281ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101328126
感想・レビュー・書評
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2017年1月22日紹介されました!
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つげ氏の文章は初めて読みましたけれども…なんというか、内向的な方なんでしょうね、きっと…だからこそ、漫画であのような独自の世界を創られるのかと…想像する次第なんですけれどもまあ、この本に書かれた当時の田舎町と今現在の田舎町とじゃ大分差があるかと思います…。
ヽ(・ω・)/ズコー
今では当時よりもさらに「つまらない町」が増えているかと思いますので…あらゆるお店のチェーン店化とかもね、その一因を担っていることでせう…!
ヽ(・ω・)/ズコー
まあ、人間が利便性みたいなのを追及していくとやはりね、いろいろな場所の特色みたいなのが薄まっていくんですよね…そして、どこへ行っても同じような街並みになってしまう…!
↑といった危惧が僕にはあるのですよ!!
ヽ(・ω・)/ズコー
というわけでまあ、漫画家の書いた文章というのも小説家やらエッセイストが書いた文章とは一風違って良い味出していましたよ…おしまい。
ヽ(・ω・)/ズコー -
夢うつつの時に良く見るような不条理な夢が現実になったといった感じの旅行記。タイトルからして貧乏自慢なバックパッカー旅かと思ったら全然違った。中盤過ぎに「自分は夢見がちな人間なのかも知れない」等と書かれているのには「おいおい、今頃気づいたのかい⁈」と突っ込みたくなった。
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何だろう、この感じ。何とも言えない。なんて言ったらいいか分からない。
どうしたらいいのかも分からない。
でも集中してどんどこ読んだ。 -
自分の遣りたいことを自分の好きに行うのは、とても贅沢に思えます。
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冒頭の「旅写真」。刹那的に会う女性との逃避行を妄想する「蒸発旅日記」。良質な私小説を感じさせる始まりだった。が、次の章から単なる家族旅行日記? のようになってしまった。西村賢太に通ずる、文章が醸し出す雰囲気が良いだけに残念。
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図書館で借出。
実はつげ義春の漫画を一度もまともに読んだことがないのだが、図書館で見つけて惹かれたので読んでみた。
登場する旅先は東京・山梨の境辺りの山村が多く、意外や(?)つげは健脚っぷりを発揮して山道を何kmも歩いていく。
何となくのイメージで、つげ義春はダウナー系で貧弱な感じだと勝手に思ってた。
冒頭の「蒸発旅日記」、「ファンレターをくれただけの一面識もない女性と結婚すべく九州へ行く」というくだりから、解説で夏目房之介が言うように、つげワールドへ引きずり込まれる。
しかも実際に会ってみると「おしゃべりで陽気な感じが好みに合わない」、でも「多少のことは我慢して結婚しようか」といった、悪意のない身勝手さみたいなところにニヤニヤしてしまうのだ。
これだけでこの作家はイケるぞと思わせてくれる。
つげは隠遁・落魄志向の持ち主だったようで、旅先は鄙びた田舎。
そこでどんな生活をしようか、でも息子には会いたいから交通の便も多少はよくないと…などと妄想しては、果たせず日常に戻る。
旅籠で侘しさに浸るのも好きらしく、それができなかった群馬県の湯宿温泉では
「ひとり部屋にポツンとしていても何故か侘しくならないのだ。久しぶりに滅入って『ああ……』と溜息でもついてみようと思ったのにさっぱり駄目なのだ。寂寥としないのだ」
とがっかりしてみせる。
これはいいぞ。
文章の端々から「この人は精神がちょっといいアンバイになっているんじゃないかしら」と思わせるが、鄙を好み通俗を嫌悪するというようなこだわりには共感。
グラビアページの、「写り込む電線さえ消せば江戸時代」というような写真もまた見どころ。
つげが日本のあちこちを旅した昭和40年代後半、地方の辺鄙な場所はまだまだ“迫力のある”風景を残していた。
自分の生まれる10年くらい前だけど、もうずいぶん昔のことなんだな…
福島県木賊温泉の写真もあったけど、あそこに写る場所は僕が去年の夏に通った道なんだろうか。 -
旅行をしたい気分になった。
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ファンレターを頼りに、会ったこともない女性と結婚するため九州に旅立つという蒸発シーンからスタート。
相変わらずのショボくれ感と、厭世的な貧しさがジワジワと滲み出る文章がたまらなく心地よい。