脳はなにかと言い訳する―人は幸せになるようにできていた!? (新潮文庫)
- 新潮社 (2010年5月28日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (403ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101329215
作品紹介・あらすじ
「脳」は幸せの鍵を握っている!恋愛、仕事、アルコールetc.「脳」のしくみを知れば知るほど毎日がきっと楽しくなる。
感想・レビュー・書評
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脳の話あれこれ。
私って…と悩んでいたあれもこれも、実は脳の特性だったんだ!というお話。
ほっとしたような、問題は何も解決していないような複雑な気持ち。
自分の体の中のことなのに分かっていないことのなんと多いことか。
まだまだこんなにたくさんの不思議がある世界に生きているんだからマンネリなんて感じている場合じゃない!
と、嬉しい気持ちになった。 -
池谷さんの脳の本は、科学的なんだけれど、
科学を知らない人でも十分理解できるレベルで説明がしてあって、
毎回本当に楽しめる本です。
難しい学術論文のエッセンスが何かを感じ取って、
素人にわかりやすく説明できる
アカデミックな人はなかなかいないなぁ。。
過去の池谷さんの書評はこちら↓
(どれも最高に面白いです。)
※記憶力を強くする
https://booklog.jp/users/noguri/archives/1/4062573156#comment
※海馬 脳は疲れない
https://booklog.jp/users/noguri/archives/1/4101183147#comment
※単純な脳、複雑な「私」
https://booklog.jp/users/noguri/archives/1/4255004323#comment
※のうだま やる気の秘密
https://booklog.jp/users/noguri/archives/1/4344015959#comment
※パパは脳研究者
https://booklog.jp/users/noguri/archives/1/4594085369#comment -
マンネリがストレスやアルツハイマーを作るようだ。
安定は良くないね。
変化を通じて知識と経験を増やして、
「ストレスを感じないようにする」ではなくて、
「ストレスを感じたら○○をすればいい」という感じで、ストレスを感じる事をゴールにするんじゃなく、
その後に何をするかを考えられれば、
ストレスは20%しか感じない。
100%発生して20%まで落ちるんじゃなく、
20%しか発生しない。
ストレスを感じないようにすると100%感じるけど、
ストレスを感じた後に何をして解消するかを考えておくと20%しか感じない。 -
神経科学者である池谷裕二氏が、2004年~2006年の間に書かれたエッセイを「脳はなにかと○○する」というお題にまとめ、それぞれに対する追加の解説を書き加えられた一冊。
様々な研究論文などを引用しながら、普段我々が持ちそうな疑問点などについて、とても分かりやすく優しい文体で書かれていて、とっても面白かった。
最後の「解説」で中村うさぎさんが書かれていることが、この本、そして池谷裕二氏の性質をとてもよく表しているのではないだろうか。
「・・・脳は私が思っているほど賢くなく、いくつ盲点があったり嘘つきだったり適当だったりするのだが、その一方で、私が思っていたより遙かに働き者で合理的で賢明だったりもするのだ、と、この本に教えられた。愚鈍であるかと思えば明晰で、深淵かと思えば意外と浅はかな、我々の脳。だけど、そんな脳が、知れば知るほど愛おしく見えてくる。
池谷氏の本は、脳を理解するだけでなく、脳を愛することも、我々に教えてくれるのである。それは、池谷氏自身が、こよなく脳を愛しているからなのであろう。ちょっとした言い回し、文章の端々に、脳に対する氏の愛情がうかがえて、読んでいてほのぼのとした心持ちになるほどだ。
池谷氏の本の読後感が爽快で、難しい理屈さえスウッと抵抗なく身体の中に入ってくる気がするのは、ひとえに、彼の本が愛情深く書かれているからに違いない。書き手の愛情が読み手にも伝染して、我々は脳という驚異的な存在に、そして脳の中で形作られる自分自身に、優しさといたわりとリスペクトの想いを抱くのだ。」(p400) -
記憶力を良くする方法が知りたくて読んだが、興味深いネタがたくさんあるエッセイをまとめた面白い本。
脳にも「ゆらぎ」があり、ゆらぎが行動を決めている!人を好きになる理由もそれは言い訳であって、「脳がゆらいだから」好きになったにすぎない。確かに納得。いつの間にか好きになっているその最初って突き詰めると何かの拍子にたまたま隣の人でなくてこの人を見ただけな気がする。
じゃあ人に自由意思がないかというと、自由否定はできる。本心は何かって突き詰めても行動に移すため決断しない限りそれはわからない。それもゆらぎの範囲。
記憶力を善くするには?結論としてはド忘れというものはなくて、記憶を直ぐに呼び出せない状態なだけで忘れているわけではない。その状況に戻ってヒントを探して記憶を呼び出せばいい。
危機感、不安が記憶力を善くする。マンネリ化すると記憶力も低下する。子供のような気持ちが大事。論理的な勉強は纏めて、語学のような勉強は小まめに。睡眠による身体を休めると脳が活動する。睡眠時はやはり大事らしい。
モチベーションを高めるには作業工程を細分化し、褒めて達成感を高める。 -
おもしろかったです。
脳ってコントロールできそうで、完全にはできない。
全くできなさそうで、できてしまう。柔軟で不思議だ。
どんなにマイナス思考になりそうでも、自分の脳を信じてあきらめないでみようと思う。 -
2023.8.7読了
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単純に面白かった!知らないことが多くとても勉強になった。色々な可能性に満ちた脳をもっと知りたい
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脳はどうやって私たちを動かしているのか。科学的な論拠も示しながらのさまざまな考察がとても面白く、素人にもわかりやすく書かれた良書。
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論理生の高い、数学のような科目はまとめて勉強して、知識を丸ごと覚える、英語のような科目は少しずつ勉強するのがいいらしい。
前作の海馬と比べると情報の密度が少ない気がする。 -
この本ができた過程はちょっと複雑。
まず、『VISA』誌にエッセイを連載する。
それに「語り下ろし」で解説を付け、単行本になる。
それが平成18年。
そこから平成31年、新潮文庫になる。
・・・ということは、内容は少なくとも15年以上前ということ?
・・・ということは、今はここで説明されていることからかなり変わってきている、かもしれないとうこと?
まあ、それだとしても、自分にとっては初めて知る内容も多かった。
面白かったのは、記憶は不適切な再生によりあいまいになってしまうという話。
「不適切な」というのが、具体的にはどのようなやり方になるのかが気になるところ。
また、記憶を「固定」する際には、遺伝子が働いて分子を合成することが必要らしいけれど、一度成立すると、もう遺伝子の作用の必要がないとか。
そんなことが突き止められているのか、と思ったのだ。
それ以外では、後半の方に出てくるオーダーメイド医療やニューラル・プロステティクス(神経補綴学)の話は刺激的だった。
残念ながら私が手術を受ける前、薬剤的な禁忌は聞き取りで判定され、まだ遺伝子を解析して判断することはなかった。
また、脳からの信号でロボットを操作する様子はテレビでも見たことがあるような気がする。
こういう技術は今はどこまで進んでいるのだろう。
そして、一般化はするのだろうか?
それとも、ハラリが危惧するように、一部の人のハイブリッド化が進み、命の格差をもたらしてしまうのだろうか? -
人間の行動は脳によって決まってくる。
否定はできるが、なんと意思ですら脳の揺らぎによって決まるのだから。
自由意志と自由否定。
〜したいと思ってしまうのは脳のせいでどうしようもないことなのだ。あとの決定権は自分にある。
もちろん身体も大切である。
さらに脳を鍛えたり、脳にいいことをすることで可能性はかなり広がるのではないか。 -
脳科学の池谷先生の本。過去の寄稿に加筆したもので、脳をテーマにしたコラムやエッセイがまとめられている。
コラムとエッセイなので、豊富な脳科学の知見を紹介するだけではなく、学術的な裏付けはまだ出ていない事項に対する池谷先生の考えや想像も多く書かれている。
例えば、
ヒトが右利きが多いのは心臓が左側にあるため、右手で作業をするほうが体の左側を保護できるのではないか?言語野が左脳にあるのもピアノの高音階が右側(左脳サイド)なのもここから来ているのではないか?
というような記述である。
純粋な脳科学の知識だけでなく、こういった視点も読んでいて刺激になる。
読みやすいが、内容的は新書や単行本の作品の方が深いかもしれない。 -
覚えてないけどおもろかったね。
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面白かった! 最新の脳科学の成果がとても解りやすくまとめられていて、どこを読んでもとても興味深かった。特にストレス・睡眠と学習能力の関係、アルツハイマー病やうつ病などと脳内物質の関係など、へぇ、の連続。参考にして、スッキリした生活を送りたいものだ。
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脳は意外とお馬鹿。
脳は想像以上に高機能。
そうして、そんな脳を日々我々は何も知らずに使っていて、思い悩んだり考え事をしていたりする。脳についてロクに知らないのに。
そう。ろくに知らない。だから、この本を読んで感じたことは、自分の悩み等は自分自身でどうにでもなりそうだな。という好意的な感触だった。考え方や、向き合い方でどうにでも変わる。それは自分に限らず他の人も同様。
そう思うと、心が楽になった。
分かりにくいことを、わかりやすく説いてくれている点で、池谷先生はトップクラスだと思う。また読み返したい1冊。 -
557円購入2011-06-28
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脳に関する興味深い話が盛りだくさん。論文に基づいて説明しているのも説得性を増す手法だ。2018.10.31
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81:脳科学者・池谷さんによる、軽めの読み物。難解なことを噛み砕いて解説してあるので、さくさく読めます。タイトルどおり、「脳はなにかと○○する」というテーマごとにまとまっているのも読みやすく、トリビア的知識が増えるのでは。
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脳の動きが解りやすく書かれていて、とても面白い。脳の癖を知ることは、生活やカウンセリングに役に立つ。
この本のタイトル、面白いですね。
「何かと言い訳する」
それが脳の特性なんだ、と知れば、
おしゃべりな脳に、う~ん...
この本のタイトル、面白いですね。
「何かと言い訳する」
それが脳の特性なんだ、と知れば、
おしゃべりな脳に、う~んざりしている私でも
(特性ならばしょうがないか)と、心にゆとりも生まれます。
ストレスが体に最も悪い、といいますし、
もしかしたら脳は
体を必死で守る為に、(悩まないで、君は正しい)なんて言い訳をし続けてくれているのかなぁ?
なんて考えてしまいました。
う~んと若い頃はわからないことがあると不安になってしまいましたが、
今はわからないことがあると逆にワクワクしてしまいます♪
こんな不思議な感覚も脳の謎のひとつですね。
「おしゃべりな脳に、う~んざりしている私でも
(特性ならばしょうがないか)と、心にゆとりも...
「おしゃべりな脳に、う~んざりしている私でも
(特性ならばしょうがないか)と、心にゆとりも生まれます。」
そうなんです!
自分ではどうしようもないことだ、皆そうなんだ、そんなところでしょうか?
あとはちょっと脳が可愛く思えたり(笑)
まぁ、頑張ろうぜみたいな。
「今はわからないことがあると逆にワクワクしてしまいます♪」
ワクワクする話満載でした♪
機会があったら是非読んでみてください!