ワイルド・ソウル 下 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 1986
感想 : 175
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  • Amazon.co.jp ・本 (520ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101329741

感想・レビュー・書評

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  • 結果的に、ハッピーエンドで良かった。

    衛藤、ケイ、松尾、山本達の願いは、日本政府(外務省)に過去の非を認めさせることだった。
    結果として、総理大臣は会見で非を認める発言をした。

    +αとして、以下成果もあった。
    ・日本国民に、過去の政府の過ちを伝える事ができた。
    ・当時の役人に復讐することもできた
    ・捕まらず逃亡もできた(山本は亡くなったが)
    ・日系移民達の裁判に今後有利に働く?
    ・精神面で自由になった

    内容の衝撃は上巻に纏められてた気がするので、下巻での感想は意外にないなぁ。

  • 命とは生き方を指している。

    面白かったです。

  • 〈上下巻合わせて〉

    非常に面白い。上下巻あり、かなりボリュームが多いのだが、終始飽きずに読み通してしまった。

    まずは、戦後の移民政策が、実は食糧難に端を発する棄民政策であり、その被害にあった人々が如何に残酷な目にあったかが描かれている。正直、自分が同じ目に合うだなんて考えたくもない。
    そして、その恨みを晴らさんとすべく、被害者一団の生き残りである男達が、日本の外務省や当時の移民政策に関わった人たちに復讐を仕掛ける。

    ブラジルでの生活も、復讐劇や最後のクライマックスにおいても、終始ハラハラさせられ、常に続きが気になる。そして被害者のブラジルでの生活があまりにも悲惨だったからこそ、復讐劇も痛快。また、巻き込まれた一般の人達にも不幸はなく、大団円を迎える。

    もう一度言うが、非常に面白かった。

  • 下巻はまさに一気読み。あー面白かった!ってすっきり読み終わったあとで、解説を読んで、少し凹むなどする。そう、私達は祖国を傷つけられている。でも、私達はそれが爽快だと思っている。感情移入の産物かもしれないけど、私達は、同じ人達を敵だと思っているのだ、と。そしてとにかく貴子ちゃんが好きでした!

  • アマゾンでの過酷な環境下での生活感に圧倒された上巻、それをベースとした復讐劇の下巻。ストーリーに途切れがなく、読む手を休められなかった。そして、最後は途中から願っていたとおりの結末に大満足! この本も再読書に入れる。(^_^)v

  • 不穏な雰囲気を残して上巻が終わってしまったので、続きが気になり過ぎてほぼ一気読み。
    変わらずの展開の速さですいすいと結末まで。

    思い悩んでいるかに見えて潔い。
    彼らの潔さにスカッとし、それが手際の良さやこの緻密な計画にも繋がったんだろうな。

    山本さんは心苦しい部分もあるけど、松尾のスカッとさは好きだ。
    最後の最後までケイの心情が出てこなかったことが、なんだか彼の異質さを表しているような気もした。

  • 想像を超える展開が続いてドキドキハラハラ。
    過去や復讐に取り憑かれていた登場人物たちは自己欺瞞という呪いから解き放たれて自由になる。
    結局、その呪いをかけていたのは過去や他者ではなく自分自身だったと気付いた。
    政府、外務省、警察に勝ったのではなく、自分に打ち勝ったんだと思った。
    自分の生き方の舵は自分でとる、西加奈子さんの『サラバ!』を読んだときと同じことを考えた。

  • 上巻後半からのスピード感と熱量のまま、一気に駆け抜ける展開。
    緊迫する場面が続いているはずなのに、ブラジル的な陽気さというか能天気さがずっとあって、完璧で周到なはずの作戦がフラフラ蛇行している感じがおもしろい。
    ラストについても、日本で生まれ育った者ではないな、と思わせる納得のものでした。

  • この作品はあとがきで完結する。

    序盤の壮絶な物語に反して、良い終わり方だった。

  • 再読。
    下巻は続きが気になって、夢中で読んだけど、上巻の重苦しい感じはなく、清々しいハッピーエンドでした。

    解説は私が大好きなミュージシャンの宮沢和史さんです。

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著者プロフィール

1966年長崎県生まれ。筑波大学卒業。2000年『午前三時のルースター』でサントリーミステリー大賞と読者賞をダブル受賞。04年『ワイルド・ソウル』で、大藪春彦賞、吉川英治文学新人賞、日本推理作家協会賞の史上初となる3冠受賞。その後も05年『君たちに明日はない』で山本周五郎賞、16年『室町無頼』で「本屋が選ぶ時代小説大賞」を受賞。その他の著書に『ヒート アイランド』『ギャングスター・レッスン』『サウダージ』『クレイジーヘヴン』『ゆりかごで眠れ』『真夏の島に咲く花は』『光秀の定理』などがある。

「2020年 『信長の原理 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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