- Amazon.co.jp ・本 (307ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101329772
作品紹介・あらすじ
「会社を辞めて、これからどうするつもりなんですか?」リストラ面接官の村上真介が今回対峙するのは――鼻っ柱の強い美容部員、台湾に身売りした家電メーカーのエース研究員、ペースを狂わせる不思議ちゃん書店員。そして最後にクビを切られるのは、なんと真介自身!? 変わりゆく時代を見据え、働くこと=生きることの意義を探す人々を応援する人気シリーズ、旅立ちの全四話。
感想・レビュー・書評
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『君たちに明日はない』第5弾。
リストラ請負会社『日本ヒューマンリアクト』の面接官・村上真介。
『トーキョー・イーストサイド』 老舗化粧品ブランド『コフレ』のエリアマネジャー・まりえ。
大手化学メーカー『ワコウ』に買収され…
『カネボウ』と『花王』かと。
鐘紡自体を知るだけに、なんとも…
結局は学歴は強い、なんだかんだいっても…
やっぱり。
『迷子の王様』 家電メーカー『セネッシュ』のエンジニア・時夫。
『自分が求めているものをつくる。あるいは、誰かが切実に求めているものを作る。そんなものを作る。そして、人に喜ばれる。それが、本当に報われるってことだろう。』
機能が多すぎる、そんな機能いる?綺麗な画質?
本当に消費者は求めているのか⁇
家電にしろ、車にしろ…
何か、消費者からどんどん離れていってる気がするな、日本製。
日本の製造業の将来、不安だらけ…
『さざなみの王国』 書店販売員・香織。
こんなに無口でよく、アパレル販売員がつとまったなと…書店販売員は無口でもいいんだろうけど。
香織にとっては、大好きな本に向き合える世界がいいのだろう。
でも、香織は今でいうと、発達障害だったんじゃないかと…
周りの対応に疑問が残る…
『オン・ザ・ビーチ』 『日本ヒューマンリアクト』が廃業。真介は無職に…
が、やっぱり最後は『人』なんだと。
仕事をする上でやっぱり重要なのは、『人』とちゃんと関係を作れるかだと。
決して、『モノ』や『コト』を売るのではなく、『人』を売るのだと。
でも、結局、真介と陽子、結婚しなかったな。
高橋社長もあっさり…
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心に残った言葉。「唯一変わらないものがあるとすれば、それは、おそらくは誰かを大事に思っているという、その気持ちだけだろう。その気持ちをお互いに持ち続けられる人間関係だけが、かろうじて生き残っていく。」「ここで上がりっていうような一生安楽な人生は、官僚にでもならない限り、今の時代にはもう来ないよ。折り合いというより、むしろ、その不確定な未来を含めて今を楽しめるか、その気持ちというか、覚悟の問題だと思う。」「変わらないものがあるとしたら、結局はその本人自身の気持ちー何か好きなら、状況が許す限りやり続ければいい。これまでだと思えば、自身の選択において、納得して止めればいい。」
話は、どれも結構感動的、いいですよ。 -
約1年前から、シリーズ計5巻を読み終えた。初めの2巻はすごく面白く読めたが、どんどんと落ちていった感じで、今回の5巻目は1番パッとしなかった。彼女とどうなったかもなく、ラストも何かもうちょっと欲しかったなぁ。
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君たちに明日はないのシリーズ最終本。
今まで他人の退職を促してきた真介が、今度は自分の将来を考えることになる。人との出会い、それが一期一会てあろうとも、その人達と関わり続けてきた彼の人柄が滲み出る。
年上の彼女とはその後どうなるのかも気になる。 -
シリーズ5作目で最後。
まだまだ続けて欲しかったけど仕方ないですね。
働くという事を再確認させられました。
考えさせられます。 -
君たちに明日はない シリーズの最終巻。
首切り面接官の村上が、この巻では何と本人が!?
仕事とは何か?
このシリーズで色々考えさせられた。
まぁ、答えが導き出されたわけでもないが、自分にとってプラスになった小説シリーズだったことに間違いはない(*^^*) -
「あなたにとって、仕事とは何ですか」がテーマのこのシリーズも、遂に完結。
第1巻あたりでは、リストラ面接官という主人公村上に、何やら敬遠したい近寄り難さを感じていたが、シリーズを重ねるうちに、そんな違和感も解消。
そして、最終巻で彼はその仕事を離れたあと、それまでの被面接者に手紙を出し、年賀状のやり取りもした相手に、直接会いにも行ってしまう。
「金儲けのためだけに仕事をする人間」ではない、彼の生き方に羨望の念すらわいてきた。
あとがきで作者はこう書いている。
「いつの時代でも、金儲け、あるいは金を稼ぐためだけに仕事をする人間は、永遠にその仕事から報われることはない」
さらに、現在の日本について、現政府が躍起になって進めるインフレ対策についても苦言を呈する。傾聴に値する著者の見識である。
このシリーズは完結したが、新たに仕事に就いた村上信介も見てみたい。 -
5巻まで続いたシリーズもついに最終巻。
終身雇用という労働形態が必ずしも当たり前ではなくなってきた時代の流れと共に、作品としての役割も終わりを迎えたということでしょうか。
リストラ請負というのは見も知らない人の人生を変えてしまう仕事だけに、余程特殊な心を持つ人でない限り相当キツイだろうと想像します。ようやく解放された真介が、伸びやかで前向きな人生を歩むことができたらいいなあと思いました。 -
あとがきに、自分の仕事にやりがいを感じていない人は仕事のストレスからその分だけ散財してしまい精神的に火の車になってしまう…みたいなことが書いてあってはっとした。
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シリーズ完結版(だとおもうけど、番外編とかよくあるのでわからないが)。自分の今後なども考えながら興味深く読んだ。職業は生きざまそのものだけれど、図らずも翻弄されるのもまた人生なのだろうとしみじみ思う。