- Amazon.co.jp ・本 (293ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101334332
感想・レビュー・書評
-
R4.11.29 読了。
官能恋愛小説というよりは、一般的な恋愛とは違う幻想や妄想や不倫などを題材にした恋愛小説のように感じた。どの短編も感情移入できず、よく分からない終わり方に気持ちが取り残されてしまったように感じた。
この中では「契り」、「スイッチ」が面白かった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
女性の性を中心として描いた短編集。
昨今の短編集はそれぞれの話に関連性があり、短編集でありながら1冊を通すと1つの大きな物語になっているケースが多いが、本作は1つ1つが完全に独立したストーリーとなっている。
作者の他の作品も読んだ事がある上で比較すると、唯川恵氏は女性の心情を細かに描いて積み上げていくことに非常に長けているが、短編集という1話30ページほどの中で起承転結を行うとなるとその積み上げが十分に行えずややライトな内容となっており、読み味としては唯川恵氏らしさを感じることはできなかった。
また、女性の細かな心情を描くという本来の形ではなく、性の部分のみにフォーカスして書くということに "挑戦?" してみたというようなテスト的な感覚も少し覚え、やや滑稽な表現が散見されていたように思う。 -
女の幸せって何でしょうね…。20代ぐらいで読んだらまた違った感想になるのかもしれないけど、結婚して子供も大きくなり、アラフォーになった今読むと気持ちがざらついて仕方がない。結局、女の不幸せは女がもたらすのか…。
この年になると母親、妻、嫁、娘…いろんな顔を持っている。そんなことより先に女であることを忘れがちになってしまうけど、いくつになってもそこは忘れたくないのよ、女はみんなきっと。 -
2019.11.1
女の情欲の結集です。
短編集で、出てくる女の状況は様々だが
みんなわがままで、貪欲で、乱れて、淫ら
性というものの魔力に取りつかれている。
快楽を書ききるのはなかなかハードながら
すらすらと読めてしまったよ -
快楽・性愛・混沌。激しく怖さもある9つの物語。秘密、いけないとわかっているからこそ燃え上がる関係には読みながらも心を激しく突き動かされた。
感情の動きや性描写は結構ダイレクトなものであるが、それがこの物語の良さを発揮している。
直接的な描写によって頭の中に描く物語は一層激しくなり、タイトルにもあるようにまさに「とろける」感覚になってしまった。
何度も読み返せる感じではないが、読書体験としてはとても興味深く最後まで難なく読み切ってしまった、好きな作品。 -
『甘やかで底知れない性愛の深みに堕ちていく女達を描く、官能に満ちあふれた九つの物語』
この紹介文とタイトルの雰囲気から、めくるめく官能の世界、の様なものを想像しましたが
とろけるような快楽を“知ってしまった女”の物語が多かったです。知らないままでも
幸せだったが、知ってしまったら、もう以前の自分には戻れない。ある意味怖いです。
九篇ともなると一話一話が短いので、面白くなってきた所で終わってしまった話もあった。
官能的な描写も多々ありますが、上品さを保っているように思われ、読みやすい方かと。 -
淫らな短編。何回も繰り返して読みたい本。唯川恵さんは本作で二度目。100万回の言い訳を見た後だったので、短編にするとここまで凝縮されるのかとびっくり。一気に読んでまた繰り返し読む面白さ。ただ似たような言い回しが何作かに出てきてちょっと?になったので★3つ。
-
男と女の淫らで恐ろしい短編集。唯川恵さんの本は久しぶりに読んだ。相変わらず都会的でおしゃれなのに、背筋が寒くなる恐ろしさ。恋愛小説なのに、ある意味でホラーでもある。10代の頃に読んだ時より、10年以上経った今読む方がより心に突き刺さる気がする。登場人物と年齢が近く、理解できるポイントが増えたからだろうか。「みんな半分ずつ」の愛人の言葉が怖すぎて忘れられない。
-
唯川先生の作品でも結構際どいジャンルなので、読んでてちょっと恥ずかしいですけど、面白かったです。
-
話の終わりを曖昧にすることで登場人物達のその後を読者に託しているのがとても良かった、解釈の数ほど彼女たちが歩む道がある
全体的に読みやすくてあっという間に読めた 他の作品も同時に買っていたので読むのが楽しみ -
エロティックな短編集。
2008年刊行ということで、今とは世相や価値観がかなり違って共感するのが難しい部分も多々あったり、文章自体がちょっと古くさいなと感じるところもありますが、女性がうちに秘めていることが色々と曝け出された短編集でした。
こんなことまで書いちゃう?
男性が読んだらちょっと引くレベルかもしれない。笑
なんでも対等に半分こでないと気が済まない女性の短編が、中でも特に怖かった……。
「女って怖い」系の短編が多いですが、切ない読後感のものもあり、さまざまな立場の女性のモヤモヤや苦悩が書かれていました。 -
浅間情話が、たんたんとした生活と、荒れた性生活の対比になっていて、少し面白かった。
-
怖
-
女子視点でのサスペンスホラー的な要素満載の小説集。
-
官能と一言でまとめるには勿体ない
人間の深いところが出てくる一冊 -
【心だけでなく体も】とろける官能ホラー。女の欲望、嫉妬、羨望、性愛。エロエロ。きゃー(//∇//)対等な交わりは切ないな。鍵のようにピタッとあてはまる人と出会えたら涙も出るくらい未知の世界に入り込んでしまうでしょうね。人は孤独な部分を埋めてしまえる快楽が欲しくなるということか。解説にまとめられた描写。男の人にはたまらなく感じるかも。女もか(//∇//)短編だからちょうどいい潤いなのかも。とはいえ女の心って怖いなぁ。もうすぐバレンタイン。チョコを食べながら、この本を味わってみる?さらに甘くとろけるのかなぁ。