東京タワー (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
3.34
  • (355)
  • (659)
  • (1420)
  • (272)
  • (70)
本棚登録 : 8944
感想 : 791
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (360ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101339214

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 東京への往復に読もうと買った
    東京やし
    関係ないね
    江國香織さんやし
    確かに文章は美しい
    でも、こういうのはあまり好きじゃない

    〈19歳の大学生と人妻が冷静で朗らかです。正直に生きていると、楽しいことがあるという東京タワーの物語です〉

    そうかなあって思う
    彼のその後が心配です

    彼の友人も心配です
    その元恋人も心配です

    やはりバアサンには向いていない本でした

    ≪ 恋におち 正直に生きる それでいい? ≫

  • 2人は歳上の人妻と不倫中という点では共通しているけど、溺れ方は対照的
    どんな結末になるのやらと想像しながら読んだ割にはバッサリと終わった
    まあそうかとも思った
    恋と欲に終わりなんて無いですし
    でも透のその後は気になる

  • 文章の持つ空気感は、江國さんだなぁと思った、柔らかい感じ。
    彼らの日常を見てる感じで読んでたけど、私にとっては非日常感が満載というか、こんなにも恋愛にのめり込める彼らはなんかすごいなぁと。

  • 人間の生々しい感じがする。人と人とは愛するとは、考えさせられる作品の一つ。


  • 先日久々に手にした江國作品がかなり良かったのでまたも未読の作品を選び取ってしまった。

    2人の男子学生、透と耕二。
    真逆のようにも思えるふたりの共通点は、共にひとまわり以上歳上の女性と恋愛をしていること。しかも既婚の。
    しかし一途な透とは異なり、耕二は大学生の彼女がいながら、歳上の恋人・喜美子と割り切った関係を築いている。

    最近は意図せず不倫ものや、セックスばかりしている小説ばかり手に取ってしまい、そのどれもが殆ど美しい文章たちなんだけど、なんだか疲れてしまっている。
    そういうわけで、本作はかなりスローペースでの読書となってしまった。

    似たようで似ていない2人。
    透と詩史は可憐で、残酷にも艶やかに映ったけれど、耕二と喜美子はなんだか醜く思えた。
    何故なのだろう。
    やはり江國さんの作品には、優雅で流れるような時間を過ごすキャラクターに期待しており、激情型の喜美子は見てられなさを感じたからかもしれない。

    この人の作品は、女性が主人公の方が良さが出ますね。

  • 物語にすうっと引き込まれるような感じが心地よかった。
    詩史のせりふが素敵だなと思った。
    大学生と主婦の危険な関係を描いているのに、東京タワーというシチュエーションが、物語の温度をほどよく冷ましていると思う。
    けど、最後の展開はバタバタしていて、あまり好きではなかったなぁ。

  • これで終わるのかーと思ってしまったのが正直なところ
    大人の女性と男子大学生の恋って、文章だからスッと入ってくるんだろうなあ

  • 言葉の清廉さが圧倒的な人だ。彼女の本を読んでそう思った。
    詩史と喜美子。年を重ねた人間の美しさが、言葉に表れている。時には子どものように不安になったり怒りを爆発させたりするけれど、基本スタンスはまっすぐで洗練されている。2人に共通する金銭的余裕も、そうさせるのかもしれない。

    透と耕二。周りの人間をよく見ている。そして好きな女性を思い浮かべたときの表現が、とても情緒的。さまざまな言葉を使って彼女たちとの体験や時間を思い返す。果たしてそれほど表現豊かな男性が本当に実在するのだろうか?と周りの男性を思い出して不思議になる。

    誰一人として共感はできないが、でも人間ってこういうものだよなと深く深く納得する。どこか自分と似ている人、かつ自分にないものを持つ人に強く惹かれる。手からこぼれ落ちそうになったときほど、強くその人を求めて。

    彼らの恋愛はそう永く続かないのだろうけど、いつまでも悩みながら生きていてほしい。

  • 「言ったでしょう?一緒に暮らすことと一緒に生きることは必ずしも同じじゃないって。誰と暮らしていても、私は一緒に生きたい人と一緒に生きる。そう決めてるの」

    「人と人はね、たぶん空気で惹かれ合うんだと思う」いつか詩史がそう言っていた。「性格とか容姿の前に、まず空気があるの。その人がまわりに放っている空気。そういう動物的なものをね、私は信じてるの」


  • 2人の男子大学生、透と耕二の目線から、それぞれの恋愛を描いた小説。男性の視点から語られるのは江國さんにしては珍しい気がする。
    19、20歳頃の男の子二人は本当に多くを語らない。自分の気持ち、思ってることの半分も言葉にしない。言葉にしたらもっと単純なのに、とも思うけれど、感情をぶつける女性的なやり方とは根本的に違うのかもしれない。この本を読んでいる間、男性側の恋愛観をよく考えさせられた。

    それにしても、江國さんの描く女性はどうしてこんなにもきっぱりしていて素敵なのかな。
    弱々しい部分があっても、結局は自分できっぱりと決めて進んでしまう。心の中にはうねるような激流の気持ちを抱えていても、それをそっとしまってさらりと生きている、そんな風に思える。自分の気持ちを飼い慣らして生きるのは、恋となると大人でも難しい。たまにそれが垣間見えた時、男の人はびっくりしてしまうのかな。
    詩史さんの言葉
    「一緒に暮らしてはいなくても、こうやって一緒に生きてる。」
    「孤独ぶりたがりのティーンエイジャーとはちがうから、私はもう一人ではいたくないの。」
    胸の中にしん、と残る言葉だなと思った。
    年を重ねて大人になっていくのも、素敵なことだななんて思う。

著者プロフィール

1964年、東京都生まれ。1987年「草之丞の話」で毎日新聞主催「小さな童話」大賞を受賞。2002年『泳ぐのに、安全でも適切でもありません』で山本周五郎賞、2004年『号泣する準備はできていた』で直木賞、2010年「真昼なのに昏い部屋」で中央公論文芸賞、2012年「犬とハモニカ」で川端康成文学賞、2015年に「ヤモリ、カエル、シジミチョウ」で谷崎潤一郎賞を受賞。

「2023年 『去年の雪』 で使われていた紹介文から引用しています。」

江國香織の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
吉本ばなな
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×