エル・ドラド 下巻 (新潮文庫 は 29-3)

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  • Amazon.co.jp ・本 (426ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101341330

感想・レビュー・書評

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  • サスペンスとしては途中までガンガン読ませて最後はやや拍子抜け。GMOについてはわかりやすく問題を提示して勉強になった感あり。

  • 衝撃の結末です。
    想像しやすい安易な結末を作っておいてそこからさらに二転三転させる。
    ケンドーカシン

  • 相変わらずものすごい取材の量。まるでノン・フィクションのようなフィクションである。有機栽培農業はそんなに金持ちのためだけの贅沢だろうか。確かに現在の(特にメリケンの)単作農業システム、流通機構はそれを贅沢なものに、おまけにメリケン(特に北東部)の食べ物をひどくまずくしている。あのスーパーマーケットの山のように積まれた野菜たちは、豊かさではなくまずさの証明である。
    遺伝子組み換え作物が今回のテーマである。GMO(元の題でもある-Genetically Modified Organisms)を毛嫌いする欧州進出をたくらむ(ふり)でワイン用葡萄の操作をもくろむ大食品系企業アグリビジネス、実はその裏でコカインの話が粛々と進んでいた。
    倫理を主に「なにが起こるかわからないもの」への対応を考えさせる今作。コカは人間にとっては大変有害なコカインを産み出す。だからと言ってコカを根絶する事が薬物中毒をなくすための根本の解決策になるだろうか…。
    ワイン編で出ていた、ワインがこんなに気軽なものになったのは欧州で女性のおおっぴらな飲酒が可能になった事から、だと書かれていた。これは疑問だ。禁酒法があったのはメリケンだけじゃなかったのか?欧州でワインはキリスト教が生まれる前からみんなに飲まれていたと思うのだが…。あの厳格な清教徒たちでも酒場はダメだったけどワインは飲んでいたでしょ?ちがったかな。

  • ボリビアでは、コカインのもとのコカの木の栽培と遺伝子組み換えの問題が出てきます。コカを食べつくしてしまう虫が遺伝子組み換えによって作られようとします。この虫が放たれたら・・・・
    非常に面白かった

  • 最終的に彼(主人公)は全ての真実を知る訳ですが、最後に彼に大きな衝撃が待ち受けています。<br>理想が崩れたとき、それが己と同じモノであったと知った時の人間の失望。<br>決して、事件解決で良かったなーという話ではありません。でも、最後に主人公の選択したもの、それを託したある人物のうちにも存在下であろう葛藤は、同じ立場に立ったとき自分は何を選択するのかを考えさせられます。<br>それは単なる空想ではなく、本来自分の隣に在る選択の恐怖です。<br>大切な人を守る為に世界を不自然にねじ曲げるのか、それともあるがままの世界に耐えるのか。今現在私達を取り巻く科学の分野とはこの事と切っても切る事の出来ない問題だと思います。

著者プロフィール

1961年東京都生まれ。早稲田大学教育学部卒。95年に刊行したデビュー作『龍の契り』が大きな話題となる。’97年『鷲の驕り』で吉川英治文学新人賞を受賞。以後、豊富な取材と情報量を活かしたスケールの大きな作品を発表し続けている。他の著書に『KATANA』『ポジ・スパイラル』『エクサバイト』「清談 佛々堂先生」シリーズ、『天の方舟』『深海のアトム』『夢窓』などがある。

「2020年 『令和版 全訳小説 伊勢物語 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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