噂の女 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 1838
感想 : 200
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  • Amazon.co.jp ・本 (398ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101344720

作品紹介・あらすじ

「侮ったら、それが恐ろしい女で」。高校まではごく地味。短大時代に恐るべき能力を開花させる。手練手管と肉体を使い、店員を振り出しに玉の輿婚をなしとげ、高級クラブのママにまでのし上がった、糸井美幸。彼女の道行きにはいつも黒い噂がつきまとい――。その街では毎夜、男女の愛と欲望が渦巻いていた。ダークネスと悲哀、笑いが弾ける、ノンストップ・エンタテインメント!

感想・レビュー・書評

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  • 大好きな悪女もので面白かったです。

    一つずつの章が気になるところで終わるから、続きが知りたくなるけど、そのかわりサクサクと読み進めることができました。

    美幸の視点の話がないから、実際何を考えての行動かはわからないし、巻き込まれた人の中には気の毒な人もいたけど、お金のために手段を選ばずのし上がり、どんどん強くなってく美幸がかっこよく見えてしまった。

    高校生のときまでは地味だったというところもよかった。

  • 社会の闇につけ込んで暗躍する謎の女。エピソードの大半はやるせない結末を迎えるのでフラストレーションが溜まる。檀家の話、警察組織の話、ゼネコン業界の話は今でも有り得る話なのだろうか。謎の女、糸井美幸の暗躍とともに社会の闇を読んで腹立たしい気分で読んだ。どの章も初めの一文があらすじを語る内容で物語に入り込みやすく、文体もとても読みやすい。
    客観的に捉えている謎の女の正体を最後に明かしてくれるかと期待していたが残念ながら謎のままで落胆。

  • 面白くてどんどん吸い込まれてゆく。一見平凡な女が、女の性をつかって上り詰めてゆく話。いろんな立場の人間から「噂の女」が描写されてるのがよい。

    面白いが、女の私が読むと疲れる。この本を読むだけで、普通の女には、「噂の女」のように男から次々と金を巻き上げてゆくことなどできないとわかる。この女、しぶといなぁと。

  • 面白いけどすっきりしない
    1番面白いところが、書かれていない感じがする。
    噂まとめみたいな。
    女性が卑下されている描写が多くてちょっと不愉快。
    2022/08/27 02:20

  • 読書好きの友人Kからお下がりでもらった一冊。

    ひとことで言うと、エンタメ小説だった。

    章が割に細かく分かれていて、それぞれに語り手が変わる。普段見えていない人間や物事の裏表を全て可視化したような、そんな内容だった。

    章ごとに数年が経過していて、章ごとのシチュエーションもバラバラ。けれど全ての核に謎の女“美幸”がいる。

    それだけ聞くと重い話なのかと思うけれど、どちらかと言うと深く考えずに楽しめる一冊だと思う。

    これまで奥田英朗を読んだことがなかったけれど、他の作品も読んでみたいと思った。

  • 奥田さんの本は6冊目ぐらい。
    噂の女は悪女なはずなのに、どんどん引き込まれる。社会の闇が遠慮なく描かれているが、そのことを理解しつつも抗っている登場人物にも感情移入ができた。

  • デートした人におすすめの小説はと聞いて勧められた本
    絶対デート相手にすすめるような本ではない
    自分がすすんで読むなら面白い、世で言われる男をたぶらかす凶悪女殺人鬼ってこんなもんだろうって思う
    全体としては、少し憂鬱になる本。田舎には住みたくない。

  • こういうのでいいんだよっていう模範例。
    この人に田舎の絶望感を書かせたら右に出る人はいないのでは。
    取られても仕方ないような人たちから取るのも良い。

  • 陰キャだった女子が男を手玉にとって1歩1歩のし上がっていく話。
    愛知県の片田舎を舞台にしているようで登場人物のこれでもかという方言が若干読みにくい。

  • 全部噂で終わり、最後まで語られずに進むから軽い。語られない部分が多いから好みは分かれそうだけれども、個人的にはテンポ良くて好きです。続けて読まないと面白さが伝わりにくいかも。

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著者プロフィール

おくだ・ひでお
1959年岐阜県生まれ。プランナー、コピーライターなどを経て1997年『ウランバーナの森』でデビュー。2002年『邪魔』で大藪春彦賞受賞。2004年『空中ブランコ』で直木賞、2007年『家日和』で柴田錬三郎賞、2009年『オリンピックの身代金』で吉川英治文学賞を受賞。著書に『最悪』、『イン・ザ・プール』、『マドンナ』、『ガール』、『サウスバウンド』、『無理』、『噂の女』、『我が家のヒミツ』、『ナオミとカナコ』、『向田理髪店』など。映像化作品も多数あり、コミカルな短篇から社会派長編までさまざまな作風で人気を博している。近著に『罪の轍』。

「2021年 『邪魔(下) 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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