- Amazon.co.jp ・本 (574ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101347172
作品紹介・あらすじ
城山は、五十六時間ぶりに解放された。だが、その眼は鉛色に沈んだままだ。レディ・ジョーカーを名乗る犯行グループが三百五十万キロリットルのビールを"人質"に取っているのだ。裏取引を懸念する捜査一課長に送り込まれた合田は、城山社長に影のごとく付き従う。事件が加速してゆく中、ふたりの新聞記者は二匹の猟犬と化して苦い臭跡を追う。-カオスに渦巻く男たちの思念。
感想・レビュー・書評
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R1.12.8 読了。
レディジョーカーと名乗る組織の影が見えてきた。続きが気になる。下巻へ。 -
城山と誘拐グループ「レディ・ジョーカー」の裏取引を疑う警察は合田を城山の警護役と称し、身辺調査の命令を下す。一方で城山はレディ・ジョーカーとの取引を着々と進める。その匂いを嗅ぎつけた新聞記者たちも徹底した取材を進めていくがそのさなかでレディ・ジョーカーは攻撃を開始する。
中巻まで読み終えてふーっと大きく息をつき、ああ、まだ下巻があるんだな、とまだこの重厚な小説が読めるといううれしさと、この重厚な小説をまだ読まないといけないのか、という一種のうんざりという感情が混ざった複雑な気分になりました。
書き込みの量の多さはやはり圧巻の一言! 警察、企業、マスコミそれぞれの論理を余すところなく書き込むという高村さんの姿勢が読んでいて感じられます。なんでこんなにもそれぞれの立場や思惑をリアルに書けるのか不思議でしょうがないです。
そして警察や企業の論理と個人の論理の相克もまた読んでいて凄まじい…。合田や城山の苦悩や葛藤というものが文章を通して伝わってきます。文章自体がまるで呼吸をしているかのよう、と言っても言い過ぎじゃないのではないでしょうか。
記者たちの活動というのも非常にリアルで読みごたえがあります。そして読み進めるごとにこの小説は単なる誘拐小説なのではなく、そこからさらに深いさまざまな闇を見せようとしているのが分かります。それがこの小説がまだ続くことがうれしくもあり、うんざりしている理由なのかもしれません。
いよいよ下巻に突入。中巻はちょっと読むのに時間をかけてしまったので、下巻は一気に読んでしまいたいところです。
第52回毎日出版文化賞
1999年版このミステリーがすごい!1位
このミステリーがすごい!ベストオブベスト9位 -
上巻の段階で犯人の正体も動機もすべて明示されちゃってるわけだけど、いよいよ計画が実行されるとやっぱりグイグイ読ませるね( ´ ▽ ` )ノ
犯行グループ視点の描写がまったくなくなっちゃうとこが、うまい( ´ ▽ ` )ノ
その局面局面での彼らの心理を、読者の想像に委ねてる( ´ ▽ ` )ノ
ああいう事態が出来したときの企業・警察・マスコミの対応、ほんとうにああなるのかどうか分からないけど、とにかく微に入り細を穿つ書き込みで 有無を言わさずリアル( ´ ▽ ` )ノ
大まかなあらすじだけ見ると、まあありがちといえばありがちな設定ではあるんだけど、この緻密さが他作と一線を画してる( ´ ▽ ` )ノ
にしても、相変わらずカオルちゃんの作品では異常なまでに女性が活躍しないね(>_<)
女刑事も出ないし、犯行グループは男ばっかだし、日之出幹部も新聞記者も 男ばっか(´ェ`)ン-…
数少ない有台詞女性キャラである城山夫人も秘書さんも、まるで小津映画みたいな古臭いテンプレ造形だし……(´ェ`)ン-…
ここまで徹底してると、なんか作為なり悪意なりあるんじゃないか?、と勘ぐっちゃうね( ´ ▽ ` )ノ
作中何の説明もなかったけど「バンをかける」なんて、知らない人が読んだら車のバンと混同しちゃうかもね( ´ ▽ ` )ノ
職務質問のことだよ( ´ ▽ ` )ノ
「新宿鮫」で覚えたものだった( ´ ▽ ` )ノ
(「ものだった」って表現、なぜかカオルちゃん大好きだよね( ´ ▽ ` )ノ)
どんなオチをつけるのか、ワクワクしつつ下巻に手をのばしたものだった( ´ ▽ ` )ノ
2019/01/31
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[上中下巻あわせて]
グリコ・森永事件をモチーフとした文庫本3冊の長編小説。
最近はノンフィクションばかり読んでいたので久しぶりに小説を読んだ。
グリコ・森永事件は自分が幼少の頃にリアルタイムに体験した事件でもあり、当時の自分の微かで断片的な記憶も思い出しながらで、大変面白く読めた。
読み終わって幾分モヤモヤしたものが残るけれど、最近の自分は「小説は読んでいる時間そのものが面白ければいいのだ」と思う。 -
LJによる日之出麦酒への恐喝開始から、杉原武郎の自殺まで。中巻は、LJ組よりも、日之出、警察、報道側が多く描かれています。それぞれの表と裏、それに翻弄される人間、LJ事件を利用する闇。いろんな人間の、いろんな思惑が渦巻く事件にページをめくる手が止まりません…
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内容(「BOOK」データベースより)
城山は、五十六時間ぶりに解放された。だが、その眼は鉛色に沈んだままだ。レディ・ジョーカーを名乗る犯行グループが三百五十万キロリットルのビールを“人質”に取っているのだ。裏取引を懸念する捜査一課長に送り込まれた合田は、城山社長に影のごとく付き従う。事件が加速してゆく中、ふたりの新聞記者は二匹の猟犬と化して苦い臭跡を追う。―カオスに渦巻く男たちの思念。
上巻に続き、読み応えがあります。
映像化を観ていなかったら 頭がごちゃごちゃしそうです。下巻が楽しみです。 -
(上巻より)
しかし、個人的にはかなり忍耐力が必要な作品であることに変わりはない。
新聞記者のウエイトを軽くした方が
バランスがとれたのではないか。
とにかうく、独白をする人物が多すぎる。
合田刑事が誘拐された社長の、
警護という名の間諜を務めたのは面白かったが、
犯人を追い詰めるのに脅迫状を送るという手段はいかがなものか。
そして最後の対決でどう追い詰め、追い詰められるのかと思えば、
ナイフで刺すという暴力的な解決。
しかも、何も日の下には明らかにされない。
(下巻へ) -
2019/08/12
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男くさい男たちがいろいろと動いて場面が変わっていく、なかなか重厚な雰囲気。
下巻がどういう結末になるのか気になってずいずい読めそう。
おはようございます。
フォローの登録ありがとうございます。
今後とも宜しくお願い致します。
やま
おはようございます。
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今後とも宜しくお願い致します。
やま