- Amazon.co.jp ・本 (436ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101349220
感想・レビュー・書評
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重松清の醍醐味は短編にこそあり。この作品集は傑作揃い。知らなかったけれど、映画にもなっているらしい。谷村美月主演で一度観てみたいなあとか考えながら、新幹線は米原を通過。
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4.8
→とてもいい作品に出会えました☺︎
色々な人の視点から語られており、それぞれが葛藤や様々な思いを抱えていました。ある人の視点から見ると、完璧で憧れる存在の子も、実際には悩みを抱えている所がとても印象に残りました。
主人公の少女とその友達の関係が本当に素敵でした。
思い出に残る1冊です! -
障害を持った女の子と体が不自由になった女の子の揺れ動く気持ちを描いた
障害がある人の素直な気持ちを聞いた気がする -
教室の中で「きみ」を取り巻く子どもたちから見える風景。
クラスで明るくて面白くて、みんなと他愛のない会話を楽しむ子もいれば、そこに入れない子どもたちもいる。
自分は入れない子どもの方だった。
自分にとって「そんなことあるある!」と思ったエピソードが、クラスの人のことを、苗字+さんか、名前+ちゃんか、名前を呼び捨てか。「けいこ」と「かな」と呼び合っている人たちの中には自分は入れないなぁと思っていたし、名前呼び捨てで呼んでと言われても「かな」とは呼べない・・。そんなの大したことないんだけど、名前呼び捨ては、かなり遠い山のてっぺんに登らないとできないことだったなぁ・・
「あちら側」にいる子どもたちなりの苦しさもある。教室にいた様々な層の子どもたちの心を見事に描いているなぁと思った。
大人からは、心の中で起きていることは見えない。子どもたちの間で戦争が起きているなんてことに気づくことはない。
熾烈な競争も駆け引きも蹴落としあいもたくさんある。
残酷なことをあっさりとやってのけていたな・・と思った。
「みんな」の中にいて、出会える「友達」と、みんなの残酷性にハジかれてしまった時に、出会える「友達」。
ぽつんと一人になった時、そこにいた人との間には濃密な時間が流れ、「友達」は一人になった時に出会えるものかもしれないと思った。
全体的に「クサイ」感じは、好きな文体ではないけど、よかった。 -
学生時代を思い出した。
どの子もたぶんいたなと思う。
内面の部分がわかりやすくかかれてて
よかった。 -
重松清の「友だち」をテーマにした連作短編集。主人公の恵美ちゃんが関わる人たちを題材に「友だち」というものを模索する深いストーリーの作品です。
恵美ちゃんは、一見クールで擦れているけど、芯がしっかりしている女の子(物語によってはお姉さんですね)。自分の信じることをしっかり持っていて、曲げずに進んでゆくところが、とてもかっこ良い。
今、自分自身が何をして行くべきなのかに思い悩んでいるからかもしれませんが、そんな恵美ちゃんが眩しくみえました。
最後まで「友だち」について考え続けて、最後の答えは読者が決めるんだろうけど、やっぱり恵美ちゃんにとって由香ちゃんは「友だち」なんだよね、と安心しました。言葉で表さなくてもいい。喧嘩しても悪口言っても、離れてしまうことがあっても、もう会えなくても、気にかける存在。一生忘れないと思う気持ち。たとえそれが一瞬でも、そういう瞬間があったなら、その瞬間はやっぱり「友だち」なんだと思いました。
自分自身は、すぐ他人の目を気にするから人付き合いが苦手で、一人でいるのが好き。だから人前に出ると八方美人になって、すごく疲れる。まさに堀田ちゃんみたい。本当の意味での「友だち」ってどれくらいいるんだろう。
今、いろいろ行き詰まってるからこそ、こういう性格も少しづつ変えながら、新しい自分を出していきたいと思います。やる気を出させてくれた作品になりました。 -
中学に入学して初めて借りた本が、この「きみの友達」でした。今回再び再読してみて、やっぱり重松さんの本っていいな、と改めて思いました。
恵美ちゃん、由香ちゃん、ブンちゃん、モトくん、堀田ちゃん、三好くん、ハナちゃん、佐藤くん、西村さん…。どの「きみ」も、決して飾ってない。ちょっとクセがあって悪いところもたくさんある。それぞれの「きみ」に、悩みがあって、つらいことがあって…。
恵美ちゃんと由香ちゃんの友情には涙が出ました。
いなくなっても一生忘れない友だちが、一人、いればいい。
恵美ちゃんのこの言葉、いいなと思います。
私は、小学生の時から人見知りだったし、1人や2人とずっと一緒にいたりしてました。他の人から見れば、クラスのグループから外れてたのかもしれないし、浮いてたかもしれません。でも、私はその1人や2人と、話している時間が幸せでした。もちろん趣味が合うばかりではなかったし、お互いが知らなかったものもあって共有し合えました。少し無言の時間があっても、それが居心地良かったりするんですよね。
今ではもう付き合いのない友達もいますが、やっぱり忘れないです。
きっと、誰もが一度は経験したことがあったり、共感できる部分が沢山あると思います。
この本は、友だちって何なのか、みんなって何なのかをよく問いかけている本だと思います。
やっぱり学校生活の中で、グループとか分かれたりして結構複雑だったりしますよね…そういうのを飾りなく自然に表現できる重松さんの作品が、すごく好きです。
最終章、この語り手の正体が恵美ちゃんの旦那さんとなる人だったのには少し驚きました。でも、この後日談を入れてもらえて良かったなと思います。恵美ちゃんには幸せになってもらいたかったし、恵美ちゃんに関わった人達の様子が知れて良かったです。
この本は私にとって永久保存版です! -
読んでるうちに、小中学生の時こんな感じだったなーと懐かしくなりました。
ぼっちは寂しいから、とりあえずどこかのグループに属してみたり。
そのグループでも、愛想笑いしてみたり...
私に本当の友達はいたのかな?
この本に出てくる恵美と由香がそうだったように。
「一生忘れない友達が、1人いればいい。」
今、思春期で人間関係に悩んでる人に読んでほしい1冊でした。 -
友情に悩んでいた中学生のころに出会った本。
たいせつな友達が1人いるだけでいいんだ
みんな表には出さないけど葛藤しながら生きてるんだ
って教えてもらってから
生きるのが少しラクになった。
そして、それが私の人生の軸になった。 -
「友だちとは何か」を考えるのに良い本だった。
「みんな」と「友だち」
「みんな」になったとき、人はどう変わるのか。
「みんな」とどう付き合っていくのか。
多感な年頃になったら子どもにも読んでもらいたい。