娘に語るお父さんの歴史 (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (220ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101349343

感想・レビュー・書評

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  • ほぼ同世代の重松氏が、生きてきた時代を振り返る、歴史の本。
    日本がどんなことが起こっていたか歴史を検証。
    そして、その時代はよかったのか?悪かったのか。
    未来へつなげてほしい。
    手元にずっと置いておきたい一冊になりました。

  • タイトルがいい!
    娘に自分の歴史を語り尽くしたい!
    (でも絶対にウザがられる‥)

    主人公であるお父さんの子ども時代設定がド昭和
    1958年 東京タワーが生まれた年が起点

    確かにあの頃は、著者が述べるように
    「TV」に育てられ、「パパとママ」に育てられ
    「ふつう」を期待され、小さな「正義の味方」

    そんな懐かしい想いでと、子どもの頃はがむしゃらに深く考えずに生きていた。

    でも大人になり、父親になりこの本で違う目線で振り返ると、人生ってほんと奥が深い!

    いつかこんなふうに、娘に自分の歴史的を語りたいけど、やっぱりウザがられるんだろうなー

  • 1963年生まれの主人公が43歳の時に子供の頃の歴史を調べて子供に伝えることで自分の人生を再確認する。大人になって社会とか経済とか文化とかを知ってから自分の子供時代を振り返る。大人の大変さを知ってるからこそ自分の親の苦労もわかる。幸せの形は子供が決める。親は子供に未来を信じさせ、精一杯育てる。未来はどうなるかわからないけど、必ず幸せになる道があるので未来を信じて精一杯生きる。そういうことを再確認させてくれた。今、主人公とほとんど同じ歳。自分の子供時代を調べたくなった。

  • 重松清が自分の生きてきた時代を振り返る、エッセイ風の物語。
    オリジナルの物語にはない、ふたりの娘の父という立場の素の重松清がいたのではないだろうか。
    自分の子供へ語るのではない。
    子供の未来へ語りかけているのではないだろうか。
    明日へ、そして、未来へ向けて前を向いて歩いている全ての人に読んでほしい。

  • 泣けた。お父さんが語りかけることが、自分に言われてるようで嬉しかった。

  • 30代で、自分の子供が不安なく育つために何を伝えようかと思った時に見つけて手に取ってみました。

    年代は微妙に合致しないものの、自分世代が学校や親からうけた教育なり価値観の根底にある思想は何か、ヒントを与えてくれるような内容に感じました。

    戦後にテレビが果たした役割や、こんにちは赤ちゃんとパパママ呼称、核家族、中流意識、標準世帯と欠損家庭、生産社会、ウルトラマンに見る正義、3分間、全力疾走できる幸せ、等のキーワードから、自分を育ててくれた世代には、確かに科学の進歩が、それが対価としての悪を生んだとしても、未来への希望をもたせてくれる、そういう世の中だったのかなと思いました。

    明るい未来を描けない世代は不幸なのかという核心をつく問いに、答えなき答えを打ち出してくれている筆者の人生観を教わりました。娘との付き合い方を考えさせてくれます。

著者プロフィール

重松清
1963年岡山県生まれ。早稲田大学教育学部卒業。91年『ビフォア・ラン』でデビュー。99年『ナイフ』で坪田譲治文学賞、『エイジ』で山本周五郎賞、2001年『ビタミンF』で直木三十五賞、10年『十字架』で吉川英治文学賞を受賞。著書に『流星ワゴン』『疾走』『その日のまえに』『カシオペアの丘で』『とんび』『ステップ』『きみ去りしのち』『峠うどん物語』など多数。

「2023年 『カモナマイハウス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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