龍神の雨 (新潮文庫)

著者 : 道尾秀介

• 新潮社 (2012年1月28日発売)

感想・レビュー・書評

[ヤエさんの感想 · 2022年6月16日]

"雨が降らなければ"なのか"たまたま雨が降っていた"なのか

２つの家庭と雨にまつわる物語
読者に判断を委ねる部分の多い作品という印象
読後、解説者の部分は読んだ方がいい
色々な考察、考え方が記載されて驚かされる

作中でも書かれていた"想像は人を喰らう"
本当その通りだと思った

物語自体は暗め
ラストも陰と陽に分かれている感じ

[すみれさんの感想 · 2022年6月9日]

雨が4人の少年少女の運命を狂わせる。
中盤を過ぎたあたりから方向がガラッと変わり、ページを捲る手が止まりませんでした。

[lisaさんの感想 · 2022年5月11日]

久しぶりに道尾秀介の小説を読んだ。初めて読んだ、向日葵の咲かない夏より、考える余地が与えられている気がして面白かった

[kaminaritarouさんの感想 · 2022年3月21日]

す

[mayuさんの感想 · 2022年3月16日]

最初なんか退屈な感じするのに途中からぐんぐん面白さ増して読む手を止められない！って感じになった

[塔子さんの感想 · 2022年3月15日]

ごりごりと抉られる。刺さるなどといった生易しいものではなく、悲鳴を上げる痛みの中心部を、深く掘り上げられるように。
降り続く昏い雨音が、読み終わった後も消えない余韻。
掛け違え、生まれる誤解、思い込み。守ろうとすればする程、更なる闇に呑み込まれていく二人が辛い。
雷神もそうなのですが、道尾先生の書かれる親子やきょうだいの姿は尊く、けれど深い痛みと悲しみと苦味もあって、その展開に唸ってしまう。
あの時気づけばよかった、聞いておけばよかった、もっと知ろうとすればよかった、それは自分にも当てはまる身近な心情であり、だからこそ読んでいて苦しくなる部分。
読み手に投げかけられたように感じたラストに、ぐるぐると思考を巡らせた。ただ、あの兄妹に「どうか」と龍神に願い祈りたい。
そして完全にミスリードされまくり、またも驚愕真相にひっくり返りました。目次のタイトルとか真相わかってくると凄い。神ですか、と呟いた。

[さくらさんの感想 · 2021年12月29日]

辛い境遇で余裕がない時は、
判断を間違えてしまうのかもしれない。
何かのせい、誰かのせいにして
それが正しいと思い込もうとしてしまう。
やり場のない気持ちが
そうさせてしまうのだろうと思いました。

[こと葉さんの感想 · 2021年12月9日]

なにかがひっかかってるのはわかっている。作者の思惑に嵌められてるんだろうな、と思いながら読むのに不思議と悔しくない。
道尾さんの文章の成せる技なんだろうな。

結構ひっかかりポイントはわかりやすめだったかな。

台風というより、降り止まない細い雨、という印象だけど、
龍と川。
雨。
空が流す涙だよね。

いつだって、気づいたときには手遅れなんだ。

[つんつんさんの感想 · 2021年9月15日]

まさかこんなオチにはしないだろうというオチになってしまい、ミステリーとしては残念でした。非現実的過ぎるし、伏線も見抜き易かったので残念でした。
ただ、特殊な家族の関係性が見事で感動(？)しましたし、読後感は良かったです。

[燦さんの感想 · 2021年8月9日]

ちぐはぐだった物語の繋がり方はそんなに感動的ではなかったけれど、曇天の空を見るとたまにこの物語を思い出します。

著者プロフィール

1975年生まれ。2004年『背の眼』で「ホラーサスペンス大賞特別賞」を受賞し、作家デビュー。同年刊行の『向日葵の咲かない夏』が100万部超えのベストセラーとなる。07年『シャドウ』で「本格ミステリー大賞」、09年『カラスの親指』で「日本推理作家協会賞」、10年『龍神の雨』で「大藪春彦賞」、同年『光媒の花』で「山本周五郎賞」を受賞する。11年『月と蟹』が、史上初の5連続候補を経ての「直木賞」を受賞した。その他著書に、『鬼の跫音』『球体の蛇』『スタフ』『サーモン・キャッチャー the Novel』『満月の泥枕』『風神の手』『N』『カエルの小指』『いけない』『きこえる』等がある。