龍神の雨 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101355535

感想・レビュー・書評

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  • 道尾秀介は「向日葵の咲かない夏」がまったくおもしろくなかったのでかなり間隔を空いての2冊目です。こちらは面白く一気に読めた。兄妹と義父、兄弟と義母という同じような境遇の2組の兄弟のすれ違いの物語。

  • 後半、事件の真実が見え始めた頃から緊張して読みました。
    誤解と思い込みが人の善意を見えなくするんだなぁ。やっぱり会話は大事だと思いながら読みました。
    道尾さんの作品はいつも後半の緊張感がすさまじい
    とっても面白かった!

  • 相変わらず道尾さんの小説は予想できない展開で面白い。
    常に大雨が降っているようなイメージをしながら読んだ。

    蓮が墓場に行った辺りで裏にいる人物が誰かを考えていたけど、まさかの犯人。見事に騙されました。さらに脅迫状についても騙されてた。

    この作品の後に蓮と楓がどう行動するか…どちらを選んでも完全なハッピーエンドではないけど、面白かった。


    一解釈とはいえ、解説を読んで、なるほど…と納得した。
    最後のラジオのクレーン車で電線が・・と流れ着いた遺体についてはわかったけど、蛇の話も意味があったんだなーと感動。

  • 降り止まない雨は自分自身の心のせい。嘆きの雨か恵みの雨か判断するのは自分自身の心。

  • やはり一筋縄ではいかない道尾作品。読んでいてとても不安にさせられる展開はいつものとおりですが、やっぱり最後に引っくり返されます。まさに「想像は人を喰らう」。観念の産物である龍が、人の心の内に棲む様々な負の感情を呑み込もうとするように、人は自ら不安という罠に陥れられていく。「何で、こんなことになっちゃったのかな」取り返しのつかない現実に、家族のことだけはどんなことがあっても信じなければいけない、という蓮の言葉が止まない雨音のように響きます。最後の龍神の雨は蓮と楓の2人にどんな未来をもたらすのでしょうか。

  • 長い5日間の話。
    ティーンエイジと幼い2組の兄弟の話とは思えない過酷さ。
    その年齢だからこその間違いに、過酷さが拍車をかけているように感じた。
    人は追い詰められると、不思議なものを見るのか、不思議なものに捉えられるのか…
    続きを読むのが待ち遠しかった。

    雨は止む
    日は照る

  • “雨のせいで、彼らは罪を犯す”

    母を亡くし、義父と暮らす兄妹。
    父を亡くし、義母と暮らす兄弟。

    雨が彼の殺意を行動に移させ、4人の運命が狂い始める。


    雨が鍵となる物語。

    誤解が誤解を生み、擦れ違った家族たち。
    気付いた時には遅かったのが哀し過ぎました。
    もっと早く気付いていれば・・・人生そんなことが結構ありますよね。

    意外な人物が大きく関わっていて、衝撃的でした。
    あまりに驚いて、序盤とか何箇所か読み返しましたし。

    家族を信じることの大切さを語った場面が印象的でした。

  • 継父を殺す話。

    辰年の節分時期に読むにはちょうどいい1冊。
    と思ったんだけど節分なんて出てきたっけ?

    家族を信じられるというのは幸せなんだ。

    龍神が必要だったかはさておき
    こういう映像化できない本は読みがいがある。
    何も考えずに読むからたいてい騙される良い読者だし。
    解説も面白かったです。

  • 絶望的な状態からはじまって、さらに絶望を深めていく兄妹と、兄弟。
    雨も彼等の不幸も止む気配をみせず、その運命がいつしか交わり、全ての真相に近づいてゆく…

    やるせない、悲しい気持ちになります。
    でも、止まない雨はない。
    そんな読後感にさせてくれる本です。
    雨の日に読んだので、雰囲気がとても良かったです。

  • 今回も見事に騙されたぁ!!

    この作者の小説はすごい読みやすい。それがゆえに、さくさくと何も考えずに読んでいると見事に罠にかかっているのだ。

    お話自体ももちろん、おもしろい。
    そして今回特に思ったのが、話しが終わったあとの解説がよかった。解説者の解釈が書かれているのだが、それが妙にしっくりときた。普通に読んでると気づかないだけで、たくさんの仕掛けが隠されていたのだと知ると嬉しくなった。

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著者プロフィール

1975年生まれ。2004年『背の眼』で「ホラーサスペンス大賞特別賞」を受賞し、作家デビュー。同年刊行の『向日葵の咲かない夏』が100万部超えのベストセラーとなる。07年『シャドウ』で「本格ミステリー大賞」、09年『カラスの親指』で「日本推理作家協会賞」、10年『龍神の雨』で「大藪春彦賞」、同年『光媒の花』で「山本周五郎賞」を受賞する。11年『月と蟹』が、史上初の5連続候補を経ての「直木賞」を受賞した。その他著書に、『鬼の跫音』『球体の蛇』『スタフ』『サーモン・キャッチャー the Novel』『満月の泥枕』『風神の手』『N』『カエルの小指』『いけない』『きこえる』等がある。

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